ついに日の丸半導体企業「エルピーダ」が破綻してしまいました。
エルピーダといっても一般的な馴染みはないでしょうが、要は「NEC日立製作所三菱電機」の半導体部門です。
日の丸が失墜していくのは心情的にも淋しいし、第一この国の未来に不安の影がよぎります。原因は内的外的に色々あるでしょうが、是非再建努力をして頑張ってほしいと思います。

それにしても、この出来事は本当に象徴的だと思います。
エルピーダの倒産自体は自身が抱える構造的な問題もありましょうが、外的には韓国サムスンなどの台頭と歴史的な円高が原因。
特にこの異常な円高。日本の国幹である製造業が痛めつけられ、耐えきれずに生産拠点の海外移転という、国内空洞化を招いているのは日本人の全てが知るところです。
同時にデフレも進行し、どう考えてもこのままではいけない異常事態だというのに、日銀と政府民主党は何ら策を講じて来ませんでした。民主党政権下で為替は驚くほど円高に振れています。

今の日銀・白川方明総裁は、事実上民主党が総裁に担いだ人物。
円高を収拾しデフレを脱却する方法は、多くの識者が指摘しているインフレターゲット政策を行なえば良く、消費税増税はインフレの歯止めとして活用すれば一石二鳥であるはずです。
しかしそれを政府・日銀が行なう事はありませんでした。

「景気の動向を注視している」
「為替の動向を注視している」

何度この言葉を聞いたでしょうか?
そしてその間、どれくらいの人間が職を失い路頭に迷っていったでしょうか?
2/14にようやく日銀は1%のインフレターゲットを設定しましたが、ほんと遅すぎます。

 

梅之助は軍記物が好きで、時おり太平洋戦争に関する書籍を読む事も多いのですが、そこには国家の非常事態にもかかわらず己の保身やメンツ、セクト意識の為に、作戦や判断を誤まっていく戦争指導者・政府上層部の姿を見出す事が出来ます。
何だか彼らと、日銀総裁&政府民主党幹部が重なって見えるというのは、ちょっと言い過ぎですかね。