腰椎交感神経節ブロックにより寛解したパニック性不安うつ病の一例
【key words】mild depressive episode, dissociative disorder
【始めに】これは仮面うつ病で発症し脊椎横突起骨折よりパニック障害へ至った一例
【症例】
(症例1)
年齢40歳。28歳時、一念発起してそれまでのサラリーマン生活から整体術師養成学校に1年余り通い、そののちある中国整体院で5年間修行を積み、妻の故郷である九州で開業する。
中国整体術は術者の肉体的負担が大きい。頑健な男性の中国整体術師も一日6人の治療が限界であるという。中国では堆拿(ついな)と呼ばれている。カイロプラクテックと異なり全て指圧・手掌圧・肘圧による。そして患者の体全体から揉みほぐしてゆく。外傷性頚部症候群に対しても足から揉みほぐしてゆく。肩痛に対しても同じである。体全体から揉みほぐさないことには効果は一時的であるという考えに基づいている。右利きの中国整体術師は右手を多く使用し、肉体に掛かる力学的左右差は大きい。それにより中国整体術師は頻繁に肉体的不調が生じる。
開業して6年目の3月、腰を痛める。両側外側大腿皮神経が圧迫されている症状が出現。同時に抑鬱症状も出現。精神科医院に通院し始める。投薬内容は trazodone hydrochloride 25mg/日, sulpiride 50mg/日, alprazolam 1.2mg/日 であり、この投薬内容がそのまま4カ月続けられた。しかし症状は改善傾向を見せず、ペインクリニックを受診。ここで腰痛部位へのトリガーポイント注射、大腿外側皮神経ブロック、星状神経節ブロックなどを受ける。また imipramine hydrochloride, alprazolam の投薬も受ける。しかし腰痛および抑鬱状態、および自動車を運転中に起こるパニック発作の改善傾向を認めず。また処方された imipramine hydrochloride に因ると思われる頻尿などの副作用のため imipramine hydrochloride の服薬を自ら中止する。
著者を受診。遠方からの来院のため1カ月で服薬するようにとsulpilide 100mg/日, alprazolam 2.4mg/日, etizolam 3mg/日, flunitrazepam 4mg/日, trazodone hydrochloride 100mg/日, mianserin hydrochloride 60mg/日 を2週間分処方。しかし sulpiride は一回服薬するのみで中止する(服薬すると体が疲労感で一杯になるということであった)。また mianserin hydrochloride は激しい眠気などのため1回服薬するのみで中止する。 trazodone hydrochloride も服薬しようとしない。頑健な体をしていたが、もともと薬を服用しない性質であった。このように薬剤に対し敏感なのは以前からであったと思われる。また鍼治療にも敏感であり鍼治療に1ヶ月前に掛かったときの鍼の跡が今でも赤く腫れ上がっていた。
現在、alprazolam 1.2mg/日, flunitrazepam 2mg/日、sulpiride50mg(朝)のみ服薬している。 sulpiride, trazodone hydrochloride, mianserin hydrochloride などに過敏に反応するため、それらを服薬しようとしない傾向は変わらない。
現在でもまだ軽症うつ病エピソードのまま自宅療養中である。運動を行おうにも腰痛のため運動ができない。散歩程度しかできない。
中国整体術師であるT氏は主張する。
『整体をしていると腰が悪いので腰を庇うため自然と胸部交感神経節を圧迫してしまう体勢になる。以前、腰が悪くなかった頃はそういうことはなかった。それが現在の私の身体・精神というか、その不調のもっとも大きな理由のような気がする。』
【考察】
腰椎横突起骨折よりパニック障害が発生する機序は中国医学の経絡の観念から説明ができる。腰椎横突起を通過する経絡は膀胱系となる。
【症例】
年齢40歳。28歳時、一念発起してそれまでのサラリーマン生活から整体術師養成学校に1年余り通い、そののちある中国整体院で5年間修行を積み、妻の故郷である九州で開業する。
中国整体術は術者の肉体的負担が大きい。頑健な男性の中国整体術師も一日6人の治療が限界であるという。中国では堆拿(ついな)と呼ばれている。カイロプラクテックと異なり全て指圧・手掌圧・肘圧による。そして患者の体全体から揉みほぐしてゆく。外傷性頚部症候群に対しても足から揉みほぐしてゆく。肩痛に対しても同じである。体全体から揉みほぐさないことには効果は一時的であるという考えに基づいている。右利きの中国整体術師は右手を多く使用し、肉体に掛かる力学的左右差は大きい。それにより中国整体術師は頻繁に肉体的不調が生じる。
開業して6年目の3月、腰を痛める。両側外側大腿皮神経が圧迫されている症状が出現。同時に抑鬱症状も出現。精神科医院に通院し始める。投薬内容は trazodone hydrochloride 25mg/日, sulpiride 50mg/日, alprazolam 1.2mg/日 であり、この投薬内容がそのまま4カ月続けられた。しかし症状は改善傾向を見せず、ペインクリニックを受診。ここで腰痛部位へのトリガーポイント注射、大腿外側皮神経ブロック、星状神経節ブロックなどを受ける。また imipramine hydrochloride, alprazolam の投薬も受ける。しかし腰痛および抑鬱状態、および自動車を運転中に起こるパニック発作の減少傾向を認めず。また処方された imipramine hydrochloride に因ると思われる頻尿などの副作用のため imipramine hydrochloride の服薬を自ら中止する。
著者を受診。遠方からの来院のため1カ月で服薬するようにとsulpilide 100mg/日, alprazolam 2.4mg/日, etizolam 3mg/日, flunitrazepam 4mg/日, trazodone hydrochloride 100mg/日, mianserin hydrochloride 60mg/日 を2週間分処方。しかし sulpiride は一回服薬するのみで中止する(服薬すると体が疲労感で一杯になるということであった)。また mianserin hydrochloride は激しい眠気などのため1回服薬するのみで中止する。 trazodone hydrochloride も服薬しようとしない。頑健な体をしていたが、もともと薬を服用しない性質であった。このように薬剤に対し敏感なのは以前からであったと思われる。また鍼治療にも敏感であり鍼治療に1ヶ月前に掛かったときの鍼の跡が今でも赤く腫れ上がっていた。
現在、alprazolam 1.2mg/日, flunitrazepam 2mg/日、sulpiride50mg(朝)のみ服薬している。 sulpiride, trazodone hydrochloride, mianserin hydrochloride などに過敏に反応するため、それらを服薬しようとしない傾向は変わらない。
現在でもまだ軽症うつ病エピソードのまま自宅療養中である。運動を行おうにも腰痛のため運動ができない。散歩程度しかできない。
中国整体術師であるT氏は主張する。
『整体をしていると腰が悪いので腰を庇うため自然と胸部交感神経節を圧迫してしまう体勢になる。以前、腰が悪くなかった頃はそういうことはなかった。それが現在の私の身体・精神というか、その不調のもっとも大きな理由のような気がする。』
(症例2)
左半身麻痺にて救急車で来院。年齢50歳。繁華街のスナックで働いている。仕事は夕方から夜遅くまでであり、衣装も派手なものを着用している。吐気有り。しかし嘔吐は無し。神経学上、左半身麻痺有り。現在の日付が解らないなど見当識障害有り。頭部CT上、特記すべき所見なし。しかし脳梗塞は発症直後は頭部CTに映らないためそのまま脳梗塞疑いとして入院となる。右脳梗塞が疑われたが、衣装や仕事、年齢などからヒステリーの可能性が高いと思われた。
脳梗塞の治療を開始。入院3日目、再び頭部CT施行するも、特記すべき所見なし。血液検査上も脳梗塞は否定的。脳波上、特記すべき所見なし。しかし依然として左半身麻痺軽減せず。また現在の日付が解らないなど見当識障害も改善傾向無し。この見当識障害は、昨日行ったことを取り違える、1時間ほど前に食べた食事の内容を記憶していない、入院して何日が経過かしたかの問い(正解は7日)に『3カ月前?』と言う、現在の日付が解らないなど、強い記銘力障害によって起こっていた。
入院8日目、キセノンCT施行。右脳灰白質に低環流域有り(写真1)。これが唯一の異常所見であった。入院9日目よりヒステリー疑いとして ethyl loflazepate 1mg 夕食後投与開始。入院13日目より alprazolam 1.2mg 分3追加投与開始。しかし改善傾向は僅かに認めたのみであった。入院17日目より alprazolam 2.4mg 分3に増量。これでも改善傾向ほとんど存在せず。よって入院21日目よりethyl loflazepate 2mg/日 夕食後投与に増量。しかしこれでも左半身麻痺および見当識障害は改善傾向をほとんど示さず。入院28日後、左半身麻痺および見当識障害は軽度軽快のみで退院となる。
退院後、中国整体術師(T氏)に治療を受け、治療3回目にて左半身麻痺も見当識障害も劇的に全快。T氏によると“寝違い”に間違いないと思われる胸椎第2を中心とした脊椎骨の変位があったという。その変位を矯正するため全身を指圧し治療したが筋肉の硬直は強く、治療3回目にて脊椎骨の変位は元に戻ったという。
(症例3)
18年来の社会不安障害。男性。36歳。人格的な崩壊は無い。14年間、 minor tranquilizer を比較的多量に服薬してきた。 minor tranquilizer の比較的多量服薬により、なんとか社会生活を営んできたと思う、と言う。また不眠性障害も併発している。
脊椎の左側に脊椎起立筋によるものと思われる“一本棒”が存在する。第2胸椎から第6胸椎に掛けて左側背部に筋肉の攣縮・硬縮が存在する。これは特に第2胸椎に強い。また、これは少なくとも12年前から存在している。12年前に鍼灸院でそのことを指摘されたという。背部の凝り強く、現在まで様々な整骨院・鍼灸院などで治療してきた。しかし全て一時的な効果に終わった。ヨガや気功法も行ってきたが、対人恐怖症などは一向に軽快する傾向が見られなかったという。この10年ほどは様々な整骨院・鍼灸院に通っていた。そして一時的な軽快が得られていたが、一時的(長くても半日ほど)でしかなかった。
彼は4カ月前、ある中国整体術師(T氏)に施術を施行されたところ社会不安障害が一気に軽快した。しかし50%軽快したのみで未だ50%残っているという。一気に軽快したのはそれまでX線写真には写り難い脊椎の攣縮していた小さな筋肉が整復されたためではないか、と考えられる。
【考察1】
『体と心は一つである、体が柔らかくなれば心も柔らかくなる。』11)
『不安障害・統合失調症が発症して間もないものは整体で治すことができる。しかし慢性化し固くなったものを揉み解すのは非常に難しい。』11)
『根が浅いものは1回の施行で治癒させることが出来る。しかし根が深いものは何回やっても駄目なことが多い。』11)
『不安障害・統合失調症の人は背中に一本棒のように固くなったものがある。それは脊柱起立筋であったり首の奥の方の筋肉であったりする。それは固く、揉み解すのは困難を極める。しかし全身から丹念に揉み解してゆくと何回目かの治療で柔らかくなることが良くある。これは固くなっている局所だけを指圧などしてもまず不可能だ。全身から揉み解してゆかなければならない。そして土台である足が大切だ。股関節と下腿を良く揉み解さなければすぐに元に戻ってしまう。』11)
『たしかに局所だけを治療してもそのとき一時的にせよ非常に効く。しかし数時間で元に戻る。全身から治療しないと数年も数十年も形成されているアンバランスはすぐに元に戻る。』11)
『肉体の左右不均衡が自律神経のバランスを崩すこと、交感神経過緊張が肉体の左右不均衡によって起こることを世間の人はもっと知らなければならない。』11)
『全身を揉み解すのには2時間懸かる。固くなっているところだけを揉み解しても、すぐに元に戻ってしまう。だから最低1時間は掛けないと治療にならない。』11)
『身体が曲がれば心も曲がる。心を真っ直ぐにしようと思えば身体を真っ直ぐにしなければならない。身体が真っ直ぐになれば自然と心も真っ直ぐになる。』11)
『一つ一つの骨が(下腿や上肢など)その人の身体全体を表しているという考えがある。一つの骨を緩めてゆけば身体全体が緩むという考えになる。骨が緩めば身体も緩み心も緩むということになる。』11)
不安障害の患者には第2胸椎から第6胸椎に掛けて変位とその側方の筋肉の攣縮・硬直が見られる。そして筋肉の攣縮・硬縮の見られる側に“一本棒”と呼んでいる脊柱起立筋によるものと思われる筋肉の攣縮・硬縮が見られる。
モアレ写真というものにより筋肉の攣縮・硬縮および椎骨の変位は比較的明瞭に観察できる。X線写真ではむち打ち損傷と同じように椎骨の変位はほとんど表示されない。モアレ写真を所有していれば上記の症例は良く説明できたと思われる2)。
その“一本棒”は歯の噛み合わせと密接に関連している10)。しかし歯の噛み合わせから矯正することはほとんどの場合、反作用が強く、治癒まで至らせることは困難である。(しかし、確かにその治療は根本的な治療である。)
症例2ではキセノンCTに示されるように左脳領域に比べ右脳領域が環流量が少なくなっている。これはT氏の指摘のように胸椎第2の変位によるものとも思われる。
肉体の左右不均衡は椎骨の歪みを生み、様々な病気を起こす。とくに椎骨に付着する交感神経節を刺激し交感神経過緊張症を引き起こす。頭部CTで明らかなほどの頭蓋骨の不均衡があればその人はもし現在健康体であっても将来交感神経過緊張症による病態を起こす可能性は非常に高い。頭部CTで明らかなほどの頭蓋骨の不均衡(それは鼻中隔の歪み、後頭骨の歪みなどとして頭部CTに写ってくる。)があればその人はすでに何らかの自律神経に由来する不調を持っていると考えて良い。
【考察2】
人間の身体は大なり小なり歪んでいる。その歪みの強さが弱い人は一般に健康体である。しかし歪みの大きい人は様々な疾患(特に自律神経を媒体とした)に襲われてしまう。この歪みは2歳までに形成されるのがほとんどと思われる。それ以降に形成されるのは大きな交通事故などによるものしか存在しないようである。その歪みは歯の噛み合わせに由来するという理論があり10)、著者の長年の研究の結果、頭蓋骨が大きく変形している人はたしかに歯の噛み合わせが大きく変形している。そしてその変形は頚椎そして腰椎に及んでいる。しかしこの歪みを成人になってから歯の噛み合わせを人工的に操作することにより矯正することは至難を極める。歪みの軽度に人は確かにこの咬合療法で治癒していっている。しかし歪みの大きい人は咬合療法でも治癒させることは至難を極める。
“気の滞まり”が歯の噛み合わせの悪さに由来する脊椎骨の歪みによって起こる。この噛み合わせの矯正はテンプレートという患者自身で脱着可能なもので行われこのテンプレートを装着して運動を行うことによりこのテンプレートを装着したときの噛み合わせに対応した脊椎など骨格の矯正が行われる。しかしこれは30歳以下には用いることが比較的容易であるが、30歳以上には軽度の歪みしか存在しない人にしか用いることは非常に困難である。
“気の滞まり”は自律神経のアンバランスを招き、不安障害などを引き起こす。“気の滞まり”が身体全体の硬直化を招く。未だデータ上、確かめられたことではない。しかし、これは“気の滞まり”による説明なしには不可能と思われる。
たしかに長年の不安障害などはその硬結を揉みほぐし消失させることは困難を究める。しかし、患部でなく、下腿、肩関節、股関節などを丹念に揉みほぐすことにより消失してゆくことが多い。
【最後に】
『歪んだ体は歪んだままで一つの恒常性を保っている。それを無理矢理に矯正しようとするのは邪道だ。』との鍼灸師からの反論12)がある。たしかにアメリカ的カイロプラクテックは体の固い東洋人には向いていない。とくに日本人は東洋人の中でも特に体が固い民族の一つと言われている10)。アメリカ的カイロプラクテックはアメリカなど西洋の体の柔らかい民族に於いてのみ成り立つ治療法と考える。
また中国人には中国人に、日本人には日本人に向いた治療法がある。中国においては民族ごとに少しづつ治療法が異なっているが民族ごとに体質が異なるならばそれが本当の姿と思う。日本人には日本人特有の治療法があって当然であるし、それでなければいけないと思われる。
整体療法は不安障害には劇的に効果がある。しかし気分障害や分裂症にも効果があるか、未だ試みられていないようであり、不明である。整体療法は全身“気の流れ”の円滑化に帰結する。
【参考文献】
1)本間祥白; 難経の研究; p675, 1983, 医道の日本社
2)李 丁; 針灸経穴辞典; p514, 1986, 東洋学術出版社
3)郭 金凱; 鍼灸奇穴辞典; p432, 1987, 風林書房
5)小高修司; 中国医学の秘密; p209, 1991, 講談社
6)神川喜代男; 鍼とツボの科学; p192, 1993, 講談社
7)首藤傳明; 経絡治療のすすめ; p259, 1983, 医道の日本社
8)入江正; 経別・経筋・奇経療法; p273, 1988, 医道の日本社
9)井本邦昭; 整体法; p202, 1998, 三樹書房
10)前原潔; テンプレート療法 p257, 1996, 三樹書房
11)近田耕治氏の手紙
12)近藤文雄氏の手紙
*The therapy of seitai for mental disorders.
http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html
【症例報告】
キノコ類の大量摂取が奏功していた“うつ病性障害”の1例
【抄録】
キノコ類の大量摂取が“うつ病性障害”に奏功していた症例を経験した。
症例は自身の病気を慢性疲労症候群と自己診断し、ウイルス全身感染の治癒のためにはキノコ類の大量摂取が最も有効と考え、それを自ら行い、それが奏功していた。
「“うつ病性障害”はウイルス感染である」あるいは「マイタケを代表するキノコ類に“うつ病性障害”に有効な成分が存在する」ことを示唆する貴重な症例と考え、ここに提示する。
“うつ病性障害”の病態像の変遷は“うつ病性障害”を引き起こすウイルスの変遷ではないかと推測する。
【key words】depressive disorders, virus, mushroom, grifola frondosa, chronic fatigue syndrome
【はじめに】
精神疾患において少なくとも“統合失調症”“双極性障害”に於いては家系内集積性を示す1,8)。そして“気分障害”に於いて“双極性障害”では高い家系内集積を示すが、“単極性うつ病”に関しては低い家系内集積しか示さない1,8)。
近年、臨床現場に於いて“単極性うつ病”の多発、特に青壮年への多発に気付いているのは筆者のみではないと推測する。これは長引く不況が影響していると推察するが、何かのウイルスの蔓延によるのではないかと筆者は推測している。少なくとも最近多発している“単極性うつ病”は筆者の研究上、家系内集積を認めない。
【症例】39歳、男性。未婚。
頭部CT:特記すべき所見なし
神経学的:特記すべき所見なし
脳波:特記すべき所見なし
免疫学的所見:ヒト免疫不全ウイルス抗体価は基準値以下
単純ヘルペス1型抗体陽性
単純ヘルペス2型抗体陰性
帯状ヘルペス抗体陰性
T・B細胞100分率:T細胞84%(基準値;66~89%)
B細胞 8%(基準値; 4~13%)
生化学的所見:フェリチン精密 44 ng/dl(基準値;24~286)
β-2 microglobline 1.5 ng/dl(基準値;1.0~1.9)
(生育歴)正常分娩にて出生。幼少時より内向的傾向有るも、小学生時代より、成績優秀であり、性格も穏和であり、人気者であった。高校3年次に社会恐怖を発症し、大学受験に失敗する。一浪後、現役の時に軽く入れた大学に不本意ながら入学。それ故もあり、大学の授業へあまり出席せず。4年間で卒業できるところを8年懸かって卒業する。
(家族歴)特記すべきことなし。
(性格)真面目。努力家。勤勉。勤勉より努力家の�福ェ強い。根暗なところがややあり。凝り性。素直。趣味はパソコン。物事を非常に真っ直ぐに考える傾向がある。真面目さ・優しさ・素直さが目立ち、性格の障害はほとんど感じられない。
(既往歴)高校3年(18歳)時、社会恐怖を発症。22歳時、精神科受診。以来、bromazepam を主とした抗不安薬を継続服用。
(現病歴)平成11年5月18日本院初診。22歳時より社会恐怖に対し抗不安薬を投与されてきたこと、今まで幾つかの精神科の病院や医院を受診してきたこと、様々な抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬を試験的に服用してきたことを述べる。bromazepam 20mg/日 の投与にて治療開始。症例はインターネットより日本で近い内に使用開始になる fluvoxamine が社会恐怖に効果があることを知る。5月30日来院時、実際は抑うつ気分は無いが、筆者に抑うつ気分を訴え fluvoxamine の投与を希望する。
平成11年5月30日よりfluvoxamine の追加投与を開始。その頃より激しい倦怠感を自覚し始める。fluvoxamine の服用量を減量した翌日は倦怠感が多少軽い故に fluvoxamine の副作用が考えられた。しかし、職場の人間関係に悩み抜いていたこと、fluvoxamine の服用量を減量しても倦怠感の軽減は僅かであること、肝機能障害は僅かしか存在しないこと、それらより“うつ病性障害”発症による倦怠感も考えられた。
症例は fluvoxamine の副作用の可能性を考えながらも社会恐怖で非常に悩み苦しんでいた故、筆者にその激しい倦怠感を隠し続け、社会恐怖を治したい一心で fluvoxamine 150mg/日 の服用を続ける。症例は肝機能障害には動物性蛋白が必要と考え、毎晩ステーキを大量に食するなどにより、2ヶ月間ほどで体重が65kgから86kgにまで増加した。
fluvoxamine の服用を3ヶ月間続ける。 社会恐怖に対する効果は判然とせず。 倦怠感も不変。fluvoxamine 中止後、平成11年8月より筆者には内緒にインターネットより fluoxetine を個人輸入し、その服用を行う。 しかしこれにても社会恐怖は軽症化の傾向を見せず。倦怠感もほぼ不変。更にsertraline およびparoxetine をインターネットより個人輸入し、その服用を行う。これにても社会恐怖は軽症化の傾向を見せず。また倦怠感も不変。
社長は症例に対し特別扱い状態であり、症例は出社すると自室のベットにて臥床するという毎日を繰り返していた。外国からの客の来たときのみベットより起き出しネクタイを締め、その外国人客の応対をするという毎日を行っていた。他の部署に症例が顔を出すと厄介者扱いされる状態であった。外部からの外国人客が来たときのみ応対をしてくれれば良いという社長の方針のため会社を休むことを社長は許さなかったが、そのように仕事は非常に楽であった。
また、激しい疲労感のため、通訳の仕事に於いて、および書類作成に於いて、ミスが重なる。
抑うつ気分、希死念慮、罪業観念、物事への興味の減弱など、“うつ病性障害”に相当するものは存在せず、激しい倦怠感が存在しているのみであった。微熱は存在せず、慢性疲労症候群の診断基準は満たさないことを症例自身も理解していた。症例は盛んにインターネットより慢性疲労症候群およびそれに類する文献を多量に読破し、少なくとも慢性疲労症候群およびそれに関連するものに関する知識は極めて豊富であった。
休日はほとんど臥床状態で(週休2日あるいは週休1日が交互という状態であった)あった。
症例の肝機能は fluvoxamine を服用していた最初の2カ月半、GOT,GPT などが僅かに正常値を超えていたのみで、その後は肝機能値も正常範囲内であり、肝臓から来る倦怠感感は考えられなかった。また、その他の検査結果も正常範囲内であった。
平成12年7月、症例は強い倦怠感を克服するため、スーパーよりキノコの1種であるマイタケを買い、それを水炊きし食する。(その量は1パック130円を3パックで比較的大量であった。夜食の半分以上はそれで賄われた。)そのマイタケの大量摂取を2晩続ける。1晩目は劇的に、2晩目もかなり倦怠感が軽快する効果を症例は自覚した。しかし3回目以降は倦怠感の軽減の自覚は減少した。しかしマイタケを水煮して食すると翌日の倦怠感が軽減するのを自覚する故に、夜食はマイタケの大量摂取をできる限り行ない続けた。しかし次第にマイタケを食しても翌日の倦怠感が軽減しなくなるのを自覚し始める。
次にシイタケを食する。初日こそ比較的強い効果を覚えたがマイタケと同じように次第に効果は弱くなってゆく。次にシメジを食する。やはり初日はかなり強い効果を覚えたが次第に効果は弱くなってゆく。次にエノキダケを食する。エノキダケはマイタケとほぼ同じ程度の強い効力があることを知る。しかしエノキダケは簡単な調理法である水煮では美味でなく、一人暮らしである症例は水煮で美味であるマイタケを好んで食し、エノキダケはあまり食しないかった。
その後、この4種類のキノコ類を交互に食することを行い、症例は次のように結論した。
マイタケ・エノキダケが最も効力が強く、次にシメジ、最も効果が弱かったのがシイタケであった。シメジの効力はマイタケ・エノキダケの80%ほど、シイタケの効力はマイタケの40%ほどと症例は結論した。また、マイタケのみ連日食するより、マイタケ・エノキダケ・シメジ・他のキノコ類を交代させながら食する方法が効果が強い、そしてこれは各々のキノコ類の有効成分される多糖類が各々微妙に異なるためと推測される、と症例は結論した。
症例は社会恐怖の治癒を願いSSRIに代わり平成12年6月より服用していたmoclobemide を平成12年10月、服用中止する。同時にキノコ類の大量摂取も、倦怠感の軽快、社会恐怖に無効であること、水煮を行うことの億劫さ、それらの理由で中止する。
平成12年12月中旬、抑うつ気分、希死念慮、罪業観念、物事への興味の減弱など、“うつ病性障害”の診断基準に相当するものを自覚。moclobemideの服用を再開する。しかし、キノコ類の大量摂取は、社会恐怖に効果がないこと、水煮を行うことが億劫であること、数回実施して以前経験した強い効果が感じられなかったこと、それらの理由で数回実施するのみでほとんど行わず。
平成13年1月、正月休暇で故郷に帰省したときの帰り、自動車事故を起こす。症例は真面目な性格である故、自動車運転に於いて安全運転であり、毎日のように自動車の運転を行っていたが少なくとも10年間無事故であった。
この頃より朝の起床困難は更に強くなる。ほぼ毎日の遅刻は30分程度であったのが1時間程度と強くなる。しかし毎夜、午前3時頃までインターネットなどを行うことは不変であった。午前3時就寝のための朝の起床困難とも思われたが、早く就寝しても朝の起床困難は不変であることを繰り返す。そのため症例は今も毎日午前3時までインターネットなどを行っている。そして毎日1時間の遅刻も不変である。
症例は“うつ状態”が強くなると腕立て伏せが僅かしかできなくなり、“うつ状態”が軽いときは腕立て伏せが良くできると言う。
また、抗うつ薬を眠前に服用した翌朝は起床が比較的困難でなく、抗うつ薬を服用しない翌朝は起床が極めて困難であることを繰り返し経験している。しかし症例は抗うつ薬を服用すると倦怠感が惹起されるため、抗うつ薬の服用を好まない。
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fluvoxamine;平成11年5月30日より服用開始。平成11年8月、服用中止。
仕事上の信じられないようなミスは平成11年5月下旬頃より始まっている。
fluoxetine;平成11年8月より服用開始。 平成12年6月�棊p中止。
sertraline;平成11年11月より服用開始。 平成12年6月服用中止。
paroxetine;平成12年3月より服用開始。 平成12年6月服用中止。
(これらSSRIは併用して服用していたことが多かった。その量は比較的大量であった。)
RIMA(Reversible Inhibitors of Monoamine oxitase type A)であるmoclobemide ;平成12年6月よりSSRIを一気に中止し、その代用として服用開始。その服用量は比較的大量であった。倦怠感は不変か、やや軽快を示す。
平成12年7月初旬よりキノコ類(特にマイタケ)の大量摂取開始。倦怠感は急激に軽快を示す。しかし軽快のみであり、朝の起床困難は続く。
平成12年12月中旬、希死念慮、悲哀感を自覚し“うつ状態”に有ることを自覚する。朝の起床困難は更に強くなる。
平成13年1月、自動車事故を起こす。
平成13年2月、再び自動車事故を起こす。
【考察】
“うつ病性障害”は精神的また肉体的疲弊を基盤としてよく起こることが知られている2,3,13)。この症例の“うつ病性障害”発症には職場の人間関係不良という精神的疲弊があった。また週末も休みを取らずに大学で研究を行ない、週日は夜遅くまでインターネットや書籍で研究を行う、という肉体的疲弊があった。
症例はfluvoxamine による倦怠感を疑いながらも社会恐怖を治したい一心でfluvoxamine 150mg/日 の服用を3ヶ月間行った。そしてインターネットより抗うつ薬が個人輸入できることを知ると fluoxetine、sertraline、paroxetine などを輸入し、これも社会恐怖を治したい一心で、その比較的大量服用を行う。しかし症例の社会恐怖は軽快せず。
症例は自身の対人恐怖のため精神医学および一般医学に関する書籍類を大学時代より多量に読破しており、自身は“うつ病性障害”ではなく“定義の異なる慢性疲労症候群”であると主張し、上記の検査を執拗に求める。検査する必要性は乏しいことを説明するも聞き入れず、上記の検査を行った。
症例には倦怠感を早く治し、大学での研究を再開したい、このままでは落伍してしまう、という焦燥が強く存在していた。
症例は一民間企業に通訳のような存在として勤務していることに強い不満を持っており、論文を書き、大学教授に成るという野心を持っていた。また症例の性格特性として「頑固。執着性。」というものが存在する。
症例は顔面神経麻痺・帯状疱疹を代表するヘルペス属ウイルス感染症が非常に多い地方である九州北部の糸島地方19)に4年前、転勤してきた。転勤2年後の“うつ病性障害”発症であった。ヘルペス属ウイルスは神経親和性ウイルスとして有名である。ヘルペス属ウイルスは神経細胞内に潜伏感染し、ストレスなどにより個体の免疫能が低下したときに増殖し、疾病を起こす9~12)。症例にこの地方にヘルペス感染症が極めて多いことを伝えると、症例は自身がヘルペス属ウイルス感染を起こし、それによりこの倦怠感が来ているのではないか、と考えるようになったらしい。症例はヘルペス属ウイルス感染症についてもインターネットで詳しく勉強する。
キノコ類に免疫力増強作用が存在することは文献的にも知られている9~12)。症例の倦怠感は症例のキノコ類の大量摂取が行ったり行わなかったりと徹底してなく、大量摂取を行ったときは軽症化し、大量摂取を行わなかったときは重篤化するという一進一退を続けた。
症例自身が“うつ病性障害”であることを自覚した12月、以前奏功していたキノコ類の大量摂取を再開したが、このときは効果をあまり感じることができず、数回行ったのみで中止した。“うつ病性障害”の重篤化故に男性には面倒なその調理を行う気力が湧かなかったことが関係したとも考えられる。しかし「重篤化した12月には僅かしか効果を感じなかったために数回行ったのみで中止した。」と症例は述べる。ウイルスの神経細胞への感染が重篤化し、キノコ類の大量摂取による免疫力の強化では効果を及ぼすことが困難になったためと考えることができる。
この症例では、ウイルス感染による身体疲弊が引き金となり“うつ病性障害”発症へと導いたと考えることもできる。
【最後に】
キノコ類の大量摂取が社会恐怖には効果が無かったことは社会恐怖はウイルス感染ではないことを示唆していると考えるより、症例の社会恐怖が高校3年時からのものであり、既に罹患歴21年に達しており、平成12年7月の時点に於いて罹患歴1年2ヶ月であった“うつ病性障害”とは比較できないほど慢性化していることを考えるべきである。
そして平成12年12月の“うつ病性障害”の悪化時、キノコ類の大量摂取が僅かしか“うつ病性障害”に効果が無かったことも考え併せると、社会恐怖もまたウイルス感染である可能性を否定できない。ストレス過剰状態に置かれたとき、免疫力が低下し、ある領域の中枢神経細胞内に潜伏感染していたウイルスが増殖し、その領域の神経細胞が過敏状態となり、そして社会恐怖が発症したと考えることもできる。
【文献】
1)赤穂理絵、佐々木司:気分障害の遺伝、最新精神医学 11:324-329, 1999
2)Anisman H:Vulnerability to depression: Contribution of stress.Neurology of mood disorders Vol 1、Williams & Wilkins、Baltimore、1984
3)Chrousos G P, Gold P W:The concepts of stress and stress system disorders: Overview of physical and behavioral homeostasis.JAMA 267:1244, 1992
4)Deresiewicz R L, Thaler S J, Hsu L et al:Clinical and neuroradiographic manifestations of eastern equine encephalitis.N Engl J Med:1867-1869, 1997
5)Dunn V, Bale J F, Zimmerman R A:MRI in children with postinfectious disseminated encephalomyelitis.Magn Reson Imaging 25:110-114, 1986
6)Johnson R T:The pathogeneses of acute viral encephalitis and post-infectious encephalitis.J Infect Dis 19:359-363, 1987
7)McCullers J A, Lakeman F D, Whitley R J:Human herpes-virus 6 is associated with focal encephalitis.Clin Infect Dis 18:571-573, 1995
8)Merikangas K R, Kupfer D J:Mood disorders, generic aspect.Comprehensive Textbook of Psychiatry-�、Williams &Wilkins、Baltimore、1995
9)Mizuno T:Special issue on mushrooms. bioactive substances and medical utilization.Food Rev 11(1):1-7, 1995
10)Mizuno T:Special issue on mushrooms. breeding and cultivation.Food Rev 13(3):327-331, 1997
11)Mizuno T:The extraction and development of anti-tumor-active polysaccharides from medical mushroom in japan. J of Med Mushrooms 1(1):9-11, 1998
12)Mizuno T:Bioactive substances in yamabushitake, and its medical utilization.J of Med Mushrooms 1(2):105, 1999
13)Negrao A B, Gold P W:Major depressive disorder.Encyclopedia of stress Vol 2、Academic Press、San Diego、2000
14)小田垣雄二:塩酸amantadine 投与により劇的な改善を示した難治性うつ病の1症例、臨床精神医学 11:468-471, 1999
15)Richard T Jhonson:神経系のウイルス感染症、植木幸明訳、金沢光男監訳、西村書店、東京、1988
16)Robert H A:Enteroviral infections of the central nervous system.Clin Infect Dis 91:971-973, 1998
17)七戸満雄:メニエール病に対するアシクロビルの治療効果、医学の歩み 169:796-798, 1994
18)七戸満雄:メニエール病に対するアシクロビルの治療効果(第二報)、診療と治療 32:1860-1862, 1994
19)高見敏郎:ヘルペス感染症多発地域---糸島地方の研究、(未発表)
20)田中文雅、木村清次、根津敦夫:突発性発疹症に伴う限局性中枢神経障害の2例、脳と発達 65:345-349, 1998
21)Tilson H H:Monitoring the safety of antiviral--the example of the acyclovir experience.Am J Med 116:187-189, 1998
22)William L L:Evidence of persistent viral infection on Meniere's disease.Arch Otolaryngol Head Neck Surg 113:397-399, 1987
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:A case of high dose intake of mushrooms effected depressive disorders
http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html
キノコ類の大量摂取が奏功していた“うつ病性障害”の1例
【抄録】
キノコ類の大量摂取が“うつ病性障害”に奏功していた症例を経験した。
症例は自身の病気を慢性疲労症候群と自己診断し、ウイルス全身感染の治癒のためにはキノコ類の大量摂取が最も有効と考え、それを自ら行い、それが奏功していた。
「“うつ病性障害”はウイルス感染である」あるいは「マイタケを代表するキノコ類に“うつ病性障害”に有効な成分が存在する」ことを示唆する貴重な症例と考え、ここに提示する。
“うつ病性障害”の病態像の変遷は“うつ病性障害”を引き起こすウイルスの変遷ではないかと推測する。
【key words】depressive disorders, virus, mushroom, grifola frondosa, chronic fatigue syndrome
【はじめに】
精神疾患において少なくとも“統合失調症”“双極性障害”に於いては家系内集積性を示す1,8)。そして“気分障害”に於いて“双極性障害”では高い家系内集積を示すが、“単極性うつ病”に関しては低い家系内集積しか示さない1,8)。
近年、臨床現場に於いて“単極性うつ病”の多発、特に青壮年への多発に気付いているのは筆者のみではないと推測する。これは長引く不況が影響していると推察するが、何かのウイルスの蔓延によるのではないかと筆者は推測している。少なくとも最近多発している“単極性うつ病”は筆者の研究上、家系内集積を認めない。
【症例】39歳、男性。未婚。
頭部CT:特記すべき所見なし
神経学的:特記すべき所見なし
脳波:特記すべき所見なし
免疫学的所見:ヒト免疫不全ウイルス抗体価は基準値以下
単純ヘルペス1型抗体陽性
単純ヘルペス2型抗体陰性
帯状ヘルペス抗体陰性
T・B細胞100分率:T細胞84%(基準値;66~89%)
B細胞 8%(基準値; 4~13%)
生化学的所見:フェリチン精密 44 ng/dl(基準値;24~286)
β-2 microglobline 1.5 ng/dl(基準値;1.0~1.9)
(生育歴)正常分娩にて出生。幼少時より内向的傾向有るも、小学生時代より、成績優秀であり、性格も穏和であり、人気者であった。高校3年次に社会恐怖を発症し、大学受験に失敗する。一浪後、現役の時に軽く入れた大学に不本意ながら入学。それ故もあり、大学の授業へあまり出席せず。4年間で卒業できるところを8年懸かって卒業する。
(家族歴)特記すべきことなし。
(性格)真面目。努力家。勤勉。勤勉より努力家の�福ェ強い。根暗なところがややあり。凝り性。素直。趣味はパソコン。物事を非常に真っ直ぐに考える傾向がある。真面目さ・優しさ・素直さが目立ち、性格の障害はほとんど感じられない。
(既往歴)高校3年(18歳)時、社会恐怖を発症。22歳時、精神科受診。以来、bromazepam を主とした抗不安薬を継続服用。
(現病歴)平成11年5月18日本院初診。22歳時より社会恐怖に対し抗不安薬を投与されてきたこと、今まで幾つかの精神科の病院や医院を受診してきたこと、様々な抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬を試験的に服用してきたことを述べる。bromazepam 20mg/日 の投与にて治療開始。症例はインターネットより日本で近い内に使用開始になる fluvoxamine が社会恐怖に効果があることを知る。5月30日来院時、実際は抑うつ気分は無いが、筆者に抑うつ気分を訴え fluvoxamine の投与を希望する。
平成11年5月30日よりfluvoxamine の追加投与を開始。その頃より激しい倦怠感を自覚し始める。fluvoxamine の服用量を減量した翌日は倦怠感が多少軽い故に fluvoxamine の副作用が考えられた。しかし、職場の人間関係に悩み抜いていたこと、fluvoxamine の服用量を減量しても倦怠感の軽減は僅かであること、肝機能障害は僅かしか存在しないこと、それらより“うつ病性障害”発症による倦怠感も考えられた。
症例は fluvoxamine の副作用の可能性を考えながらも社会恐怖で非常に悩み苦しんでいた故、筆者にその激しい倦怠感を隠し続け、社会恐怖を治したい一心で fluvoxamine 150mg/日 の服用を続ける。症例は肝機能障害には動物性蛋白が必要と考え、毎晩ステーキを大量に食するなどにより、2ヶ月間ほどで体重が65kgから86kgにまで増加した。
fluvoxamine の服用を3ヶ月間続ける。 社会恐怖に対する効果は判然とせず。 倦怠感も不変。fluvoxamine 中止後、平成11年8月より筆者には内緒にインターネットより fluoxetine を個人輸入し、その服用を行う。 しかしこれにても社会恐怖は軽症化の傾向を見せず。倦怠感もほぼ不変。更にsertraline およびparoxetine をインターネットより個人輸入し、その服用を行う。これにても社会恐怖は軽症化の傾向を見せず。また倦怠感も不変。
社長は症例に対し特別扱い状態であり、症例は出社すると自室のベットにて臥床するという毎日を繰り返していた。外国からの客の来たときのみベットより起き出しネクタイを締め、その外国人客の応対をするという毎日を行っていた。他の部署に症例が顔を出すと厄介者扱いされる状態であった。外部からの外国人客が来たときのみ応対をしてくれれば良いという社長の方針のため会社を休むことを社長は許さなかったが、そのように仕事は非常に楽であった。
また、激しい疲労感のため、通訳の仕事に於いて、および書類作成に於いて、ミスが重なる。
抑うつ気分、希死念慮、罪業観念、物事への興味の減弱など、“うつ病性障害”に相当するものは存在せず、激しい倦怠感が存在しているのみであった。微熱は存在せず、慢性疲労症候群の診断基準は満たさないことを症例自身も理解していた。症例は盛んにインターネットより慢性疲労症候群およびそれに類する文献を多量に読破し、少なくとも慢性疲労症候群およびそれに関連するものに関する知識は極めて豊富であった。
休日はほとんど臥床状態で(週休2日あるいは週休1日が交互という状態であった)あった。
症例の肝機能は fluvoxamine を服用していた最初の2カ月半、GOT,GPT などが僅かに正常値を超えていたのみで、その後は肝機能値も正常範囲内であり、肝臓から来る倦怠感感は考えられなかった。また、その他の検査結果も正常範囲内であった。
平成12年7月、症例は強い倦怠感を克服するため、スーパーよりキノコの1種であるマイタケを買い、それを水炊きし食する。(その量は1パック130円を3パックで比較的大量であった。夜食の半分以上はそれで賄われた。)そのマイタケの大量摂取を2晩続ける。1晩目は劇的に、2晩目もかなり倦怠感が軽快する効果を症例は自覚した。しかし3回目以降は倦怠感の軽減の自覚は減少した。しかしマイタケを水煮して食すると翌日の倦怠感が軽減するのを自覚する故に、夜食はマイタケの大量摂取をできる限り行ない続けた。しかし次第にマイタケを食しても翌日の倦怠感が軽減しなくなるのを自覚し始める。
次にシイタケを食する。初日こそ比較的強い効果を覚えたがマイタケと同じように次第に効果は弱くなってゆく。次にシメジを食する。やはり初日はかなり強い効果を覚えたが次第に効果は弱くなってゆく。次にエノキダケを食する。エノキダケはマイタケとほぼ同じ程度の強い効力があることを知る。しかしエノキダケは簡単な調理法である水煮では美味でなく、一人暮らしである症例は水煮で美味であるマイタケを好んで食し、エノキダケはあまり食しないかった。
その後、この4種類のキノコ類を交互に食することを行い、症例は次のように結論した。
マイタケ・エノキダケが最も効力が強く、次にシメジ、最も効果が弱かったのがシイタケであった。シメジの効力はマイタケ・エノキダケの80%ほど、シイタケの効力はマイタケの40%ほどと症例は結論した。また、マイタケのみ連日食するより、マイタケ・エノキダケ・シメジ・他のキノコ類を交代させながら食する方法が効果が強い、そしてこれは各々のキノコ類の有効成分される多糖類が各々微妙に異なるためと推測される、と症例は結論した。
症例は社会恐怖の治癒を願いSSRIに代わり平成12年6月より服用していたmoclobemide を平成12年10月、服用中止する。同時にキノコ類の大量摂取も、倦怠感の軽快、社会恐怖に無効であること、水煮を行うことの億劫さ、それらの理由で中止する。
平成12年12月中旬、抑うつ気分、希死念慮、罪業観念、物事への興味の減弱など、“うつ病性障害”の診断基準に相当するものを自覚。moclobemideの服用を再開する。しかし、キノコ類の大量摂取は、社会恐怖に効果がないこと、水煮を行うことが億劫であること、数回実施して以前経験した強い効果が感じられなかったこと、それらの理由で数回実施するのみでほとんど行わず。
平成13年1月、正月休暇で故郷に帰省したときの帰り、自動車事故を起こす。症例は真面目な性格である故、自動車運転に於いて安全運転であり、毎日のように自動車の運転を行っていたが少なくとも10年間無事故であった。
この頃より朝の起床困難は更に強くなる。ほぼ毎日の遅刻は30分程度であったのが1時間程度と強くなる。しかし毎夜、午前3時頃までインターネットなどを行うことは不変であった。午前3時就寝のための朝の起床困難とも思われたが、早く就寝しても朝の起床困難は不変であることを繰り返す。そのため症例は今も毎日午前3時までインターネットなどを行っている。そして毎日1時間の遅刻も不変である。
症例は“うつ状態”が強くなると腕立て伏せが僅かしかできなくなり、“うつ状態”が軽いときは腕立て伏せが良くできると言う。
また、抗うつ薬を眠前に服用した翌朝は起床が比較的困難でなく、抗うつ薬を服用しない翌朝は起床が極めて困難であることを繰り返し経験している。しかし症例は抗うつ薬を服用すると倦怠感が惹起されるため、抗うつ薬の服用を好まない。
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fluvoxamine;平成11年5月30日より服用開始。平成11年8月、服用中止。
仕事上の信じられないようなミスは平成11年5月下旬頃より始まっている。
fluoxetine;平成11年8月より服用開始。 平成12年6月�棊p中止。
sertraline;平成11年11月より服用開始。 平成12年6月服用中止。
paroxetine;平成12年3月より服用開始。 平成12年6月服用中止。
(これらSSRIは併用して服用していたことが多かった。その量は比較的大量であった。)
RIMA(Reversible Inhibitors of Monoamine oxitase type A)であるmoclobemide ;平成12年6月よりSSRIを一気に中止し、その代用として服用開始。その服用量は比較的大量であった。倦怠感は不変か、やや軽快を示す。
平成12年7月初旬よりキノコ類(特にマイタケ)の大量摂取開始。倦怠感は急激に軽快を示す。しかし軽快のみであり、朝の起床困難は続く。
平成12年12月中旬、希死念慮、悲哀感を自覚し“うつ状態”に有ることを自覚する。朝の起床困難は更に強くなる。
平成13年1月、自動車事故を起こす。
平成13年2月、再び自動車事故を起こす。
【考察】
“うつ病性障害”は精神的また肉体的疲弊を基盤としてよく起こることが知られている2,3,13)。この症例の“うつ病性障害”発症には職場の人間関係不良という精神的疲弊があった。また週末も休みを取らずに大学で研究を行ない、週日は夜遅くまでインターネットや書籍で研究を行う、という肉体的疲弊があった。
症例はfluvoxamine による倦怠感を疑いながらも社会恐怖を治したい一心でfluvoxamine 150mg/日 の服用を3ヶ月間行った。そしてインターネットより抗うつ薬が個人輸入できることを知ると fluoxetine、sertraline、paroxetine などを輸入し、これも社会恐怖を治したい一心で、その比較的大量服用を行う。しかし症例の社会恐怖は軽快せず。
症例は自身の対人恐怖のため精神医学および一般医学に関する書籍類を大学時代より多量に読破しており、自身は“うつ病性障害”ではなく“定義の異なる慢性疲労症候群”であると主張し、上記の検査を執拗に求める。検査する必要性は乏しいことを説明するも聞き入れず、上記の検査を行った。
症例には倦怠感を早く治し、大学での研究を再開したい、このままでは落伍してしまう、という焦燥が強く存在していた。
症例は一民間企業に通訳のような存在として勤務していることに強い不満を持っており、論文を書き、大学教授に成るという野心を持っていた。また症例の性格特性として「頑固。執着性。」というものが存在する。
症例は顔面神経麻痺・帯状疱疹を代表するヘルペス属ウイルス感染症が非常に多い地方である九州北部の糸島地方19)に4年前、転勤してきた。転勤2年後の“うつ病性障害”発症であった。ヘルペス属ウイルスは神経親和性ウイルスとして有名である。ヘルペス属ウイルスは神経細胞内に潜伏感染し、ストレスなどにより個体の免疫能が低下したときに増殖し、疾病を起こす9~12)。症例にこの地方にヘルペス感染症が極めて多いことを伝えると、症例は自身がヘルペス属ウイルス感染を起こし、それによりこの倦怠感が来ているのではないか、と考えるようになったらしい。症例はヘルペス属ウイルス感染症についてもインターネットで詳しく勉強する。
キノコ類に免疫力増強作用が存在することは文献的にも知られている9~12)。症例の倦怠感は症例のキノコ類の大量摂取が行ったり行わなかったりと徹底してなく、大量摂取を行ったときは軽症化し、大量摂取を行わなかったときは重篤化するという一進一退を続けた。
症例自身が“うつ病性障害”であることを自覚した12月、以前奏功していたキノコ類の大量摂取を再開したが、このときは効果をあまり感じることができず、数回行ったのみで中止した。“うつ病性障害”の重篤化故に男性には面倒なその調理を行う気力が湧かなかったことが関係したとも考えられる。しかし「重篤化した12月には僅かしか効果を感じなかったために数回行ったのみで中止した。」と症例は述べる。ウイルスの神経細胞への感染が重篤化し、キノコ類の大量摂取による免疫力の強化では効果を及ぼすことが困難になったためと考えることができる。
この症例では、ウイルス感染による身体疲弊が引き金となり“うつ病性障害”発症へと導いたと考えることもできる。
【最後に】
キノコ類の大量摂取が社会恐怖には効果が無かったことは社会恐怖はウイルス感染ではないことを示唆していると考えるより、症例の社会恐怖が高校3年時からのものであり、既に罹患歴21年に達しており、平成12年7月の時点に於いて罹患歴1年2ヶ月であった“うつ病性障害”とは比較できないほど慢性化していることを考えるべきである。
そして平成12年12月の“うつ病性障害”の悪化時、キノコ類の大量摂取が僅かしか“うつ病性障害”に効果が無かったことも考え併せると、社会恐怖もまたウイルス感染である可能性を否定できない。ストレス過剰状態に置かれたとき、免疫力が低下し、ある領域の中枢神経細胞内に潜伏感染していたウイルスが増殖し、その領域の神経細胞が過敏状態となり、そして社会恐怖が発症したと考えることもできる。
【文献】
1)赤穂理絵、佐々木司:気分障害の遺伝、最新精神医学 11:324-329, 1999
2)Anisman H:Vulnerability to depression: Contribution of stress.Neurology of mood disorders Vol 1、Williams & Wilkins、Baltimore、1984
3)Chrousos G P, Gold P W:The concepts of stress and stress system disorders: Overview of physical and behavioral homeostasis.JAMA 267:1244, 1992
4)Deresiewicz R L, Thaler S J, Hsu L et al:Clinical and neuroradiographic manifestations of eastern equine encephalitis.N Engl J Med:1867-1869, 1997
5)Dunn V, Bale J F, Zimmerman R A:MRI in children with postinfectious disseminated encephalomyelitis.Magn Reson Imaging 25:110-114, 1986
6)Johnson R T:The pathogeneses of acute viral encephalitis and post-infectious encephalitis.J Infect Dis 19:359-363, 1987
7)McCullers J A, Lakeman F D, Whitley R J:Human herpes-virus 6 is associated with focal encephalitis.Clin Infect Dis 18:571-573, 1995
8)Merikangas K R, Kupfer D J:Mood disorders, generic aspect.Comprehensive Textbook of Psychiatry-�、Williams &Wilkins、Baltimore、1995
9)Mizuno T:Special issue on mushrooms. bioactive substances and medical utilization.Food Rev 11(1):1-7, 1995
10)Mizuno T:Special issue on mushrooms. breeding and cultivation.Food Rev 13(3):327-331, 1997
11)Mizuno T:The extraction and development of anti-tumor-active polysaccharides from medical mushroom in japan. J of Med Mushrooms 1(1):9-11, 1998
12)Mizuno T:Bioactive substances in yamabushitake, and its medical utilization.J of Med Mushrooms 1(2):105, 1999
13)Negrao A B, Gold P W:Major depressive disorder.Encyclopedia of stress Vol 2、Academic Press、San Diego、2000
14)小田垣雄二:塩酸amantadine 投与により劇的な改善を示した難治性うつ病の1症例、臨床精神医学 11:468-471, 1999
15)Richard T Jhonson:神経系のウイルス感染症、植木幸明訳、金沢光男監訳、西村書店、東京、1988
16)Robert H A:Enteroviral infections of the central nervous system.Clin Infect Dis 91:971-973, 1998
17)七戸満雄:メニエール病に対するアシクロビルの治療効果、医学の歩み 169:796-798, 1994
18)七戸満雄:メニエール病に対するアシクロビルの治療効果(第二報)、診療と治療 32:1860-1862, 1994
19)高見敏郎:ヘルペス感染症多発地域---糸島地方の研究、(未発表)
20)田中文雅、木村清次、根津敦夫:突発性発疹症に伴う限局性中枢神経障害の2例、脳と発達 65:345-349, 1998
21)Tilson H H:Monitoring the safety of antiviral--the example of the acyclovir experience.Am J Med 116:187-189, 1998
22)William L L:Evidence of persistent viral infection on Meniere's disease.Arch Otolaryngol Head Neck Surg 113:397-399, 1987
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:A case of high dose intake of mushrooms effected depressive disorders
http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html
【症例報告】
キノコ類大量摂取が奏功する「うつ病性障害」の1例
【抄録】
キノコ類大量摂取が「うつ病性障害」に奏功する症例を経験した。
症例は自身の病気を慢性疲労症候群と自己診断しながらも,7つの精神科・心療内科から「うつ病性障害」と診断された。そして筆者の下へ来院。慢性疲労症候群(疑)と診断名を症例に告げる。そして慢性疲労症候群(疑)の治療法は「うつ病性障害」の治療法と同じであることを告げ、抗うつ薬による治療を行ったが無効であった。
筆者は1年前、「うつ病性障害」にキノコ類大量摂取が奏功した経験を持っていた。故に、抗うつ薬服用をこれ以上望まない症例へウイルス感染に効果の有るキノコ類大量摂取を詳細に示唆し,そしてそれが奏功した。
『「うつ病性障害」はウイルス感染である』あるいは『キノコ類に「うつ病性障害」に有効な成分が存在する』ことを示唆する貴重な症例と考え,ここに提示する。
【key words】depressive disorders, virus, mushroom, chronic fatigue syndrome
【はじめに】
精神疾患において少なくとも「統合失調症」「双極性障害」に於いては家系内集積性を示す1,8)。そして「気分障害」に於いて「双極性障害」では高い家系内集積を示すが,「単極性うつ病」に関しては低い家系内集積しか示さない1,8)。
近年,臨床現場に於いて「単極性うつ病」の多発,特に青壮年への多発に気付いているのは筆者のみではないと推測する。これは長引く不況が影響していると推察するが,何かのウイルスの蔓延による可能性は否定できないと筆者は推測している。少なくとも最近多発している「単極性うつ病」は筆者の研究上,家系内集積を認めない。
【症例】23歳,男性。
頭部CT:特記すべき所見なし。
神経学的:特記すべき所見なし。
脳波:特記すべき所見なし。
免疫学的:ヒト免疫不全ウイルス抗体価は基準値以下。
単純ヘルペス1型抗体陽性
単純ヘルペス2型抗体陰性
帯状ヘルペス抗体陰性
(生育歴)正常分娩にて出生。小学生時代より剣道を習い,剣道の選手として小学生時代より活躍。中学・高校と剣道の選手として将来を期待される。大学へは剣道の特待生として入学。
(家族歴)特記すべきことなし。
(性格)真面目。努力家。頑固。
(既往歴)特記すべきことなし。
(現病歴)大学3年時、激しい倦怠感を自覚。剣道の練習を行うことが不可能となる。大学病院内科受診。異常所見無し、と言われ同大学病院精神科を紹介受診。うつ病と言われ、抗うつ薬の投与を受ける。
大学は剣道の先生・先輩および同級生の配慮があり留年せずに卒業し、H港の貿易会社に入社(平成12年4月)。心療内科・精神科のみでなく、鍼、整体にも通い、朝の起床困難・午前中に強い倦怠感有るも、それを同僚や上司に隠し続け、仕事は週に1回ほどの遅刻のみで過ごす。
平成13年5月本院初診。社会人になって5カ所目の心療内科・精神科受診だと言う。希死念慮、抑うつ気分、物事への興味の減弱、思考速度の遅延、罪悪観念、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠障害、食欲不振、性欲の減退、そういうものが無く、有るのは強い倦怠感のみである故に、自分はうつ病ではなく、慢性疲労症候群であると主張する。症例の声・表情には「うつ病性障害」を示唆するものは全く見受けられなかった。
「慢性疲労症候群(疑)」と診断名を告げ、しかし投薬するのは同じく抗うつ薬であると告げるが症例は「今まで、うつ病、うつ病と診断され続けてきましたが、始めて理解して貰えました」と非常に喜ぶ。
paroxetine とamoxapine を主体とした投薬を3ヶ月間続ける。しかし朝の起床困難・午前中に強い倦怠感は軽快傾向を見せず。
平成14年8月より milnacipran を主体とした投薬を2ヶ月間続ける。これにても症状は軽快傾向を見せず。そして症例は自分は慢性疲労症候群というウイルス感染であって「うつ病性障害」ではない故にこれ以上、抗うつ薬を服用しても同じであると強く主張する。筆者は症例にキノコ類大量摂取を詳細に示唆する。
平成14年10月、症例はスーパーよりキノコの1種であるマイタケを買い,それを水炊きし食する。(その量は1パック130円を3パックで比較的大量であった。夜食の半分以上はそれで賄われた。)そのマイタケの大量摂取を2晩続ける。1晩目は劇的に,2晩目も強く倦怠感が軽快する効果を症例は自覚した。しかし3回目以降は倦怠感軽減の自覚は減少した。しかしマイタケを水煮して食すると翌日の倦怠感が軽減するのを自覚する故に,夜食はマイタケの大量摂取をできる限り行ない続けた。しかし次第にマイタケを食しても翌日の倦怠感が軽減しなくなるのを自覚し始める。
次にシイタケを食する。初日こそ比較的強い効果を覚えたがマイタケと同じように次第に効果は弱くなってゆく。次にシメジを食する。初日はかなり強い効果を覚えたが次第に効果は弱くなってゆく。次にエノキダケを食する。エノキダケはマイタケとほぼ同じ程度の強い効力があることを知る。しかしエノキダケは簡単な調理法である水煮では美味でなく,一人暮らしである症例は水煮で美味であるマイタケを好んで食し,エノキダケはあまり食しなかった。
その後,この4種類のキノコ類を交互に食することを行い,症例は次のように結論した。
「マイタケ・エノキダケが最も効力が強く,次にシメジ,最も効果が弱いのがシイタケである。マイタケ・エノキダケに比べてシメジの効力は80%ほど,シイタケの効力は40%ほどである。また,一種類のキノコ類のみ連日食するより,他のキノコ類と交代させながら食する方が効果が強い」と症例は結論した。
抗うつ薬を断ち、キノコ類大量摂取を始めて5ヶ月が経過するが、症例は「キノコ類大量摂取を怠って5日ほどすると朝の起床困難・午前中の強い倦怠感が再来するが、夜食にキノコ類大量摂取を行えば翌日には倦怠感は消え去る」と言う。
【考察】
症例は精神疾患に対し偏狭な考えを持っており「うつ病性障害」と診断されることに強い嫌悪感と反発心を抱いていた。また、それ故に脳神経外科を表看板にしている本院へ頭部CTを希望しての受診と思われた。
症例には「朝の起床困難」が有り、症状はこれのみであった。夜は元気であり、ジョギングを行い、その後にインターネットを夜遅くまで行うという日内変動が存在していた。これは発病時からであると言う。
「うつ病性障害」は精神的また肉体的疲弊を基盤として発症することが知られている2,3,13)。この症例の「うつ病性障害」発症には過酷な剣道の練習に耐えているにも拘わらず、剣道の素質が優秀な下級生に追い抜かれるという精神的圧力があった。
キノコ類に免疫力増強作用が存在することは文献的にも知られている9~12)。症例はキノコ類大量摂取を行い「一種類のキノコ類のみ連日食するより、他のキノコ類と交代させながら食する方が効果が強い」と述べるが、これは各々のキノコ類の有効成分される多糖類が各々微妙に異なるためと推測される。
ストレス過剰状態に置かれたとき,免疫力が低下し,ある領域の中枢神経細胞内に潜伏感染していたウイルスが増殖し,その領域の神経細胞が過敏状態となり,そして「うつ病性障害」が発症すると考えることができる。
神経細胞に潜伏感染し個体の免疫力が弱まったときに増殖するウイルスとしてまずヘルペスウイルスが上げられる。ヘルペス属ウイルスは神経親和性ウイルスとして有名である。ヘルペス属ウイルスは神経細胞内に潜伏感染し,ストレスなどにより個体の免疫能が低下したときに増殖し,疾病を起こす15,16)。
また、この症例では,ウイルス感染による身体疲弊が引き金となり「うつ病性障害」発症へと導かれた,と考えることもできる。心と身体は相関する故である。「身体が疲弊すると心も疲弊する」「心が疲弊すると身体も疲弊する」。これは色心不二として仏典に説かれている17)。
大学3年時、剣道の素質が優秀な下級生に追い抜かれるという精神的圧力により心が疲弊し、それにより身体疲弊も増悪したと推定できる。また身体の疲弊が更に心の疲弊を引き起こした。そういう悪循環が形成され、この症例の「うつ病性障害」が発症したと考えることができる。
心
��
身体
【最後に】
筆者は、患者自身が自らの判断でキノコ類大量摂取を行い「うつ病性障害」に大きな効果があった症例を1年ほど前、経験していた。それ故の今回のキノコ類大量摂取の示唆であった。それは別稿を持って報告する予定である。
なお、この症例のキノコ類大量摂取の結果(良く効くキノコ類の順序および効能の現れ方)はこの療法を示した1年前の経験とほぼ同じであった。
【文献】
1)赤穂理絵,佐々木司:気分障害の遺伝,最新精神医学 11:324-329, 1999
2)Anisman H:Vulnerability to depression: Contribution of stress.Neurology of mood disorders Vol 1,Williams & Wilkins,Baltimore,1984
3)Chrousos G P, Gold P W:The concepts of stress and stress system disorders: Overview of physical and behavioral homeostasis.JAMA 267:1244, 1992
4)Deresiewicz R L, Thaler S J, Hsu L et al:Clinical and neuroradiographic manifestations of eastern equine encephalitis.N Engl J Med:1867-1869, 1997
5)Dunn V, Bale J F, Zimmerman R A:MRI in children with postinfectious disseminated encephalomyelitis.Magn Reson Imaging 25:110-114, 1986
6)Johnson R T:The pathogeneses of acute viral encephalitis and post-infectious encephalitis.J Infect Dis 19:359-363, 1987
7)McCullers J A, Lakeman F D, Whitley R J:Human herpes-virus 6 is associated with focal encephalitis.Clin Infect Dis 18:571-573, 1995
8)Merikangas K R, Kupfer D J:Mood disorders, generic aspect.Comprehensive Textbook of Psychiatry-�,Williams &Wilkins,Baltimore,1995
9)Mizuno T:Special issue on mushrooms. bioactive substances and medical utilization.Food Rev 11(1):1-7, 1995
10)Mizuno T:Special issue on mushrooms. breeding and cultivation.Food Rev 13(3):327-331, 1997
11)Mizuno T:The extraction and development of anti-tumor-active polysaccharides from medical mushroom in japan. J of Med Mushrooms 1(1):9-11, 1998
12)Mizuno T:Bioactive substances in yamabushitake, and its medical utilization.J of Med Mushrooms 2(3):105, 1999
13)Negrao A B, Gold P W:Major depressive disorder.Encyclopedia of stress Vol 2,Academic Press,San Diego,2000
14)小田垣雄二:塩酸amantadine 投与により劇的な改善を示した難治性うつ病の1症例,臨床精神医学 11:468-471, 1999
15)Richard T Jhonson:神経系のウイルス感染症,植木幸明訳,金沢光男監訳,西村書店,東京,1988
16)Robert H A:Enteroviral infections of the central nervous system.Clin Infect Dis 91:971-973, 1998
17) 創価学会青年部編:日蓮大聖人御書全集、聖教新聞社、東京、1978
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gcc01471@nifty.com:A Case of High Dose Intake of Mushrooms Effected Depressive Disorders
http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html
近年、“うつ病性障害”は急速に増加している。一種の社会現象とも言えよう。いつ終わるか知れない不況、現在の会社を退職すると再就職口がなかなか見つからないため、どんなに身体が疲労感に満ちても無理して会社に出勤しなければならない。
そして、“うつ病性障害”は真面目で心優しい人に好発する。
キノコ類大量摂取が奏功する「うつ病性障害」の1例
【抄録】
キノコ類大量摂取が「うつ病性障害」に奏功する症例を経験した。
症例は自身の病気を慢性疲労症候群と自己診断しながらも,7つの精神科・心療内科から「うつ病性障害」と診断された。そして筆者の下へ来院。慢性疲労症候群(疑)と診断名を症例に告げる。そして慢性疲労症候群(疑)の治療法は「うつ病性障害」の治療法と同じであることを告げ、抗うつ薬による治療を行ったが無効であった。
筆者は1年前、「うつ病性障害」にキノコ類大量摂取が奏功した経験を持っていた。故に、抗うつ薬服用をこれ以上望まない症例へウイルス感染に効果の有るキノコ類大量摂取を詳細に示唆し,そしてそれが奏功した。
『「うつ病性障害」はウイルス感染である』あるいは『キノコ類に「うつ病性障害」に有効な成分が存在する』ことを示唆する貴重な症例と考え,ここに提示する。
【key words】depressive disorders, virus, mushroom, chronic fatigue syndrome
【はじめに】
精神疾患において少なくとも「統合失調症」「双極性障害」に於いては家系内集積性を示す1,8)。そして「気分障害」に於いて「双極性障害」では高い家系内集積を示すが,「単極性うつ病」に関しては低い家系内集積しか示さない1,8)。
近年,臨床現場に於いて「単極性うつ病」の多発,特に青壮年への多発に気付いているのは筆者のみではないと推測する。これは長引く不況が影響していると推察するが,何かのウイルスの蔓延による可能性は否定できないと筆者は推測している。少なくとも最近多発している「単極性うつ病」は筆者の研究上,家系内集積を認めない。
【症例】23歳,男性。
頭部CT:特記すべき所見なし。
神経学的:特記すべき所見なし。
脳波:特記すべき所見なし。
免疫学的:ヒト免疫不全ウイルス抗体価は基準値以下。
単純ヘルペス1型抗体陽性
単純ヘルペス2型抗体陰性
帯状ヘルペス抗体陰性
(生育歴)正常分娩にて出生。小学生時代より剣道を習い,剣道の選手として小学生時代より活躍。中学・高校と剣道の選手として将来を期待される。大学へは剣道の特待生として入学。
(家族歴)特記すべきことなし。
(性格)真面目。努力家。頑固。
(既往歴)特記すべきことなし。
(現病歴)大学3年時、激しい倦怠感を自覚。剣道の練習を行うことが不可能となる。大学病院内科受診。異常所見無し、と言われ同大学病院精神科を紹介受診。うつ病と言われ、抗うつ薬の投与を受ける。
大学は剣道の先生・先輩および同級生の配慮があり留年せずに卒業し、H港の貿易会社に入社(平成12年4月)。心療内科・精神科のみでなく、鍼、整体にも通い、朝の起床困難・午前中に強い倦怠感有るも、それを同僚や上司に隠し続け、仕事は週に1回ほどの遅刻のみで過ごす。
平成13年5月本院初診。社会人になって5カ所目の心療内科・精神科受診だと言う。希死念慮、抑うつ気分、物事への興味の減弱、思考速度の遅延、罪悪観念、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠障害、食欲不振、性欲の減退、そういうものが無く、有るのは強い倦怠感のみである故に、自分はうつ病ではなく、慢性疲労症候群であると主張する。症例の声・表情には「うつ病性障害」を示唆するものは全く見受けられなかった。
「慢性疲労症候群(疑)」と診断名を告げ、しかし投薬するのは同じく抗うつ薬であると告げるが症例は「今まで、うつ病、うつ病と診断され続けてきましたが、始めて理解して貰えました」と非常に喜ぶ。
paroxetine とamoxapine を主体とした投薬を3ヶ月間続ける。しかし朝の起床困難・午前中に強い倦怠感は軽快傾向を見せず。
平成14年8月より milnacipran を主体とした投薬を2ヶ月間続ける。これにても症状は軽快傾向を見せず。そして症例は自分は慢性疲労症候群というウイルス感染であって「うつ病性障害」ではない故にこれ以上、抗うつ薬を服用しても同じであると強く主張する。筆者は症例にキノコ類大量摂取を詳細に示唆する。
平成14年10月、症例はスーパーよりキノコの1種であるマイタケを買い,それを水炊きし食する。(その量は1パック130円を3パックで比較的大量であった。夜食の半分以上はそれで賄われた。)そのマイタケの大量摂取を2晩続ける。1晩目は劇的に,2晩目も強く倦怠感が軽快する効果を症例は自覚した。しかし3回目以降は倦怠感軽減の自覚は減少した。しかしマイタケを水煮して食すると翌日の倦怠感が軽減するのを自覚する故に,夜食はマイタケの大量摂取をできる限り行ない続けた。しかし次第にマイタケを食しても翌日の倦怠感が軽減しなくなるのを自覚し始める。
次にシイタケを食する。初日こそ比較的強い効果を覚えたがマイタケと同じように次第に効果は弱くなってゆく。次にシメジを食する。初日はかなり強い効果を覚えたが次第に効果は弱くなってゆく。次にエノキダケを食する。エノキダケはマイタケとほぼ同じ程度の強い効力があることを知る。しかしエノキダケは簡単な調理法である水煮では美味でなく,一人暮らしである症例は水煮で美味であるマイタケを好んで食し,エノキダケはあまり食しなかった。
その後,この4種類のキノコ類を交互に食することを行い,症例は次のように結論した。
「マイタケ・エノキダケが最も効力が強く,次にシメジ,最も効果が弱いのがシイタケである。マイタケ・エノキダケに比べてシメジの効力は80%ほど,シイタケの効力は40%ほどである。また,一種類のキノコ類のみ連日食するより,他のキノコ類と交代させながら食する方が効果が強い」と症例は結論した。
抗うつ薬を断ち、キノコ類大量摂取を始めて5ヶ月が経過するが、症例は「キノコ類大量摂取を怠って5日ほどすると朝の起床困難・午前中の強い倦怠感が再来するが、夜食にキノコ類大量摂取を行えば翌日には倦怠感は消え去る」と言う。
【考察】
症例は精神疾患に対し偏狭な考えを持っており「うつ病性障害」と診断されることに強い嫌悪感と反発心を抱いていた。また、それ故に脳神経外科を表看板にしている本院へ頭部CTを希望しての受診と思われた。
症例には「朝の起床困難」が有り、症状はこれのみであった。夜は元気であり、ジョギングを行い、その後にインターネットを夜遅くまで行うという日内変動が存在していた。これは発病時からであると言う。
「うつ病性障害」は精神的また肉体的疲弊を基盤として発症することが知られている2,3,13)。この症例の「うつ病性障害」発症には過酷な剣道の練習に耐えているにも拘わらず、剣道の素質が優秀な下級生に追い抜かれるという精神的圧力があった。
キノコ類に免疫力増強作用が存在することは文献的にも知られている9~12)。症例はキノコ類大量摂取を行い「一種類のキノコ類のみ連日食するより、他のキノコ類と交代させながら食する方が効果が強い」と述べるが、これは各々のキノコ類の有効成分される多糖類が各々微妙に異なるためと推測される。
ストレス過剰状態に置かれたとき,免疫力が低下し,ある領域の中枢神経細胞内に潜伏感染していたウイルスが増殖し,その領域の神経細胞が過敏状態となり,そして「うつ病性障害」が発症すると考えることができる。
神経細胞に潜伏感染し個体の免疫力が弱まったときに増殖するウイルスとしてまずヘルペスウイルスが上げられる。ヘルペス属ウイルスは神経親和性ウイルスとして有名である。ヘルペス属ウイルスは神経細胞内に潜伏感染し,ストレスなどにより個体の免疫能が低下したときに増殖し,疾病を起こす15,16)。
また、この症例では,ウイルス感染による身体疲弊が引き金となり「うつ病性障害」発症へと導かれた,と考えることもできる。心と身体は相関する故である。「身体が疲弊すると心も疲弊する」「心が疲弊すると身体も疲弊する」。これは色心不二として仏典に説かれている17)。
大学3年時、剣道の素質が優秀な下級生に追い抜かれるという精神的圧力により心が疲弊し、それにより身体疲弊も増悪したと推定できる。また身体の疲弊が更に心の疲弊を引き起こした。そういう悪循環が形成され、この症例の「うつ病性障害」が発症したと考えることができる。
心
��
身体
【最後に】
筆者は、患者自身が自らの判断でキノコ類大量摂取を行い「うつ病性障害」に大きな効果があった症例を1年ほど前、経験していた。それ故の今回のキノコ類大量摂取の示唆であった。それは別稿を持って報告する予定である。
なお、この症例のキノコ類大量摂取の結果(良く効くキノコ類の順序および効能の現れ方)はこの療法を示した1年前の経験とほぼ同じであった。
【文献】
1)赤穂理絵,佐々木司:気分障害の遺伝,最新精神医学 11:324-329, 1999
2)Anisman H:Vulnerability to depression: Contribution of stress.Neurology of mood disorders Vol 1,Williams & Wilkins,Baltimore,1984
3)Chrousos G P, Gold P W:The concepts of stress and stress system disorders: Overview of physical and behavioral homeostasis.JAMA 267:1244, 1992
4)Deresiewicz R L, Thaler S J, Hsu L et al:Clinical and neuroradiographic manifestations of eastern equine encephalitis.N Engl J Med:1867-1869, 1997
5)Dunn V, Bale J F, Zimmerman R A:MRI in children with postinfectious disseminated encephalomyelitis.Magn Reson Imaging 25:110-114, 1986
6)Johnson R T:The pathogeneses of acute viral encephalitis and post-infectious encephalitis.J Infect Dis 19:359-363, 1987
7)McCullers J A, Lakeman F D, Whitley R J:Human herpes-virus 6 is associated with focal encephalitis.Clin Infect Dis 18:571-573, 1995
8)Merikangas K R, Kupfer D J:Mood disorders, generic aspect.Comprehensive Textbook of Psychiatry-�,Williams &Wilkins,Baltimore,1995
9)Mizuno T:Special issue on mushrooms. bioactive substances and medical utilization.Food Rev 11(1):1-7, 1995
10)Mizuno T:Special issue on mushrooms. breeding and cultivation.Food Rev 13(3):327-331, 1997
11)Mizuno T:The extraction and development of anti-tumor-active polysaccharides from medical mushroom in japan. J of Med Mushrooms 1(1):9-11, 1998
12)Mizuno T:Bioactive substances in yamabushitake, and its medical utilization.J of Med Mushrooms 2(3):105, 1999
13)Negrao A B, Gold P W:Major depressive disorder.Encyclopedia of stress Vol 2,Academic Press,San Diego,2000
14)小田垣雄二:塩酸amantadine 投与により劇的な改善を示した難治性うつ病の1症例,臨床精神医学 11:468-471, 1999
15)Richard T Jhonson:神経系のウイルス感染症,植木幸明訳,金沢光男監訳,西村書店,東京,1988
16)Robert H A:Enteroviral infections of the central nervous system.Clin Infect Dis 91:971-973, 1998
17) 創価学会青年部編:日蓮大聖人御書全集、聖教新聞社、東京、1978
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gcc01471@nifty.com:A Case of High Dose Intake of Mushrooms Effected Depressive Disorders
http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html
近年、“うつ病性障害”は急速に増加している。一種の社会現象とも言えよう。いつ終わるか知れない不況、現在の会社を退職すると再就職口がなかなか見つからないため、どんなに身体が疲労感に満ちても無理して会社に出勤しなければならない。
そして、“うつ病性障害”は真面目で心優しい人に好発する。