首相答弁はナンセンスでは?
参議院予算委員会、3月5日の首相答弁によって、郵政官僚・族議員の尻尾が見えた。
郵政民営化について国民新党の長谷川憲正議員の質問に対する麻生首相の答弁は、民間人の一般的観点に照らし合わせてみると相当ナンセンスな回答が出ている。
(以下、日経新聞3月6日付記事より引用)
首相 改革派結果として改良もあれば改悪もあり得る。よい方にいかなかった場合は改善を心がけるのは当たり前。民間ならそういう努力をしないと倒産する。ポイントは①国民の利便性②経営の健全化③四分社化された会社間の従業員の公平性――。今後もこの三つを主眼に経営をしなければならない。
以上が首相答弁の記事だ。
答弁がこの記事通りだとすれば、
ポイント①は当たり前のこと。②健全化も当たり前のこと。ただし何を基準に健全というかは、一定の判断基準があるわけでなく、民間企業でも百社百様。学者に聞いても百者百様だろう。つまり、首相の言葉は聞こえがいいが「いいかげん」な答弁としか聞こえない。
一番問題なのは③会社間の従業員の公平性???この発言で首相の意図が見え見えになる。民間企業は規模も業務内容も異なって当たり前。結果としての売り上げや利益に責任を持つことも公器たる企業は責任を持つ、その結果に応じて給与、賞与、福利厚生など待遇・諸条件がしなやかに修正・改定を進めることが当たり前だ。
首相は、片や「民間ならそういう努力をするのは当たり前」と言いつつ、会社間従業員の公平性などと出来不出来によっても変わらない現公務員制度と同じ仕組みの維持が前提だと取られるような、相反するナンセンスな答弁をしたのか。
鳩山大臣、追求の真意は?
「かんぽの宿」譲渡問題で鳩山総務大臣が噛みつき、矛先は日本郵政とオリックス。一見国民にとってはよくやっているという世論形成が期待される。次には、旧東京中央郵便局の取り壊しを歴史的遺産は保存すべし、多額の費用も問題、ということで待ったをかける。
・・・これでマスコミ、世論を味方につければ、さて何が取りざたされてくる?
日本郵政西川社長の退陣?民営化の先兵である西川社長が改革を続けることで不利益をこうむる人たちが考えそうなことだ。
新聞報道によれば1月14日、鳩山大臣は西川社長に対し幹部人事に言及し、旧郵政官僚の団宏明・郵便事業会社社長を持ち株会社の代表権のある副社長にし、人事担当にするなどを要求し、結果的にその通りになってしまっている。(1月28日発表)
鳩山大臣と郵政造反組の接近も気になる点があるし、鳩山大臣は西川社長への恫喝とも取れそうな経営陣刷新をちらつかせているようで、熾烈なバトルが繰り広げられているのではないだろうか。このような展開を国民の前にさらけ出すマスコミ機能も期待したいのだが・・・。
今や、小泉・竹中改革は、大きく後戻りをしてしまうのか。
民主党も票田としての連合を抱えているだけに、③への突っ込みはできないということも織り込み済みなのか。
国民の世論を誘導しつつ、周到な行動を進める官僚と族議員の尻尾が見えた。
あな恐ろしや、官僚国家。
金と権力を支配する人たちが悪魔に見えてくる。
正しいことを行う神の国、日本国はどこへ行くのでしょう?
(本記事は、3月6日付日本経済新聞の記事から一部抜粋・引用し、筆者の私見を掲載しました)
PS: ブログも監督官庁は総務省だけに畏れ多いが・・・