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『飛び降りたらトランポリン』

2008/6/3/(火)~6/8(日) 隅田川左岸劇場ベニサン・ピット

6/7、6/8の土日でマチネ・ソワレ4回拝見


脚本・演出・なるせゆうせい

出演・白川侑二朗/弓削智久/堀田ゆい夏/佐久間麻由/東勇気/小坂逸/沖本健吾/若狭ひろみ/安心くり太郎/斉藤きこり/石澤智/竹口龍茶/田中圭/寺岡哲/森原千佳/川村紗也/山口裕次郎

美術・袴田長武+鴉屋

照明・中村浩平/加藤学

全席自由・前売/当日4500円



【紹介文(チラシより)】

最後に奇跡しか信じられなくなった女の子と

最後まで自分しか信じられなかった女の子と

閃きを持ち続ける男。


【紹介文(WEBより)】
最後に奇跡しか信じられなくなった女の子と

最後まで自分しか信じられなかった女の子と

閃きを待ち続ける男。


・・・・・・さて、どちらが正しいでしょう?

観劇した後では「待ち続ける男」が正しいと思うのですが。

フライヤーが間違っているのはちょとセツナイですな。



【DVD予約販売あり】


3,980円 + 送料500円

キャストインタビュー、稽古風景、サプライズバースデー等の特典映像付

劇場でお申し込みのお客様には、抽選で20名様に今回のメインキャストのサイン入り色紙をプレゼント!



【ネタバレ感想などなど】


演劇を作り上げるって、難しいんだなぁ…としみじみ思った舞台でした。

アンケート用紙に「この舞台の満足度」を%で書く欄があったんですが、

一回も書けませんでした。難しいよ!


総合得点として数値を出すことが困難なんです。

部分部分はとてもイイ。でも終わってみたときの満足度が低い。


たとえば舞台装置。 すごくイイ。

舞台中央の空間を囲むように両脇から階段が伸びて奥で繋がっている。

その上下をフルに使って、画面分割のようにシーンを演出したり、

役者が駆け回ったり、奥行きを出したり。

衝立や障子の枠を配置して、和のイメージと障壁のイメージを交錯させるようなデザインもイイ。


たとえば照明デザイン。 シンプルに力強くて効果的。

舞台奥から客席に向けてのシルエット作りのライトは

正面席には目潰しになるので個人的には嫌いだけれど、

(角度を上手いこと工夫して目潰しにならずに効果的に使ってる劇団あったなぁ…どこだっけ。)

スポットライトの角度や、稲光フラッシュの使い方がかっこよかった。


たとえば衣装。 時代背景はイメージのみの『昔の日本』。

江戸時代~昭和くらいまでのいろいろがまぜこぜのなんでもありの上、SFも混じってる。

だから特に時代考証関係無しの和イメージのデザイン。中華もチラリと混じってたかな?

全体的に渋めの色合いで、デザインは自由奔放。かなり好き。


たとえば役者。 これはむしろメインより、脇を固める人たちがイイ。

一人何役もこなしてスムーズ。みんなエネルギッシュでよく動く。

舞台上から、ものすごく楽しんでる頑張りが伝わってくる。



こう並べてみると、すごくイイ舞台作品ですよね。

でも終わってみると満足度が高くないのは、主に脚本の問題。


ストーリーを追って観ていると、終わった瞬間に

「ええええっ、それで終わりでいいのォ?!」と心が叫ぶんです。


途中、(結果的に)ラスボスのような『土踏まず』さま(名前です)が

「これ大丈夫か?! ギャラリーついてきてるか?!」と客席に叫ぶシーンがあるのですが、

いえ、むしろアナタにはついていけてます、

置いていかれたのはメインキャストの思考の流れ、と心が答えました。


素人考えで察するに、1つのシーンの中で「ここで主人公にこんなこと言わせたらカッコイイよな」とか、

「この場面でこんなことやりたいな」とかいう観点重視で作り上げているのではないかと。

だから、部分部分はカッコイイのに、全体的な整合性に乏しい。

うん、主人公くん、それ確かにカッコイイけど、キミさっき言ってたことと今やってること違う。


流行り病の患者たちを、主人公・平賀伴内の発明品で全て殺してしまおうとする幕府の陰謀、

などという社会的な大きな話に、生き別れの親子の再会なんて劇的なエピソードが絡んで、

ダムを決壊させようとするラスボスとの対決!! と話が大きくなっていったのに、

ラストはものすごく局地的に、とりあえず主人公とヒロインは無事でよかったね、で幕。


ええええっ、結局主人公は患者たちを全滅させちゃったの?!

生き別れの親子の話はどうなっちゃったの?!

途中で死んだライバルのこと、主人公はなんとも思ってないの?!

決壊したダムの被害はどうなったの?!


そんな疑問に対する答え(結末)が何一つ提示されない。

つまり一つとしてカタルシスがないので、途中を楽しんだ割に腑に落ちないのです。


もったーいなーい。


もうひとつ、私としてはかなり致命的だったのは、セリフ。

ところどころで日本語が変。


一例としては、なかなかシリアスなシーンで 「では、何故ゆえに…!」

ふき出しましたよ。 かぶってる、「故」かぶってる。


この手の間違いは、たとえ脚本がおかしかったとしても、

稽古中に役者が指摘したりしないんですかね。


他にも、全体的に「それ字面がそれっぽいから言わせてるけど、

意味あんまり考えてないでしょ」というカンジのセリフがそこここにあるんです。

それらを聞くたびに「はぁ?」とひっかかって、話に置いてかれる。


また、劇中のキーになる(らしい)詩があって、主人公が諳んじるんですが、

 『もし例えば目の前の暗闇が、ただ一片の夢だとするならば、

 おっさんよ、二度寝をなさい。その一切をまどろみのせいになさい。

 もし例えば目の前の暗闇が、ただ一瞬の現だとするならば、

 おっさんよ、嘘をついて笑いなさい。この先百年のために笑い、

 そして、大声で言いなさい。』


すみません、うろ覚えです。

そしてすみません、意味わかりません。


単に私が頭悪くてわからないだけだとしても、置いていかれたことにかわりはない。

キーになる言葉は、もう少しわかりやすく美しい言葉にしても罰は当たらないんじゃないかと思うのです。



着想はいい、演出はいい、デザインはいい、役者はいい…

このお芝居にただ一つ必要なのは、

脚本を読んで歯に衣着せずに校正してくれるご友人なのではないでしょうか。

「この日本語ヘン!」「これどういう意味?」「で?結局どうなったの?」

・・・・・・うーん、制作前に萎えるかな・・・



キョーフの健康診断のオチ

えらい目にあった健康診断の結果報告書が来ました。

軒並みA判定ですが、血中コレステロールだけD。


「採血にて総コレステロールが高値でした。食生活に留意され、適度な運動を心がけてください。2~3ヶ月後位に再度採血検査を受けられることをお勧めします。」


ごめんなさい。もう採血検査はごめんです。


てか、このところの不摂生で急激に不健康な太り方をした自分を見れば一目瞭然な結果に。

問診で訴えた右半身の痛みとかの原因はわからないんだ…

健診後20日くらい経ってもまだだるい(=肝臓のダメージ)というリスクを冒して結果がこれでは、あまりにもハイリスク・ローリターンではなかろうか。

信託銀行員(バイトですが)としては、このパフォーマンスの悪さは看過できないね!


職業柄、というのは冗談にしても、ハイリスク・ローリターンは事実です。

だってこれ、プロに調べてもらわなくてもわかる結果じゃん。

肝臓の不調やら寄生虫やらもらっただけ損じゃん。


どうしたらこの危険性を医療関係者に重く見てもらえるんだろう…。

炭疽菌の処置をしてくれた先生は、厚生労働省とかに電話したりしてる、って言ってたけど、

素人の頭じゃ考えつかないよ…。うまく説明もできないし。


ただね、このだるさはつらいよ。

右半身の痛みもうっとうしいよ。


中西医学がもっと発展することを祈っています。



ちなみに、健康診断の後、どうもだるいなー、と思った方は、採血時にウイルス/寄生虫などが入ったというサインです。根本的な排出には足りないかもしれませんが、以下のことをお試しください。


 1日1回空腹時に、サツマイモを生のまま、30グラムくらい、よく噛んで食べる。


……うっわーっ!説得力がねぇーっ!

でも効くの。人によるのかもしれないけど。

おばあちゃんの知恵袋デトックスってやつ?

農薬注意ね。




健康診断の恐怖

先日、会社員として義務化されている定期健康診断に行ってきました。


滅菌されていない真空採血管による細菌・寄生虫感染や、構造上薬剤と人体が間接的にでも接触するという危険性についての噂を耳にしていたので、申込時に

「真空採血管を使わないで採血していただけますか?」

と聞いてみると、快く承知していただけたので(*ちょっと後述)安心しておりました。


真空採血管の代わりに使われたのはシリンジ。

ぐーっといっぱい採って、看護師さんの手元で各薬剤入り試験管に分けてもらいました。


で、まあ何の変哲も無い健康診断。

検便、検尿、血圧、採血、胸部X線、身長・体重測定、視力・聴力測定、心電図、問診。

終わって会社に戻って、健診のため食べられなかった昼食をデスクランチしながら普通に仕事。5:50頃退社。


帰りの電車の中で、いきなりどどーっと全身がだる~くなってきて、立っているのがつらく…。

そんなに仕事がハードだったわけでもないのにこの眠気はなんだろう、とぼーっと思いながらも「なにか変」と気付くだけの判断力は残っていました。

いつもお世話になっているお医者さんトコに駆け込んで、「せんせい、なんだかきゅうぅぅにだる~くなって~」(ホントにこんな感じだったと思います)診察台に手をついたあたりでもう身体が地面に沈みこむような気分。

動きたくなーい。

 いや違う。

うーごーきーぃぃたあくな~~ぁいいぃぃぃ~……


検査結果。

採血部位から、数種の寄生虫と細菌が検出されました。

その中で一番多く入っていたのが、炭疽菌。


えええええ~っ!? それって、2001年アメリカで郵便物による生物テロで使われたあの菌?!

健康診断を受けに行ったはずなんですが、もしかしてテロを受けに行ったのかい?!

これがホントの自爆テロ?!(違)


炭疽菌はバイオハザードレベル3。ヒト>ヒト感染の可能性は低いそうで、本当に自分だけが自爆でした。

血管から入ったので肝臓に運ばれ、肝臓がまずダメージを受けたのでだるさが出たんですね。

幸いすぐに処置してもらったので生きてます。

ですが、翌日は昼頃にまただる~くなり、

翌々日は夕方にはガス欠。少しずつ回復しているようですがやはりダメージは受けてますね…。


しかし、何かと悪い噂の真空採血管を避けて結果がこれって。

「採血」自体が危険ってことですか???


処置してくれた先生に、

「でもまあ、真空採血管でガンの元入れられるよりはましでしたよ」

と、ナサケナイなぐさめられ方をして帰ってきました。

(滅菌されていないタイプの真空採血管は、院内感染で知名度の上がったブドウ球菌や、ガン細胞形成との関係を噂されている寄生虫群の感染の可能性が高いのです。)


確かに、炭疽菌であったおかげですぐに症状が出て、すぐに処置ができたのでことなき(たぶん)を得たとは言えます。

ひどい目にあったなー、とは思いますが、炭疽菌もブドウ球菌も常在菌だということで、各種病気を扱っている病院にウロウロしているのはしかたないことなのかもしれません。

今回で一番気になったのは、こういう危険性を孕む「健康診断」が国民に義務化されていること。

今後、メタボ対策で老人・子供にも健康診断が奨励される計画だということ。

老人や子供が健診の度にこんなもんもらってたら……イチコロやんか!

炭疽菌は、無垢な子供に入ると重度な脳障害を引き起こす可能性もあるそうで心配です。


そしてもう一つ気になったこと。

真空採血管不使用をお願いした時の電話口の係員のおねえちゃん。

「真空採血管」という言葉を知らなかったよ!

バイトなんだろうけどさあ…病院の窓口を預っていてそれはどうよ…

Fly me to Frankfurt!

誰だ、更新しないとか言ってたのは。


「サクゴエ」blogにて、次はフランクフルトの映画祭で上映決定とのお知らせ!

日本映画祭 Nippon Connection

世界でも最大規模の日本映画祭だというお話。

しかも招待上映。


どういう位置付けなんだろう。。。どきどき。


「何本かの映画はその後ワールドツアー上映に」というのは、

エントリーしてノミネートされて観客投票で選ばれたフィルムだけなのか、

招待上映作品も含まれるのか…


世界のサクを越えていって欲しいものです。

もうほとんど障害物競走のハードルの如く次々と。


「サクゴエ」を初めて観たときに、

ヨーロッパ映画の良品(特に北欧とか東欧とか)のような雰囲気を感じたことを思い出します。


ヨーロッパの人たちにも愛されるといいな。いや愛されるに違いない。

(思わず英文和訳的日本語に!)

"Sakugoe" Beyond the Fence

「サクゴエ」公式ブログ


「サクゴエ」がカリフォルニアで開かれた映画祭で最優秀外国語映画賞を受賞というニュースが。


Gone With The Film Festival


日本でいうと地方映画祭みたいな規模なんでしょうか。
でも、to honor beautifully made films that celebrate the positive aspects of lifeな映画祭ですよ先生!
直訳すると「人生の肯定的な側面を称えた内容の、美しい映像作品に栄誉を与える」映画祭?
上手い日本語が出てこないわ。でもそんなとこだわ。

映像も音楽もbeautifulだったことは確かで、それが評価されたのも嬉しいですが、
あの映画のポジティブな精神がわかってもらえてとっても嬉しい。


フジヤマも美しかったしねぇ。


ところどころSakogueなんて書かれてますが、この際許しちゃうか。

(一瞬訂正願いをメールしようかと思ったけど…。)

向こうの人のスペルとしてはこっちの方が自然なんでしょうねぇ。ところでサコグー?サコーグ?セイコーギュ?


このブログは基本更新しないんですが、今回だけは別。

「サクゴエ」に関わったすべての方々!おめでとうございます!

映画『サクゴエ』初日

ブログテーマが「役者・弓削智久氏」にカテゴライズされていますが、「役者&脚本家・弓削智久氏」の間違いかもしれません。


初脚本作品『サクゴエ』の初日を見てきました。
どうしましょう。99.9999%好みです。

私は、舞台でも映画でも、全ての登場人物にちゃんと人格があり人生があり、取りこぼされないお話が好きです。

『サクゴエ』は正にこれ。全ての人がそこにいて彼らの人生=彼らのドラマを生きている。描かれ方はさりげなくて、決してメインストーリーの邪魔をしないが、確実に読み解くことができるだけの材料がそこにある。
その象徴とも言えるものが、エンドロールにあるのです。あれはちょっと最後のとどめの一撃でした・・・やられた。感動。


この映画は、ネタバレせずに、とにかく多くの人に見てもらいたい。もちろん派手な映画じゃないし好みもあるから万人にオススメできるわけじゃないけど。じゃあどんな人にオススメなんだ、と言われると困るけど。


・男の侠気や友情のストーリーを見たい人
・まっすぐな心や押し付けがましくない優しさを感じたい人
・綺麗な画面や物の形と光による面白い構図の絵を見たい人
・エモーショナルで美しいメロディーを聞きたい人
・人間が好きな人
・人間が万物の霊長などではないことを知っている人
・日常生活に覗くユーモアが好きな人
・若いアーティストの可能性が好きな人
・金をかければいい映画ができるってわけじゃないぞと小気味よさを感じたい人
・静かに人々を見守りたい人
・前に進みたいけど柵が立ちはだかってへこんでいる人
・後悔することがある人


あとはー…なんだろう。
・サンマが好きな人


是非見てください。

池袋・シネマロサでレイトショー上映中。 http://www.cinemarosa.net/

11/10からは渋谷・UPLINK FACTORYにて上映。 http://www.uplink.co.jp/factory/

『新宿スワン』最終回

他にもいろいろ書きたい感想が溜まっているのですが。


『新宿スワン』最終回、一言叫ばずにはいられません。


古屋秀吉くん、ワンシーンワンカット、いちいちいちいち、なんという絶妙な表情をするんですか!!!

強いヒデヨシ、弱いヒデヨシ、敗北、卑屈、野望、踏まれた野草の強さとしなやかさ、哀しみ、恐怖…
全てが画面の中から放射されてきました。


それに、学生時代のイジメられっ子の頃から現在までのヒデヨシの『時間』。これがしっかりと重みを持って伝わってきたのがすごい。
その時間の中で『変わった』男の、変わらない心の根っこ。「まったく別人のように変わった」ではなく、「変わっていない部分を持ちながら、しかし変わってしまっていて見違えた」一人の人間の『時間』を表現している。ここが重みを伝えてくるからヒデヨシの悪行の背後にある重みが増し(もちろん増したからといって許されるものではないですが)、またタツヒコが今まで古屋だと気付かなかった理由も与えてくれる。(もちろん全然思い出してくれなかったタツヒコもヒドイ…。ヒデヨシちょっと寂しかったんじゃないか?いや忘れててくれて助かったか?)

ラスト、道に立つヒデヨシの目は負けていなかった。何かを考えていた。きっとこれからを見据えていた。でも伏せた長いまつげの下に、タツヒコの信じる心が入り込んでいた。…そう思わせられました。
その直後の、静かな恐怖の表情。静かで静かで、とても凄みがあるシーンになっていました。

最終回前半のこの短い時間に凝縮されたヒデヨシの『時間』。『人生』と言い換えてもいい。

この重みを見せ付けられて、後半の『ヒデヨシのいない歌舞伎町』の空気が明らかに違いました。ぽっかりと抜け落ちていました。その空気の中で再び息を吹き返していくタツヒコには、ヒデヨシの言葉が入り込んで…。

あの街は確かにヒデヨシがいた歌舞伎町でした。

水木英昭プロデュース『眠れぬ夜のストレイドッグエレジー~蘇州夜曲~』

2007/09/03(月)~09/10(月) 新国立劇場・小劇場
09/03 19:00~ 含め3回ほど、Bチームばかりを拝見


原作・松田環
脚本・水木英昭
演出・水木英昭/佐藤浩之

出演・水木英昭/佐藤浩之/土居裕子/宮本大誠/津田英佑/白土直子(SET)/山本崇史(PaniCrew)/原育美/松田沙希/阿部未来/紗久真弓
WキャストA 寺尾由布樹/ヒトシ
WキャストB 相澤一成/大橋光
剱技衆かむゐ - 島口哲朗/河口博昭/福田高士/田中あきはる

全席指定・前売5000円 (当日5300円)



【紹介文(パンフレットより)】

大都会東京のとある繁華街…

ヤクザ組織「嶋岡組」の若きヤクザ氷村玲司(宮本大誠)は激化する抗争の中、鉄砲玉として動き、街から姿を消した…。
五年の月日が流れ、戻ってきた氷村を迎えたのは、かつての「嶋岡組」若頭・郷田(水木英昭)率いる「郷田組」だった…。
そして、玲司は兄弟分の坂崎(津田英祐)らと共に「惺狼会」をたちあげることになる――。

新たな抗争の予感の中、様々な人間模様が交錯しあう…
ひょんな事から玲司と出会う、上京してきた女、頼子(白土直子)。
玲司たちが集まるバーの謎のマスター健人(山本崇史)。
そして、かつての玲司の恋人であり、今は郷田の女となった亜矢子(土居裕子)…。
裏街道で、運命の流れに翻弄されていく男と女…。
果たして、玲司たち「惺狼会」の運命は――


【ネタバレ感想などなど】

ちっとも「小」じゃない小劇場です新国立劇場。おひさしぶり~
昔、豪華キャストのイマイチ芝居を見に来て以来。今見てみたら7年前であれも5000円くらいだった。
今回はベリーグー面白かったっス!

上の紹介文だけ見たら、絶対観に来ないタイプのストーリーなんだけど、小ネタと演出と、なによりこれぞエンターテインメント!と言えるだけの「プロの技」。
剱技衆かむゐの皆さんの殺陣。山本氏、津田氏のダンス。土居さんと白土さんの歌声だけで、もう何があっても許せちゃうくらいの美しさは迫力すら感じるほど。他のメンバーも動ける歌える。できない人を数えた方が早いけど、まあ特定は避けよう(笑)。


こう書くと、ミュージカルみたいだな。紹介文だと愛憎付き任侠モノ。あ、チラシにあったぞわかりやすい表現が。


 「エンターテイメント性豊かな、ハードボイルド“仁義”コメディー」


…なるほど。

エンターテイメント性豊かな、は上記のプロの技でうっとり~で大満足。
ハードボイルドなストーリー。
仁義をね、きるのよ。それがまたリズムに乗せてまともな仁義からラップにアレンジされてるヤツまで多彩に。
でも日本古来の五七調のリズムって、ラップよね。和ラップ。間違ってないよ、うん。
コメディーは、小ネタがいちいち楽しいし、水木氏、佐藤氏のセンスが随所に光る。笑いもリズム感だよね。間の取り方ひとつで同じネタがシラケもするし大爆笑にもなる。今回の舞台は後者満載。


で、その歌って踊ってギャグやって笑わせてる同じ人が、一瞬にして怖いヤクザの貌になって救われない方向へ話が転がっていってしまう。シリアスな命がけアクション。恐怖で支配される下っ端のつらい裏切り。復讐。別れ。
およそ人生に必要なことは全部詰まってるというお話でした。笑い、涙、歌、踊り、戦い、愛、恋、友情、酒、金、義理、人情、恐怖、尊重、意気。

ラストに音楽もってこられると弱いじゃないですか。もう「ここで泣け!」のスイッチ押されるみたいで。まああまりにもソレっぽすぎて鼻白んじゃう劇も多いですが、このラストは土居さん&白土さんのハーモニーぴったりのデュエット!美しい!この歌聴くためだけでも通いたい!2人の歌に、途中から男性陣が舞台に出てくるんですが、一緒に歌うのではなく男らしい掛け声の合いの手。カッコイイ!特に佐藤氏の動きは腰が決まってて力強くて素晴らしい。


PaniCrewの山本氏。バーの「謎の」マスター・健人役。このキャラがまたなんとも力の抜けるい~いセリフを入れる面白いキャラ!…と思わせて「謎の」がつくだけの正体があるんですが。
身体が自由自在にもうどうにでもなるんじゃないかってくらい動く見事なブレイクダンスを披露してくれた上に、そのダンスを取り入れた殺陣がまたエンターテイメント。しかしいいキャラだったなー健人。


そもそものお目当てだった相澤氏ですが、登場時に後ろの席にいたお嬢さんが思わず「相澤さん?!」と驚きの声を上げてしまった「カッコ悪い下っ端」役。真っ赤な上下(スエット?なのかあれは?)にキッパリとした角刈り頭。いかにも~なヤクザの下っ端です。しかも40代(笑)。半端もん人生が自己破産やらなんやらでいい年をしてヤクザのパシリ。「一生運転手やってろ!」と怒鳴られてすっとんでいきます。
ダメダメでどうしようもない人間だけど、こんな人いっぱいいるんだろうな~、というかどちらかというと私はこのタイプ…と思わせる等身大の人間を力一杯演じてくれました。
歌とダンスは…えっ、相澤氏が歌とダンス?!というワケで、得意とは言えませんねぇ。ですがここでまた思うのが、演劇って適材適所!ってことでありまして(まあ人生全て適材適所なワケですが)、このちょいと無骨な動き(劇中で組長に「おい!そこの角刈り!おまえだけ昭和の香りがするんだよ!」と評されたダンス)と全力投球な風情がこの近田という不器用な男の役にピッタリなんですよ。…いやむしろ、わざと無骨なダンスにしてる?と曲解しそうなくらいピッタリ。え、もしかしてホントに…いやいやいやいや。


いかん、感想が長すぎる。しかもこういうのって、観たらすぐ書いた方がいいんだろうなあやっぱり。
……ま、いっか。


なんにせよ、ラストの土居さんと白土さんのデュエットは反則だよ~。あれでもう、多少ストーリー展開に強引さが感じられても何もかも許せちゃうもん。

あ、もうひとつだけ! 舞台装置がステキでした。ベースのフロアと2~3段高くなっている部分が瞬時に組の事務所になったり健人のバーになったりカラオケボックスになったり。その両脇から階段が伸びて中央バックで繋がってるのがまた立体的に時間と距離と人の上下関係までを表現し、ラストではレビューの舞台並に華やかに使われる。
そして4ヵ所に水槽があって、本物の魚が泳いでいるの。それがまた組事務所っぽく見せたり、バーっぽく見せたり。なにより魚がゆったり泳いでるのが可愛い!!! ヘタをするとその愛らしさに目を奪われて芝居から離れていたり。ダメじゃん。
ちなみに楽日前日のカーテンコールで「魚たちが一匹も脱落なしでいてくれてます!」と報告がありました。少し覚悟していたらしい。よかったよかった。なによりでございます。


【劇場販売物あり】


パンフレット 1000円。ポスター。以前の公演のDVDなど。
今回のDVDはWキャストの両方を収めた2枚組!予約受付。
今回また観劇仲間のTちゃんも1回ご一緒してくれたんですが、彼は実は映像製作側のお仕事。気に入った舞台を観ていて「これ録るとしたらこう録りたいなー」という視点で見ちゃうこともあるそうで、今回は「こことこことで…5カメ入れたいけど、う~ん、やっぱ予算的に3カメなのかな…」などと考えていたところ、カーテンコールのDVD宣伝で「今回なんと、5台のカメラで…」という話を聞いてひとごとながら内心ガッツポーズだったそうです。
5台のカメラを駆使してWキャスト2枚組で5000円。リーズナブルではないかと。


正直、金払って舞台観に行って、何が嬉しいかってプロの技で唸らせてもらえることが一番よねー、と思った舞台でした。

TV朝日深夜ドラマ『新宿スワン』

公式サイト

http://www.tv-asahi.co.jp/swan/


おっぱいパブというものの存在を初めて知った2007年・夏。


今回は原作マンガを先に読まずにドラマから入ろうと思っても、ついつい耳に入ってきたり、ついついマンガファンの方の感想とか読んでしまったりするものですね。弓削智久氏が南ヒデヨシ役でご出演です。


ついつい情報によると、「ヒデヨシは背が小さい」とか。

それはまた…キャスティングのご英断。原作マンガのヒデヨシファンのお気持ちはどないなもんなんでしょうか。背丈はキャラ立ちには影響しないキャラなんでしょうか。

そして、たぶん、おそらく、全6回のTVドラマは『ヒデヨシ編』……???


というのは希望的観測ですが、楽しみです。


そして肝心のドラマですが、結構面白い!

こないだ、目も当てられない深夜ドラマを見たばかりだからなおのこと面白いのかもしれないけど、音楽もいいし、画面もテンポもいい。役者もいい。


第一話ゲストの女の子ミユキ役のみひろ嬢。どうやらAV女優らしいんですが、可愛いし演技上手いしもちろん脱ぎっぷりもいいし身体もいいし、と二重丸三重丸花丸の魅力。どうしようもないダメダメ女を魅力的に演じてくれました。キャスティングってやっぱりプロデューサーの仕事なのかな、いい仕事してますねぇ。


ミユキちゃんをいじめる借金とりたてのおあにいさんに、重松隆志氏を発見!

明るくて頭の回転が速くてしゃべりが上手い役者さんですが、シリアスもぐっと泣かせる実力派。ヤーさん役も貫禄がつきましたね。キャスティングってやっぱり…以下同文。


そして期待のヒデヨシ、弓削智久氏。

まずしっかり悪役でつかみオッケー! 悪そうだー。イヤなヤツだー。主人公をいじめる役ね、イライザだわ。(イメージと思いつきで発言しております。)

キャラの第一印象はこんな感じ。主人公のタツヒコが『おバカな』猪突猛進くんなので、このバカ見てらんねーうぜーむかつく、とばかりに斜めからの現実をつきつけてやる係。いいキャラだ!


ヒデヨシ単品のキャラとしてもいーかんじに悪いんですが、加えて弓削氏、私のツボ直撃の演技をしてくれちゃいました。

殴られっぷりもよかったですが、その後。

うすら笑いのマコちゃん(こう書くと凄みもへったくれも)が豹変するシーン。鋭い声にびくりとするヒデヨシ。


これっすよ!!!


実は、軽めのジャブな『豹変』で、真虎自体の迫力はもうひとつって感じだったんです。それを、『あんなに悪そうなヒデヨシ』がビビッてみせてくれたおかげで、真虎の怖さが際立った。あんまり大きくビビるとヒデヨシの怖さが減ってしまうし、なによりその場の主役である真虎とタツヒコの画面を邪魔する。小さすぎれば真虎の大きさが出ない。その絶妙な『びくり』。これだけで、真虎という人物のドラマが際立った。こういう演技をして『世界』を作って深めてくれる役者が大好きなんですよ。


第2話の「あちっ」もよかったなー。これはヒデヨシの『世界』を立体的にしたと思うのです。

これからどんな話になっていくのか、人物の関係性がどうなっていくのかはわかりませんが、脇役単品として味があるだけでなく、登場人物それぞれの立ち位置や深さを測り描き出す、ドラマ世界の揺るぎなさを作っていってくれたら嬉しいです。

【予定】おぼえがき

『ひーはー』の感想を書いていませんでしたが。


  笑った笑った。 おわり。


観客が3回拍手で呼び出した後、山内さんが「うるさいっ!」とツッコミつつ販売中のDVD『SPOOKY HOUSE』を説明して曰く「今回とほぼ同じ話」と言ってたのがとても正解。
大王が「この話を帰って誰かに説明しようとしても、あなた方には不可能です」と言ってたのもとても正解。

買って帰った『SPOOKY HOUSE』の特典映像を見て、この人たちは本当に大洋さんのことキライなのかなぁ…と疑ったり落ち込んだり憤慨したり。おさえるべきところにおいてはもうちょっと大人な人たちだと思ってたんだが、子供の甘え全開だなあ。もうちょっとバルブ閉めてくれたらありがたかった。特に大王と釣り道具屋さん。


…て、これ劇の感想じゃないし。


そのようなプチ意気消沈から復活して前売購入予約済なものたち


腹筋善之介超本気一人芝居 『Big Bell』
 2007/10/12(金)~10/14(日) 下北沢・駅前劇場
 『ひーはー』終演後ロビーで腹筋さん自ら手売り。お客でごったがえすロビー対角線上の売り場スペースまで人混みを縫って腹筋さんが進む……速っ!! いいもん見せていただきました。
 本気でパワーマイム舞台らしいです。観る方も体力勝負、気力勝負です。

水木英昭プロデュース『眠れぬ夜のストレイドッグエレジー~蘇州夜曲~』
 2007/09/03(月)~09/10(月) 新国立劇場小劇場
 おめあて 役者・相澤一成氏


劇団AUN第14回公演『じゃじゃ馬ならし』
 2007/09/05(水)~09/09(日) 高円寺・明石スタジオ
 おめあて 役者・松本光生氏
 あ、しまった、予約してない。当日券ありますように…


第11回水戸短編映像祭
 2007/09/15(土)~09/17(月) 水戸芸術館ACM劇場
 おめあて コンペティション部門ノミネート作品『恋わつらい』
  脚本家/役者・相澤一成氏


映画『サクゴエ』
 2007/10月吉日~11月 池袋・シネマロサ、渋谷・UPLINK FACTORY
 おめあて 脚本家/役者・弓削智久氏

この秋は好きな役者が二人脚本家デビュー。プロデュースも出演も。
そういうご縁ということか、そういうタイプの役者を好きになるということか。

とにかくものすごーく楽しみ!!!