四川大地震の時
先週12日午後2時過ぎに北京にいた。
朝陽区にあるLG双子座ビル(韓国のLGグループ資本の高層ツインタワービル)でミーティングを行い、その一時間ほどの空いた時間を利用して、真正面にある有名な秀水街に立ち寄った。
相変わらず、コピー商品を都市のど真ん中で堂々と売っている。オリンピック直前だから変わっていることを期待して見に行ったのだが、あきれたもんだ。
これってオリンピック開催時はどうするんだろう?稼ぎ時だからと頑張るのか、それとも一旦コピー商品を隠すのか?ここはコピー商品がどっさりあることが魅力なのだから、それが無ければ秀水街の意味は無い・・・ということになるのか?
観光バスで乗り付けてくるなど、お客は平日の昼間でもどっさりだ。欧米人人もたくさんいるが、ロシア人なども目立つ。
で、道をわたって戻ってきたら・・・何やら様子が違う。
人、人、人、???人が溢れている。
ひょっとして、オリンピックの関連PRなんかで、タレントが来るとか?ジャッキー・チェンとか?
そこにいる人も大多数の人が笑顔でいたり、携帯電話かけまくり、、、
で、そんな風に思っていたら・・・
地震で揺れたから、ビルの外に出るようにと緊急放送があったようだ。
その後、気付いたら高層ビルのところは、人がドッとビル外に避難していた。
私が秀水街にいた時か、地下歩道を歩いていた時に、ここ北京でも揺れたようだが、私や周りの人々は全然気付いてなかった。私だけが鈍感ではないようだ。
12日はその地震騒ぎを横目に天津まで移動。
天津での夜、テレビは特集報道が、ずっと流れている。
四川省成都の近く。中国語では「ウェンチュアン」。初めて聞いた。
14日の報道は、また北京で見る。一万2千人が亡くなったと・・・
救助隊が、北京隊、天津隊、江蘇隊、重慶隊が入った。
山東隊、広東隊、貴州隊が入った。
温家宝総理が被災地現地に入った模様 救助される状況
15日に大連では地震の模様を心配だと言う中国人たちとの会話の中で、日本がいち早く5億円を提供すると決めたことと、救援隊の派遣についてお礼を言われた。
こういう時は、中国人の思想を垣間見れたような気がすると同時に、やや気恥ずかしいが日本人として誇りを感じる。
16日の報道では、地震発生直後10分に撮影された映像が流れる。
車がぺしゃんこ 軍が出動
被害の大きな北川中学での救済現場の模様
それらの報道を日を追って見つつも、救援が十分届かない地方のことも案じ、心が痛い。
報道も直後に撮影したものも検閲で止められたりしていたことが窺い知れる。
やっぱりこの国は・・・・
日本の報道に違和感
16日に福岡に帰って日本の新聞を見て、ちょっと驚いた。ためらった。
救援活動の報道記事のボリュームより、救助ができていない状況や、建物の建設に手抜きがあって役人の汚職絡みだという中国人のインタビュー記事などのボリュームのほうが大きく誌面を割いている。
日本の報道って自由とは言え、偏向な気がする。あら捜しばっかりやっているような印象で、気分が悪い。
これぞ「ムカつく」っていう印象だ。
現地で亡くなられた方々への追悼の心や、救援といっても一連のシステムが無ければ不完全であることで不可能となっている苛立つ関係者への思いやりや、関係者のパニックなどに対しての心からの配慮とかが、ほとんど感じられない。
救援隊が危険と向き合いながらも頑張って救助活動を進めていることや、無償のボランティアが被災地で助け合って活動していること、募金活動、寄付や献血などで頑張っていることなど、美談も山ほどある。


連日報道される被災、救済のニュース。日本の援助、レスキュー隊派遣の事などもしっかり伝えている。
日本の報道には、もうちょっとましな報道を行ってほしいと痛感し、心が痛い。
世界平和の礎は助け合いでしょ
この後も死亡者は増えるだろう。様々な実態も判明するだろう。
こんな時こそ助け合い、無償の行為ができる日本人が手を差し伸ばし、人道的支援の立場でしっかり協力して、国際社会の中で尊敬される存在でありたいものだ。
イラクに派兵するのと全然レベルが違う。災害救助こそ日本人の生きる道だ。
いい加減国益ばかりの取った取られたのエゴイズム的議論から脱却してもいいのではないだろうか。そのような貢献が結果として、世界平和の礎となり、国益をもたらすという見地で良いと思うが。
※私の中国滞在を知っていた方から、ご心配の連絡を多数頂いた。
どうもありがとうございました。無事です。