① 一斗缶ギターに別のネックをあつらえよう【指板材についてのイイ話】 | ESPギタークラフト・アカデミー東京校のブログ☆

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楽器の街・御茶ノ水にある「ESPギタークラフト・アカデミー(GCA)東京校」
楽器メーカー(株)ESPが直接運営するギター製作を学ぶことができる学校です。
授業風景や製作・リペアを中心に楽器の事、日々の出来事をアップしていきます!

こんにちは

 

このブログはタイトルの通り

 

前回の連載で完成したものの

 

あまりに普通の音すぎて

 

見掛け倒しにもほどがある

 

滝汗

 

 

リメイク企画です

 

前回の連載はこちらから

 

ボディも残念なくらいメタルボディの響きがなく

 

ネック的にもあれだけ頑張って

 

インパクトのあるビジュアルに仕上げたのに

 

なんか勿体無い、、、

チーン

 

ってことで一旦ネックはとりはずして

 

一斗缶ギターのためにサクッとネックを作ってしまおう

 

そんな連載です

 

というわけで

 

ラスタネック同様に

 

学生さんの置いていったリペア練習用ネック

 

レストアして仕上げました

 

真顔

 

写真のネックはすでに

 

塗装も終え、マットフィニッシュされています

 

グリップ製作の流れは

 

これまでのブログでも

 

何度も紹介していますので

 

割愛

 

 

塗装後に指板のマスキングを剥がして

 

フレットのエッジ処理をしたところです

 

この加工は最近は安い価格帯のギターでも

 

当たり前のようにやってある時代になってきましたが

 

高いものと比べると

 

加工精度とか

 

統一感に差があります

 

真顔

 

ここの処理のセンスで

 

クラフトマンのレベルがうかがえる所です

 

 

エッジ処理後には

 

改めてマスキング

 

これはこの後に

 

フレットのレベリング

 

をするためです

 

 

高さを揃えて

 

それによってできた

 

フレットの角を丸める

 

言葉で言うとそれだけですが

 

これがめんどくさいのです

 

笑い泣き

 

 

上の写真は

 

ヤスリで細かく研磨していって

 

コンパウンドで仕上げ終わった様子です

 

滝汗

 

最後にマスキングを剥がして

 

汚れを拭き取って完成です

 

ニヒヒ

 

 

ついでに指板のクリーニング

 

レモンオイルで綺麗にしました

 

ウインク

 

 

ここからはちょっといい話。

 

ウインク

 

このネックの指板材は

 

パーフェローという材です

 

ローズウッドと

 

エボニーの中間くらいの密度の材です

 

鳴り方も

 

まさに中間に位置した感じです

 

真顔

 

数年前にワシントン条約で

 

ローズウッドの規制が厳しくなったことで

 

楽器業界ではインディアンローズウッドの代用品として

 

一気に一般的になりました

 

代用品というと

 

ネガティブなイメージを持たれる方が多いのですが

 

ローズウッドより

 

引き締まった音が欲しい方は

 

こちらがいいと思います

 

真顔

 

大手のメーカーが大量生産している

 

人気モデルのギターの木材というのは

 

その時々に流通しやすいものが

 

多く出回っているだけで

 

輸入が面倒になったら

 

もっと楽に使えるものを探します

 

真顔

 

コストを抑えて利益を上げる

 

会社の本来の目的を考えたら当たり前のことです

 

今回インドローズの代わりにパーフェローを使うことになり

 

その輸入ルートが出来上がったので

 

ワシントン条約の規制が緩和された後も

 

インディアンローズウッドに戻さず

 

パーフェローを使っているメーカーもあります

 

コストや手間が同じなら

 

パーフェローの方がいいじゃん

 

みたいな判断も有りえるということです

 

先ほども書きました通り

 

材種が変わると音色が変わります。

 

そのギターの方向性にマッチしていれば

 

あえてローズに戻す必要性が無いということです

 

真顔

 

材やパーツは

 

ネームバリューとか

 

値段とか

 

先入観にまどわされず

 

楽器としての鳴りと音

 

で判断することをお勧めします

 

ウインク

 

 

~つづく~