6月17日に靖国神社参拝並びに遊就館見学をしてきました。
その時の様子は「2018 東京散歩」シリーズで記事にしてきましたが、いずれも見たものや展示物などの客観的な解説内容にとどめ、主観的な感想は多く書かないようにもしてきました。
今回は少し個人的な想いを書かせて頂きます。
以前(今も)、ネット上でよく見かけた、靖国神社前でお辞儀をする女学生の写真。有名ですよね。なんでも、靖国神社に隣接する白百合学園に通う生徒さんらしい。
これもよく見た写真。多分、白百合学園の小学生でしょう。
これはツイッターで相互フォローしている「いざ靖國」さんが、2016年6月27日に投降していた画像を引用させて頂いています。
ここではこれが日常風景になっています。
白百合学園はカトリック系の名門学校。かつての塚本幼稚園のように愛国教育をしているとも思えません。学園の生徒・児童らが、神社に向かってお辞儀をするようになったのは理由があります。
1981年の事。当時、ローマ法王であったヨハネ・パウロ2世が日本を訪問し、その時創立100周年を迎えていた白百合学園にも訪れたそうです。
その際、生徒が「通学路に靖国神社があります。どうすればいいですか?」と尋ねました。
ヨハネ・パウロ2世は「頭を垂れて通りなさい」とお答えになり、以来、その行為が白百合学園の伝統となっているそうです。
そして、そのヨハネ・パウロ2世ですが。
なんと、来日の1年前の1980年5月21日に、日本のA級戦犯・BC級戦犯として処刑された1068柱の為の慰霊ミサを、バチカン・サンピエトロ寺院で執り行われていたのをご存知ですか?
宗派を超え、このミサ実現の為に尽力した東京都品川区の品川(ほんせん)寺の住職・仲田順和氏(真言宗)は、特製の五重塔に1068柱の名前を納め、ローマまで持参しました。法王拝謁の大集会の時、法王はそこで荘厳なる鎮魂のミサを捧げたのです。
もちろん、白百合学園の生徒さんたちは、「英霊だから」などという強い動機で頭を垂れている訳ではなく、また、ヨハネ・パウロ2世も当時の日本の戦争を肯定してミサを行った訳でもないでしょう。
恐らく共にあるのは、戦争の悲劇に対する哀しみと、死者への純粋な祈りなのであって、それこそが戦後の連合国為政者らが後知恵で作り出した「A級戦犯」などという概念すら意識範疇にはない「真の宗教行為」ではなかったか、と思うのです。
上記の二つのエピソードを思うと、「靖国神社にA級戦犯が合祀されている」と意識する事自体が、何と馬鹿げている事でしょうか。
現にA級戦犯は国内法においては既に名誉回復がされており、国内にある神社が彼らを合祀する事に何の不都合もありません。仮に神社側が軍指導者らを特別視しているのであれば話は別なんでしょうけど、実際ここでは東條陸軍大将も特攻機で亡くなった飛行兵も、「全く同じ位置」で祀られているだけなのです。
靖国神社問題は、所詮はあの戦争から時間が経れば経るほど、ローマ法王の行為などの歴史的経緯も知らない無知な連中が、自分たちの政治目的を果たす為に利用しているだけ。そして声を大にして騒いでいる連中に限って、宗教心などは殆どないと梅之助は感じているのですが、言いすぎでしょうかね。
朝日新聞による特亜への焚き付けでおかしな政治問題化し、特に国のトップレベルの政治家が容易に参拝が出来なくなった現状において、せめて一般国民は白百合の生徒さんたちのような気持で靖国神社に接して欲しいと梅之助は思います。
また、梅之助が政治家に望む事は、「靖国参拝して支持層から保守政治家のお墨付きをもらう」というような参拝自体を目的とする利己的なものではなく、誰もが参拝出来るような道を切り開く仕事をして欲しいものです。要は靖国神社の環境整備です。
ただし、その「環境整備」の中には「A級戦犯分祀」なんていう卑怯な選択肢は含まれてはいませんぞぉ。
その事については過去に記事を書いているので、ご参照ください。
→ 靖国神社関係者諸氏も真珠湾に行かれては?(2016/12/29)
今回の遊就館の見学ではあまりにも時間がなかった為、梅之助は靖国神社側の歴史記述のニュアンス(資料館パネル展示の文章)を、直接この目で確認しませんでした。これは重要な次回への宿題となるでしょう。
最後に終戦直後、靖国神社存続のためにGHQへ懇願を行った事もある宣教師ブルーノ・ビッテル神父の言葉を紹介して終わります。
「いかなる国家も、その国家のために死んだ戦士に対して、敬意を払う権利と義務があると言える。それは、戦勝国か、敗戦国かを問わず、平等の真理でなければならない」
「靖国神社が国家神道の中枢で、誤った国家主義の根源であるというなら、排すべきは国家神道という制度であり、靖国神社ではない。我々は、信仰の自由が完全に認められ、神道・仏教・キリスト教・ユダヤ教など、いかなる宗教を信仰するものであろうと、国家のために死んだものは、すべて靖国神社にその霊をまつられるようにすることを、進言するものである」
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