「赤ひげ」の精神が受け継がれた「雪の花」 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

「赤ひげ」の精神が受け継がれた「雪の花」

2月に入って最初の日曜日。

土曜出勤の疲れがまだ残ったまま、イオンモール四條畷内のイオンシネマ四條畷まで赴く。

ここでダブルヘッダー。

何かダブルヘッダー多くね?

最初に観たのは小泉尭史監督の最新作「雪の花」。

 

カンヌ国際映画祭最高賞受賞作「影武者」から、黒澤明監督に助監督として長年師事してきた、

”黒澤明最後の愛弟子”小泉尭史監督。

黒澤明監督の遺稿を映画化した監督デビュー作の「雨あがる」(2000)以降、

一貫して人間の美しい生き方を描いており、

「峠 最後のサムライ」以来3年ぶりの監督作は、主演が松坂桃李、

芳根京子、吉岡秀隆、役所広司ら充実した共演陣を迎えて紡ぎ出し、

天然痘に立ち向かう町医者の戦いを描き、コロナ禍の日本に通じるメッセージがこもってたわ。

 

天然痘が猛威を振い、多くの病死者を生みだした江戸時代末期の日本。

福井の町医者、笠原良策(松坂桃李)は何もできない自分に苛立っていた。

福井に来ていた石川の町医者、大武了玄(吉岡秀隆)の勧めで、

京都の蘭方医・日野鼎哉(役所広司)のもとを訪れ、ここに天然痘感染予防のヒントがあると。

 

本作を見てね、コロナ禍でワクチン接種を巡る衝突が起こった日本を思い起こさせてしまい、

一人でも多くの人を救いたい一念で奔走する町医者の戦いに、感動したわ。

この映画は、小泉尭史監督の師である黒澤明監督の代表作の一つ、「赤ひげ」(1965)の精神が受け継がれ、

京都での師匠を演じた役所広司が、新出去定を演じた三船敏郎を思い起こさせたわ。

 

この映画は、木下グループが手掛けている。

木下グループは、注文住宅建築の木下工務店が始祖で、「ただ家を建てて終りか?」という疑問を抱え、

家を建てた家族の幸せを願うため、映画、介護、スポーツの分野に進出し、家族の幸せ創生に貢献。

コロナ禍では、抗菌・抗ウイルス対策のコーティング工事「キノシールド」が役に立った。

この「雪の花」に出資したことは、木下グループの理にかなっていると思う。

愛する家族をも奪う天然痘の感染を予防しようと、町医者が奔走しているからね。