今回は術後1日目~3日目のことを書きたいと思います。
麻酔の後遺症で動けないっていうのが表向きの(見た目の)出来事ですが、裏(まぶたの裏)では幻覚という究極の不思議体験を延々とさせられていたのでした。
術後1日目
麻酔が全然抜けないなか、手術翌日はベッドの上でもほぼ全く動かず(身じろぎ一つしないので、たまに「脚動かせますか~」って声掛けがあるくらい)一日を過ごしました。痛みはじんわりと感じていたと思いますが、何しろ動かないのでまったく気になりませんでした。
あれはどういう状況だったのでしょうか。あまりよく覚えてないのですが、薄目を開けるだけでも眩しさに耐えられない、というのは覚えています。夜はもう少し目を開いていたかもしれませんが、あんまり覚えてません。
この夜からカラフルな化け物が現れ始めます。ほとんど眠れません。
術後2日目
基本的に1日目と状況はあまり変わらないまま、2日目は終わりました。目を少し開けられるようになったし、多少ベッドの上で身動きするようになったとは思うのですが。痛みは、安静時にはじんわりと感じる程度ですが、ちょっと動くと強い筋肉痛のような、なかなかの痛みが出ます。
この日のお昼前には、まぶたを閉じるだけで幻覚の世界がいつでも広がるようになっていました。完全にロックオンされました。まったく眠れません。
術後3日目
この日は意識はほとんどしっかりしていましたが、目を開けるとぐるぐるとめまいがして、焦点が定まりません。看護師さんの付き添いで歩行練習を試みるも、病室を出た辺りで転びそうになって引き返しました。ぐるぐるが強いです。痛みはじんわりとで、動いたときの痛みは若干弱くなっていたでしょうか。
あとは喉に違和感を感じていても咳払いがお腹の痛みでうまく出来ず、それが原因で嘔吐をしました。
問題は幻覚です。この頃になると幻覚のヤツはあの手この手で僕の注意を引こうとしてきます。絶対に眠らせないぞ、と言わんばかりに。
幻覚はまぶたを閉じると一瞬で視野いっぱいに広がります。特徴は二つあって、一つはカラフルでものすごく鮮明だというところ。もう一つの特徴として、これは調べてみたら幻覚一般に当てはまるそうですが、とにかく気味が悪い、気持ちが悪い、というところです。僕のことを熟知しているのでしょう。ものすごく絶妙な加減で気味が悪いものを見せつけてくるのです。細かく書くのは省略しますが、見たときに「うわぁ」とか「もういいわ」とか「うざい」とか思わず言ってしまうような、そんなものたちです。
最初は静止画でした。つぎに静止画がスクロールされるようになります。そのうちに完全に動画になります。ただし音だけは出ないようで、セリフなどは吹き出しがあったり、カンペみたいなのに手書きだったり、映画みたいに字幕だったりしました。その内容がまためちゃくちゃで突っ込みどころが満載なのですが、そうやって眠れないようにするのがヤツの手口なんです。まんまと乗っかってしまったというわけですが。
と、ここまで書いていたら自分が怖くなってきました(笑)
とにかく、そんな幻覚がひっきりなしに現れ続けるのです。そこから逃げられるのは目を開けているときだけ。
24時間何かを見続けなければならないの刑です。
術後の痛みと疲れを抱えながら一切眠れないというのは本当にキツかったです…。幻覚がキツすぎて痛みの想い出がほぼないほどです。あれ?少し役にたってる?いやいや、騙されてはいけません。ほんっとうに嫌なヤツなんですから。
結果的には術後5日目頃にはほぼ消えてなくなった幻覚ですが、もしあれがずっとだとしたら、間違いなく廃人になっていくと思います。それだけ恐ろしかったです。一過性で良かった~!と心から思うのでした。
(睡眠は術後4日目から少しずつ取れるようになったのでした)
実は今回blogに起こすだけでも精神的になかなか苦痛だったんですが、それなりのトラウマになっているんだなぁと感じました。
麻薬、ダメそれ絶対。
(本文とはまったく関係なし)
次回は、幻覚が去るのと入れ替わりでやってきた「術後イレウス」のお話です。
それでは~。