久しぶりに映画の感想です。

最近観る映画は、だんだん邦画が多くなりました。

洋画は・・・齢だからか、登場人が多いと人物の見分けがつかなくなってきた!

 

先ずは「約束のネバーランド」。

監督は平川雄一朗氏でジャンルはダークファンタジーでしょうか。

2020年12月の公開。

 

 

原作は週刊少年ジャンプに2016~2020年まで連載された同名人気漫画で、原作・白井カイウ氏、作画・出水ぽすか氏。

アニメも現在、第2期まで製作されています。

映画は原作で言うと全181話中、1~37話までの「脱獄編」(アニメでは第1期に相当)なのだそうです。

尚、梅之助は原作もアニメも見ておりません。

 

 

出演は主演が人気若手女優の浜辺美波さん。個人的には若手女優の押しは「浜辺美波か、永野芽郁か」です。

他の主要出演者に渡辺直美さん、板垣李光人さん、そしてポスターの表情がとても印象的な北川景子さん。北川さんの表情には思わず目が引き付けられてしまいます。

 

 

美しい自然の中に建つ孤児院では、孤児たち全てからママと慕われているイザベラ(演:北川景子)のもと、皆が平穏に幸せに暮らしていました。

そんなある日、明るく聡明で運動神経も優れたエマ(演:浜辺美波)と孤児たちのリーダー格で頭脳明晰なノーマン(演:板垣李光人)は、共に仲良く暮らしてきた年少の孤児の里親が見つかり、その彼女が施設から出ていく際に偶然、施設の恐るべき正体を知ってしまいます。

里親が見つかったという年少の孤児は”鬼”の食用として”出荷”されたのでした。

エマらが楽園だと信じていた孤児院は「鬼の為の食用児を育てる農園」で、ママは「食用児を育てる飼育監」だったのです。

そこで真実を知ったエマたちは、孤児全員を引き連れた脱獄計画を立てるのですが・・・

 

 

エマらとママとの間の頭脳戦が良かったですね。

少年マンガが原作なのでストーリーも設定も非常に分かりやすく、総じて素直に面白かったです。ストーリーテンポもよく、視聴者を飽きさせません。

ただ、原作に目を通しているファンの方々からは、やれ設定変更がとか、色々と不評の声も多いようです。これは人気原作と映画化の関係では常について回る問題ですね。

まあ、原作やアニメを知らなければ、大きな不満はないと思いますよ。

以下の一点を除いては。

 

 

北川さんの演技は凄かったですね。それだけでもこの映画を観た価値があったかも。

ただし、主要人物であるレイ役だった役者さんはセリフ回しが棒読みでまるでダメ。まだ若い子なので酷評はしたくありませんが、人様からお金を取っているからには見過ごせないレベルなので、ここはキチンと言います。

中学校の学校祭レベルでした。かつて映画「万引き家族」に出演していたそうですが、そんなことを聞けば尚更「どうなってんの?」。

もっとしっかり演技できる人などたくさんいるのだから、当然この責任は人選をした製作陣にあります。

 

尚、映画のラスト以降も原作はその先長く続いています。

この映画を観ている最中、マルチン・ルターのものとされる、

 

たとえ世界が明日滅びるとしても、私は今日、リンゴの木を植える

 

という言葉を、ずっと思い出していました。

 

 

 

 

続いて、「劇場版 奥様は、取り扱い注意」です。

2021年3月公開で、監督は佐藤東弥氏。

佐藤氏は日本テレビの人で、同局の多くのTVドラマの演出を手掛けており、映画では「カイジ」シリーズなどのメガホンを取っています。

 

 

2017年秋~冬にかけて放送されたTVドラマの続編に相当します。

原案は金城一紀氏。

 

 

主演はTVからの引き続きで、綾瀬はるかさんと西島秀俊さんのコンビ。

他はほぼ映画からの登場で、西島さんの上司役の小日向文世さん、先輩格の鶴見辰吾さん、檀れいさん、六平直政さんなど。

基本設定以外のストーリーは、TV版はあまり関係がありません。

まあ、梅之助もTVドラマは数話しか観ていないのだけれど。

 

 

特殊工作員だった専業主婦の伊佐山菜美(演:綾瀬はるか)が主婦友達周囲のトラブルを解決していく過程において、徐々に夫・伊佐山勇輝(演:西島秀俊)の正体が明らかになっていく(実は公安の人間)のがTVドラマ版の大筋でした(ここのネタバレはいいよね)。

 

映画はTV版最終回からの続きです。

記憶喪失になった菜美は、夫と共に名前を変えて地方の港町で新しくも穏やかな生活を送っていました。

そんな中、この港町において新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘を巡り、開発反対派と推進派の争いが激化する事態に加え、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止めます。

菜美の記憶が戻った際に、公安の協力者になれなければ殺害せよという指示を上層部から受けて勇輝は苦慮しますが、そんな2人の事情をよそ目に新エネルギーに関する陰謀は大きく動き出していきます。

 

 

TVドラマ版と映画版はちょっと雰囲気が違いますね。

金城氏の原案はドラマ・映画共通ですが、脚本はドラマも金城氏に対し、映画は別の人のようです。

前半は特に冗長感が強く、やや退屈。

ドラマ版の登場人物が2人を除いて出て来ないのも少し寂しい感じです。

新エネルギーを巡る推進・反対両派の対立も素材としては平凡で、あまり興味を引き付けるようなものではないですし、むしろ日常生活に潜む悪を菜美が正体を隠しながらも退治していくドラマ版の方が、テンポがあって小気味好い印象です。

後半のアクションシーン展開はさすがでしたが、ラストがちょっと個人的にはモヤモヤ感が残りました。どうせ、非現実的・痛快アクションものなのだから、最後はもっとハッピーエンドの方が良かったかな。そこに多少コメディ要素を入れてもいいとさえ思いました。

 

 

出演者の演技等について、特に誰が良かった、誰が違和感が残ったなどというものはありません。

やっぱり脚本の物足りなさが印象に残っていますね。

綾瀬はるかさんが殆どスタントを使っていない、というのは驚きました。