もし、あなたが突然、異星の原住民になって風光も不思議な世界で冒険活劇の主人公として活躍していたら、どうでしょう。
「ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』3D版」映画のことです。
そんなことが『アバター』3D映画を観ていると錯覚が起こるのである。
それを「感情移入」という。
3Dメガネを通してみるCG(コンピュータ・グラフィクス)の素晴らしい世界は、現実と仮想の狭間を行き来させる技術である。
この不安だらけの厳しい現実から、誰もがうっとうしく思う時、そんな軽い現実逃避も許されると思う。
もっとも、そのような『夢』を観させてくれるのが暗がりの劇場で見る映画であり、まさに『アバター』の世界に没入させてくれるのである。
最近の映画もテレビCMもCGをフル活用しているので、どこまでが実写で、どこまでがCGで創作したものなのか境目が分からない。
実写と思ったものがCGで、CGと思ったものが実写という逆転認識もよく起こりうる。
数年前の北京オリンピック開幕の中国の制作したTV放送での『北京市街を上空から進みながら次々に打ち上げられる花火』のシーンなどは、まさに、全世界の人が騙された(?)といって良い。
人肌感覚というのが、実感しない時代というか?
仮想現実が、そのまま現実になってしまって、それをそれほど違和感無く受け止められる時代になってきている。
ますます境界があやふやになってくる。
今年は、マスコミ・メディアで『3D元年』というキーワードを目にする。
3D元年とは、いったいなんぞや!
純粋に解釈すれば、今回の映画、TV、はたまたDVDまでが『飛び出す映像』を一気に普及させた年? ということだろう。
3Dメガネの技術は、潜伏期間の長い下住み生活の芸人が、ある時、何らかのきっかけで突然TV出演して引っ張りだこの売れっ子になったようなものである。
この技術に係ってきた業界は、ようやく陽の目みた思いであろう。
しかし、本当にこれは世間一般の人がWebのようにごくあたり前に認知してくれているものなのか?
今はWeb(インターネット)といえば、日常生活とビジネスにまで深く入り込んで、空気のようにあたり前になっているが、
10年以上前では、インターネットなど「どこの馬の骨」か分からないくらいものであった。
まあ、Webがここまで普及したのは奇跡的としか云いようがない。
飛び出す3Dも、そんな2匹目のドジョウなのだろうか?
少なくとも、大手家電メーカーの大型・薄型液晶TVの(テレビ)CMで、やたらTVを3Dメガネを通して『飛び出す映像』が見れるという圧倒的な宣伝効果によるものではないか?
某新聞の記事で、昨今のTVメーカーは薄型液晶TVの価格が暴落して、儲けが少なく、付加価値を付ける必要があるということで『アバター』3D映画を担ぎあげて、ガンガン宣伝したとのこと。
はたして、この販促効果が顕著に実るのかどうか? は疑問とする声すらある。
なぜなら、3D『飛び出す映像』を観るために一般庶民が、わざわざ高額なTVを買え替えるだろうか? ということである。
ちょうど、アナログから地デジに変わるグット! タイミングでもあるから、多少は、売れるかもしれないが、メーカーが期待したほどの爆発力があるかは不透明である。
まあ、そのような業界の仕掛けた儲け話は、どうであれ!
CGを制作する片棒をかづく弊社としては、嬉しいことである。
ただ『飛び出し』はしないが、3DCGという技術でアニメーションやCG画像をビジネス・プロモーションとして提供しているプロダクションとしては歓迎すべき風潮である。
『アバター』という分身、もしくは化身が主人公として活躍するというシナリオは、奇怪奇天烈な発想であるが、ゲーム世代の若者にとっては、それほど不思議な発想でもないだろう。
しかし、数年前に『マトリックス』というキアヌ・リーブス主演の一世風靡した映画が、世の中に驚きを与えように、『アバター』は久々に新鮮な驚きを与えてくれた映画であった。
まあ、ストーリーは白人(悪い)とインディアン(善い)のスペースオペラ(宇宙SF劇画)風で、バタバタとありきたりで進むが、発想(アバター)と映像(衛星パンドラ)の奇麗さは印象に残るものであった。
『アバター』の映画を観るならば、ぜひとも2D版ではなく、+300円の追加料金(3Dメガネの貸出し料)を払っても3D版を観ることをお勧めします。
きっと、感動すること請け合いますよ。
【追記】
補足すると3D映画『アバター』は『飛び出す映像』ではなく『奥行き間のある映像』である。
3D版・映像の見せ方としては『飛び出す映像』は眼球疲労が激しく、こけおどし的で良くないが、
『奥行き間のある映像』は現実的な立体感を醸し出すという意味では不快感は少ない。
こちらの見せ方が普及するだろう。
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