23歳で巨人に捨てられた男と、3年間のブランクから再起を目指す男。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

23歳で巨人に捨てられた男と、3年間のブランクから再起を目指す男。

毎年恒例となったTBS系「プロ野球戦力外通告2024」が25日に放送された。

ドラフトで新戦力が多く入団する一方で、

運に見放された、見込み違いだった、監督の好みじゃなかったことで、戦力外通告を出された選手。

今年2024年は136人。

 

番組は11月14日、ZOZOマリンスタジアム千葉で行われた、

選手会主催の合同トライアウトに参加した45選手中、3選手に密着。

様々なドラマを生んできた「クビを宣告された男達」の未来をかけた戦いが始まる。

 

菊田拡和

(23歳/最終所属先:読売ジャイアンツ/外野手)

2019年のドラフトで3位指名を受け、

「ポスト・岡本和真」と呼ばれるくらいのバッティングセンスで将来の4番候補と目されるも、

在籍5年間で1軍出場は6試合と現実は厳しい上、

勝負をかけた2024年、腰のヘルニアで出遅れたことが災いし、非情の戦力外通告。

自宅の庭に練習場を作るなど家族一丸で支え続けた筋金入り野球一家に生まれ、

支えてくれた父・母の為にも、このままでは終われない。

 

菅原秀

(30歳/最終所属先:東北楽天ゴールデンイーグルス/投手)

2012年の第94回全国高校野球選手権で1試合10奪三振と圧巻のピッチングを見せ、

大学球界を経て2016年のドラフト4位指名で、東北楽天ゴールデンイーグルス入り。

プロ1年目からセットアッパーで活躍し、3年目では先発を任されるも、右ひじを疲労骨折。

そこから大乱調し、2021年のシーズン終了後に戦力外通告、現役引退。

出身地の大阪府に帰り、物流関係のアルバイトをしながら、野球教室を開校。

だが、未練を残したまま現役引退したため、まだ未練を断ち切れず、関西独立リーグの大阪ゼロロクブルズ入り。

野球教室の合間でキレのある速球が戻ってきたことに、まだやれる自信が。

2人の幼い子供に、豪快にピッチングするパパを見てほしいと、再起をかけ合同トラウアウトに挑む。

 

伊藤翔

(25歳/最終所属先:埼玉西武ライオンズ/投手)

25歳で戦力外通告を4回も喰らった悲運の男。

横芝敬愛高校時代は、2年生でエース級の活躍を見せ、高校3年生にプロ志望届提出するも、指名なし。

諦めきれず、2016年、四国アイランドリーグPlusの徳島インディゴソックス入り。

チームのリーグ優勝と独立リーグ日本一に貢献し、2017年のドラフト3位で埼玉西武ライオンズ入り。

主にセットアッパーとしてチームを支え、2018年のチーム10年ぶりのパシフィックリーグ制覇に貢献。

イケイケのプロ3年目に光莉夫人と夜の東京をヘリクルーズでプロポーズし、結婚。

これが人生のピークでした。

2021年、突如として大乱調を引き起こし、1軍はおろか2軍でも結果が出ず、

シーズン終了後、右ひじ側副じん帯断裂が発覚し、トミージョン手術を受けるも、

最初の戦力外通告を受け、育成選手として再契約。

2022年、1年をリハビリに費やしたことで2度目の戦力外通告を受け、育成契約で再契約。

2023年、2軍で実践復帰し、3勝を挙げるも、1軍復帰には至らず、3度目の戦力外通告も、再度育成契約。

2024年、9試合に登板するも、かつての勢いは失われ、4度目の戦力外通告。今度こそ完全にクビ扱い。

夫婦二人三脚で歩んできたプロ野球選手人生の再起をかけ、合同トライアウトへ。

 

合同トライアウトの成績とその後。

(野手は5人の投手と勝負。投手は2人の野手と勝負。)

菊田拡和

5人の投手との勝負で、内間拓馬(元広島)との第3打席でレフト前ヒットを決め、手ごたえを感じた。

トライアウトから3日後、長野県を拠点とするBCリーグ、信濃グランセローズから入団のオファーが来たが、

彼はNPBでプレーすることを願ったが、オファーは届かず。

実家に帰り、両親に報告し、この悔しさをバネにと激励を受け、社会人野球のミキハウス入り。

ここから再起を図り、NPB再挑戦。

 

菅原秀

トライアウト前日、野球教室でマンツーマン指導を夜9時まで行った後、

自家用車で夜通し8時間かけて海浜幕張へ。

加藤脩平(元読売)との対戦は、ストレートでセカンドゴロに抑え、

西田明央(元東京ヤクルト)との対戦は、センター前ヒットを許したものの146kmの球速を出した。

だが、オファーが全く来ず、2人の子供の前で完全に現役引退を伝え、今後は指導者として歩むことに。

 

伊藤翔

黒川凱星(元千葉ロッテ)との対戦は、ストレートで2ストライクに追い込んだ後、セカンドフライに打ち取る。

三好大倫(元中日)との対戦は、1ストライク2ボールと追い込み、サードフライに打ち取った。

期限となる5日目、ゴールドジムの社会人野球チームからお誘いの電話が来た。

続いて、メキシカンリーグのチームからオファーが来るも、今後の去就は未定。

 

昨年より勤めてる日野聡のナレーションにも説得力があり、

この「プロ野球戦力外通告」、進化してんなと思ったわ。

あ、そうそう、今シーズンより参入した、ファーム特化型球団のハヤテ223と、

オイシックス・アルビレックス新潟の情報も取り上げてほしかったのが本音かな。