昨今、TVCMでテレビ家電業界の「3D」の氾濫はひどいものがある。
「3D元年・・・!」とか「飛び出す立体映像は3D・・・!」とか。
映画業界も同じ代表作の「アバター」を皮切りに、2匹目3匹目のどじょう~を狙って、
ぞくぞくと3Dメガネによる飛び出す映像が繰り出してくる。
今は「アリス・イン・ワンダーランド」がヒット上映中とか。
しかしである。
ここまで、「飛び出す立体」と「3D」というキーワードが連結してくると、融合するというのか?
もう同じ言葉 = 意味として一般市民に受入れられているようである。
もともと、「3D」などと云うワードは普通の一般市民には訳の分からない言葉である。
何の略語、短縮語なのかになると、もっと分からない人は多いと思う。
3D = 3 Dimension(デメンション) = 三次元という英語の略
三次元とは縦、横、高さの三つの次元を持つ空間(スペース)、すなわち立体空間を意味する。
参考まで、話しを蛇足すると
2Dが二次元、すなわち、縦、横の二つの次元を持つ平面空間を意味する。
4Dとなると縦、横、高さ、の他にさらに「時間」という概念が加わった合計四つの次元をもつ四次元空間である。
ということで、科学に強いか、SF(サイエンス・フェクション)好きのオタクでもない限り、あまり一般の人には知られていないワードであった。
そのはずであったが、昨今の「3D」の氾濫は目に余るものがある。
本当の意味が分からず使われているのが実態で、まあ~、世の中というものは、特殊なものが一般化して普及するとそんなものかもしれない。
正確な定義とか、意味よりも、都合の良い解釈が意味づけられて、それがあたかも、本来の意味するように化けてしまうのである。
3Dといえば、連想するものが
3DCGである。
これも、一般の人には、なかなか馴染がない。
3DCG = 3 Dimension Computer Graphics = 三次元コンピュータ・グラフィクスの略である。
コンピュータの中で仮想(バーチャル)な世界を作り上げる現実のシミュレーション作成のソフトウェアーである。
ちょっと前までは「3Dフル映像」ということで「シュレック」や「トイストーリー」などが有名であった。
が、
今では、映画の特殊効果では「3D」はあたり前で、特段、それを強調しなくても逆に3Dを観ない映画は少ないぐらいである。
ところが、では、何で今頃「3D元年・・・!」とか「飛び出す立体画像は3D・・・!」とか。
囃し立てられているのか???・・・
実をいうと、そこに誤解というか落とし穴がある。
3Dの言葉の乱用が響いている。
3DCGと混乱して理解されているらしい。
「飛び出す」技術は結構、昔からあります。
左目と右目の視差を利用して、物体との距離を図るという脳の働きで、脳内で立体像をイメージ化するという原理を応用したもの。
そのような仕組みは、人間の生存本能による進化の賜であり、それを錯覚として立体像を見せているのが、今の話題の「飛び出す3D」映像なのである。
よって、CG(コンピュータ・グラフィクス)である必要はない。
実写のビデオ映像に視差を起こすように右目用と左目用の少し視線角のズレた各々画像を作り出せば錯覚の立体画像を見せる事ができる。
要は、脳を騙して錯覚させるのである。
よって、
全て実写映像だけでできるのであるから、CGのように仮想(バーチャル)である必要はない。
すなわち、「飛び出す3D」と3DCGとはまったく別物なのである。
そして、悲しいことに、
この飛び出す技術の歴史も、皆さんは、新しい最新テクノロジーと思っているようであるが、
実をいうと、もう20年以上も昔から研究され実用化されてきたがなかなか、世間様から認められるような陽の目見なかった陳腐化したものなのである。
ひそかに隠れた技術、死態の状態が続いてきたのである。悲壮感あふれるくらいに・・・・~。
しかし、
最近、突然、にわかにTV業界、映画業界から不況の打開策として打出された苦肉の策が、たまたまヒットしただけのこと。
ちょうど、潜伏期間30年で晩年に、やってTV出演がかなって、いきなり脚光を浴び始めた芸人のように苦難のイバラの道を歩んだ技術なのです。
その意味では「ほんと、よかったね」とねぎらってやりたいテクノロジーなのである。
そして、笑い話であるが、
先日、某お客様からお問合せを頂き、こんなやり取りをしました。
お問合せ:「グランブルー3Dさんですね。HPを観てお電話しています」
お問合せ:「飛び出す3D映像を創って欲しいのですが?」
弊社:「弊社では残念ながら、実写による飛び出す映像は制作しておりません」
お問合せ:「エ!でも、貴社HPで3Dと書いてありますけど・・・?」
弊社:「エエ書いていますが飛び出す3Dは扱っておりませんので」
お問合せ:「どうも、意味が分からないのですが・・・?」
弊社:「弊社は3DCGを専門に扱っています」
お問合せ:「エ・・・~!???、それって2Dの平面の映像ですか?・・・??」
弊社:「いいえ、コンピュータグラフィクス3D映像のことです」
お問合せ:「3Dの意味が・・・・???」暫く無言・・・、突然に、カッシャン・・・と電話切断!
こんな感じです。
まあ、これも時代の流れですかね。
お笑いを一席! お粗末でした。
