最近見たそれぞれ毛並みの違う二つの映画の感想です。

「22年目の告白~私が殺人犯です~」と「サバイバルファミリー」。

先ずは「22年目の告白」から。

 

 

2017年6月公開で、監督は入江悠氏。まだ若手の監督という部類なので、過去に手掛けた作品数は多くはなく、あまり知らない監督でした。

主演は藤原竜也さんと伊藤英明さん。他の主だった出演者は仲村トオルさん、夏帆さんといったところ。

2012年の「殺人の告白」という韓国映画のリメイクだそうです。

 

 

内容は以下のようなものです。

1995年、東京で5件の連続殺人事件が発生。その特徴は、身内の一人を殺害の目撃者として、その目の前で被害者を絞殺するという残忍なものでした。警察の必死の捜査にもかかわらず、15年後に時効が成立。

そして事件から22年後に、曽根崎雅人と名乗る人物が犯行を告白する手記を出版し、派手なパフォーマンスを伴いながら世間を翻弄していくのですが・・・

 

 

画像を見てもらっても分かるように、曽根崎役は藤原竜也さん。彼は映画「デスノート」や「藁の盾」でもそうでしたが、クセのあるダークな役をやらせると天下一品ですね。今回は冒頭からグズっぷりを発揮してくれました。

伊藤英明さんは22年前の事件捜査を担当した刑事という役どころです。

 

ストーリー的には非常に面白い内容でした。何故、曽根崎が犯行を世間に名乗り出たのかは、全体の3/4を経過したところで判明するのですが、そこに至るまでスピード感があり、かつ無駄な描写もなく、とても話の流れが分かりやすいです(一部、製作者側の映像トラップがあるので注意!)。

梅之助もその時は「なるほど、だからそうなのかぁ」と思わず唸ってしまいました。

ただし、ラスト1/4は梅之助的にはちょっと冗長気味かな。

また、22年前の何の罪もない被害者の殺害映像が後半に動画として流れるシーンについては、悲しいというか、少し後味が悪い印象が残りました。

それらを除けば、ミステリーとしても大変よく出来ていると思います。

 

 

 

続いて、2017年2月公開の「サバイバルファミリー」。

 

 

監督は矢口史靖氏。過去作品では「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」等で知られています。

主演は小日向文世さんで、他に深津絵里さん、葵わかなさんなど。葵さんは梅之助、全然知らなかったのですが、2017年度下半期のNHK朝ドラ「わろてんか」の主演女優さんみたいですね。

 

 

小日向さん演ずる鈴木義之は、東京で妻と大学生の息子、高校生の娘と暮らす、一見どこにでもある四人家族。

そこにある日突然、電気が止まりました。加えて電力ばかりか、車のバッテリーや電池で動く時計など、電気信号で作動するもの全てがマヒする事態に見舞われます。数日は復旧を待つも現象は広範囲に及んでおり、周囲の住民たちは避難移動を開始。

遂に彼ら一家も生き残りをかけて、妻の父親が暮らす鹿児島を目指す事にしたものの・・・

 

 

テーマは「災害危機管理」だと思うんですけど、小日向さんが主演なので内容はコメディです。よってツッコミ所が満載。

例えば事態発生から1週間も経過し、電車も車も動かないままなのに、「飛行機で鹿児島へ向かう」という判断は一体どこから出るんですかね?  自転車で羽田にたどり着いてから、飛行機が動いていない事に毒づくなんて、笑ってしまいます。少なくとも羽田に到着する前に、よ~く空見てりゃ、分かりそうなもんですけど。

他にもそういった「?」がいっぱい。

何やらB級の気配が漂っています。

要するにこの映画は、視聴者がツッコんで楽しみながら、日頃の緊急時対応を冷静に考える作品のようです。

その意味で「今の行動おかしいだろ!」と、こちらは呟きながら十分楽しませて頂きました。

また、バラバラだった家族の想いがサバイバルを通してまとまっていくのも、ベタな展開ではありますけど良かったです。