
「TSUTAYA」と蔦屋重三郎の関係はない。
2025年度のNHK大河ドラマは、横浜流星を主演に起用した「べらぼう」。
森下佳子のオリジナル脚本による、NHKの放送事業100周年を記念した本作は、
日本ポップカルチャーの父として、貸本業から身を起こし、
面白いを追求し出版事業で名を上げた蔦屋重三郎を取り上げた。
冒頭は、江戸幕府十代将軍、徳川家治(眞島秀和)の時代。
幕府から遊郭を営む承諾を得た特区、吉原の大炎上から始まり、
それから一年半後から物語は始まる。
吉原の貧しい庶民の子として生まれ、幼くして両親を亡くし、
引手茶屋・駿河屋(高橋克実)の養子となった蔦屋重三郎(横浜流星)は、
吉原の地で貸本業を営み、遊郭の花魁、女郎に本を貸し出し、賃料を得て生活していた。
重三郎は貸本業を営んでいる過程で、売れっ子花魁のいる遊郭と、
性病や不貞で遊郭を追い出された女郎のいる女郎屋との格差が激しい生活環境に疑問を感じ、
吉原の大炎上も、女郎が貧困を理由に起こしたことで、問題提起するも、
駿河屋をはじめとする吉原の引手茶屋衆が猛反発。
悩む重三郎は、長屋の厠にいた謎の男、平賀源内(安田顕)からの助言で、
田沼意次(渡辺謙)に意見を述べることに。
こういったダイナミックな表現、国民の受信料だけで作られている重みを感じる。
江戸時代の雰囲気を作るために、全国各地をロケハンしてから、ロケ撮影をし、
それでも無理な部分はデジタル合成で補完。
美術も衣装も、民放地上波のドラマでは実現不能のレベル。
これも国民の受信料だけで作られているから、説得力があるんだよね。
改めてNHK日曜8時の大河ドラマは、「べらぼう」なレベルやなと。
「いだてん」「鎌倉殿の13人」「どうする家康」とクセスゴ路線が続き、
「麒麟が来る」、昨年の「光る君へ」、そして「べらぼう」と、
主人公の一般的なパブリックイメージ以外、謎に包まれた部分にどうやってアプローチするかが焦点やな。
このドラマでは、大河ドラマで始めて、インティマシーコーディネーターを導入し、
性描写における役者とスタッフのトラブル緩和を目的しているとのこと。
今回の舞台に吉原の遊郭が含まれたり、第1話の後半でアレが出ていたからね・・・。
ちなみに、蔦屋重三郎で思い出したのが、
レンタルビデオ業から始まり、本屋・メディアソフト販売業やポイントサービス業で業績を増やし続けた、
カルチャーコンビニエンスクラブが展開する、「TSUTAYA」及び「蔦屋書店」。
その直接的な関係は・・・全くありません。
TSUTAYAの創業者で、
カルチュアコンビニエンスクラブ代表取締役社長兼CEOである増田宗昭の祖父が営んでいた、
置屋の屋号が「蔦屋」であったことによることが由来。
増田宗昭CEOの先祖が江戸時代の地本問屋「蔦屋」の主人で、
写楽を世に送り出したとも言われている蔦屋重三郎にあやかり名付けたという説もあるが、
ま、歴史は「諸説あり」があるから面白いと言っておこう。