《愛媛マラソン完走編》

正式に『愛媛マラソン挑戦』が決まり気持ちが高まってるのに反し、体は全く動かない。リバウンドした体重はなかなか落ちず、走る距離も全然伸びない。そのうえ、相変わらず9~10月は協会の仕事が忙しく休みがほとんどない日々・・・。加えて愛媛へのステップにと急遽申し込んだ『坊っちゃんマラソン』も、「すでに定員に達してるため」と返金された。

「もうぶっつけ本番でいくしかない!」「やると決めた以上おれはやる男だ!」と自分に言い聞かせ、とにかく時間を作って走った。

9月は41km、10月も77kmしか走れなかったが、10月末にようやく10km走れるようになった。そして徐々に距離を伸ばしていき、11月末には20kmを2時間5分で走れるとこまできた。月間距離も久々の100km越えの120km走った。

12月に入りいよいよ未知となるハーフ越えの距離の練習に入った。やはり25kmぐらいからめちゃくちゃ苦しい。それでもなんとか年末の新居浜への帰省の際に、丹原から実家までの30kmを3時間10分かけて歩かず走り切ることができた。そしてこの12月、月間距離が初めて200に達した。

正月明けからは禁酒生活に入った。まだ体重が76kgもあったからだ。練習の方は「30km走は一度やっとけば十分」と本に書いてあったので、10~20kmを週3~4日走りながら調整していった。

そしてとうとう2010年1月31日、『第48回愛媛マラソン』を迎えることとなった。体重はなんとか73kgまで落とすことができていた。

当日起床と同時に外を見ると、なんと大雨・・・、テンションがた落ち・・・。これまで「雨=休み」としか考えてなくて、雨の中を走ったことなど一度もなかった。せっかくの初フルマラソン挑戦の記念すべき日がこんな天気になるとは・・・

気持ちが乗らないまま会場に着いた。コミュニティで集まろうという話しになってたが、結局会えたのはKングくんだけだった。エール交換をし合ってスタート地点に向かった。この時には少し小降りになってきて徐々にだが気持ちも高ぶっていった。

いよいよスタート。今では考えられないが、定員5,000人に対して定員割れの3,778人の参加だった。とは言え、申し込みした頃は全く走れてなかったため「予想タイム5時間30分」で申告していたのでかなり後方からのスタートとなった。

号砲から4分以上経過してスタートラインを通過した。目標は「歩かず完走する」「できれば5時間は切りたい」という目標だったので、とにかく「あせるな、あせるな」と自分に言い聞かせて走った。

北条バイパスまでは気持ちよく走れた。雨の中だというのに、沿道からたくさんの声援をいただいた。なんとMしゃんも応援に来てくれていた。しかし、第1・第2の折り返しのところを試走してなかったため、折り返し地点がわからず「どこまで行くの?」と、途方もなく長く感じてドッと疲れがきた。

「文化の森」のところで家族の応援を受け、「パルティ夏目」のところで嫁の両親の応援を受け、そしてついに練習でも経験のない30km以降の世界へと入っていった。

この時点でかなり雨も強くなっていた。お腹が締め付けられるようになって力が入らない・・・手足がしびれる・・・からだが震える・・・、「これは30kmの壁のせいなのか?雨でからだが冷えてるせいなのか?」、未知の世界なのでわからないがとにかく苦しい・・・。ただ、歩くのだけは嫌だった。何度も足が止まりそうになったが歯を食いしばって足を出し続けた。

38kmぐらいから、駆けつけてくれた患者さんや、協会の後輩、嫁の弟家族らが声援を送ってくれ元気が出た。40kmを過ぎたあたりからは大きく広がる本町通りが気分を高めてくれた。めちゃくちゃ気持ちいい!!

そしてついに城山公園に入り、ゴーーール!!!!タイムは4時間29分40秒!目標を大きく上回った。

疲れ切って倒れ込みたい気分だったが雨で地面はぐちょぐちょ、座り込むこともできない。からだは冷えに冷えて震えが止まらない。予定よりだいぶ早くゴールしたため、まだ家族も来てない。「どうしよう?」と思ってる時に「こたろうさん、おめでとう!」という声が、Mしゃんだった。意識がもうろうとしてて何を話したか覚えてないが嬉しかった。

そのあと着替えに市民会館に向かったが、階段の上り下りがめちゃくちゃきつかった。着替えを済ませいもたきをいただくため並んでると、ようやく家族が到着した。いもたきを食べながら少し家族と談笑し、気持ちが落ち着いた。が、まだからだの震えが止まらず「早く帰って風呂に入りたい」と言い、家路に着いた。

お風呂に浸かるとやっと震えが止まり、ようやく「おれはやったんだぁ」と実感が込み上げてきた。

ダイエットのために始めたジョギングが、約2年でフルマラソンを完走できるとこまできた。その2年間をじっくりお風呂に浸かりながら振り返っていた。


つづく







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