先月の日経新聞のコラム「私の履歴書」は元電通社長で現在顧問の成田豊氏が執筆されていたが、中に小生も唸る一文があった。
電通は日本国内ナンバーワンの広告代理店。
そこでは夏に社員による富士登山を行うという記事で、敢闘精神を養う行事を行っている。一泊二日で富士山に登って、御来光を拝み、お取引先の繁栄を祈っての暑中見舞いを投函するそうだ。社長は前日の送り出しと、翌日の下山に五合目で待機し、全員を握手で迎え、健闘を称える習わしだそうだ。
ある年、電通中興の祖、吉田秀雄が部下を送り出す時の訓示が、なかなか重い言葉だ。
「登りはじめたら決して見上げてはならぬ。周りも見ないことだ。足元だけを見て進めば、いつの間にか頂上に着いている。もし見るなら太陽を仰げ。俺はあそこまで登るのだと」
(8月31日付、日本経済新聞より引用)
最近、仕事や加盟団体の会員仲間たちと、経営指針、ビジョンのことや、それをどう伝えるのかといった経営課題について話を進める中で、この訓示は示唆に富むと感じ入った。