北朝鮮外交の現在の状況は、我が国政治家、官僚の不作為の結果。


本日3月11日、報道がトップで大きく取り上げるだろうと思う記事は・・・

金賢姫元北朝鮮工作員と拉致被害者田口八重子さんの兄飯塚繁雄さんと長男耕一郎さんが面会したニュース。


その面会が行われる前日に政府が決めたことがある。ここにとんでもないことが起こる予兆があるかと懸念する。

報道によれば・・・

政府は4月13日に期限切れする北朝鮮制裁を、半年間延長する方針を固めた。(日経新聞3月11日)

とあるが、このところの動きを列挙してみよう。


1.テポドン級のミサイル発射準備を整えているようで、日米は安全保障の立場でミサイル迎撃を検討。

北朝鮮が人工衛星発射に対し迎撃すれば、戦争だとみなすとニュースで軍のスポークスマンが登場して発表した。(軍関係者がテレビに出ることは異例)


2.米韓共同軍事演習が行われ、北朝鮮に対しては脅威となる。


3.本日11日、金賢姫元北朝鮮工作員と北朝鮮による拉致被害者田口八重子さんの兄飯塚繁雄さんと長男耕一郎さんが面会した。

この背景は、李明博大統領は拉致問題で日本との連携を重視していることで進展した。

(ついでに時事ドットコムニュースより引用)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200903/2009031100408&rel=j&g=soc  


 1987年11月に起きた大韓航空機爆破事件では、金正日労働党書記(当時)から指令を受けた金元工作員らが大韓航空機に爆弾を仕掛け、乗員ら115人を死亡させたと韓国当局が発表した。
 しかし、事故直後から「韓国の軍事政権による陰謀」との見方が提起された。こうした憶測は98年以降の10年間に北朝鮮に対する融和政策を取った金大中、盧武鉉両政権下でさらに広がった。盧武鉉政権では、陰謀説が真実かどうか検証するため爆破事件の再調査を実施したが、改めて北朝鮮の犯行であることが確認された。こうした状況で身の危険を感じた金元工作員は97年12月の結婚を機にメディアへの露出を避け、ひっそりと暮らしてきた。
 金元工作員が長い沈黙を破り、面会が実現したのは、2008年に就任した李大統領が北朝鮮に人権問題の解決を強く求め、日本と協力してきたことが大きな要因だ。また、爆破事件で亡くなった115人のうち約半数は李大統領が当時、社長を務めていた現代建設の関係者だった。李大統領は自著で自らの部下が亡くなったことについて、「自分の両親兄弟の死で受けたよりもさらに大きな悲しみを感じた」とつづっている。


4.六カ国協議のアメリカ代表であるヒル国務次官補は、近々駐イラク大使へ移動する。


5.北朝鮮の首相、来週17日から訪中。

温家宝首相と会談予定とのこと。


以上のような最近のニュースで、何が読み取れるか。しっかり考えてほしい。北朝鮮を刺激することばかりになってきていることも問題だ。



平和を堅持する独自外交で臨め。すべてアメリカ頼みから脱却すべし。


日米韓ががっちり強固な同盟関係を推し進めることで、北朝鮮の立場は窮地に立たされる。

では、テポドン発射も現実味を帯びてくる。

その時、日米韓はどう動くか。・・・・・シナリオは三通り。そのどれをとっても日本はアメリカにお伺いを立てるだけしかできないと予想される。(ブログでは書きません)


今、日本の政治は自民vs民主の泥仕合の真っ只中。

事が起こる前に日本政府も腹を決めないといけないのだが。


今必要なのは、北朝鮮に対するプレッシャー。そこは間違ってないのだが、単に制裁を延長することを発表しただけでいいのか?とんでもないことだ。危険が増大し緊迫する局面で、真剣な外交が今必要だ。


日本政府は、きちんと北朝鮮に対しコメントを発表し、国際社会で孤立しないためには、という観点で提言することを進めたい。


例としては、

国際社会の秩序ある行動をすべきだ。人工衛星であるならば、その情報をきちんと公開することだ。国連や六カ国協議対象国に根拠ある情報を添えて事前説明を行うべきだ。隠すのであれば、ミサイルだと疑われても仕方ない。信用ある行動によって、隣国間の関係が良好になることを期待したい。

そのような対応の如何によっては、援助拡大に切り替える検討もできる。


と言ったことをはっきり打ち出すべきだ。

すべて棚上げによって、拉致被害者の帰還もいつになるかわからないまま、時間だけが過ぎていく。

拉致被害者、家族・関係者のご心痛はいかばかりか、政府も命をかけて行動しなければならないはず。


今、日本の政治家、官僚の支配層は、北朝鮮問題について不作為の罪に問われ犯罪者となる日を迎える可能性が高まってきたと思うのは、私だけだろうか?