前作から35年、死ぬ気で楽しめ!
土曜の疲れが残ったまま、日曜日はTOHOシネマズなんばのIMAXスクリーンで、
ティム・バートン監督の「ビートルジュース ビートルジュース」を鑑賞。
1988年に公開されたティム・バートンの出世作「ビートルジュース」が、35年の時を経て続編で登場。
前作で人間怖がらせ屋を演じたマイケル・キートンや、霊感少女を演じたウィノナ・ライダーが続投しただけでなく、
ウィレム・デフォーが珍しくコメディ映画に出演し、新たな引出しを引き出したこともエモい。
基本的に人間怖がらせ屋・ビートルジュースのハチャメチャぶりを描いたホラーコメディで、
その人気は、ユニバーサルスタジオジャパンに飛び火し、
2001年の開場時から現在も続いている「ユニバーサルモンスター ライブロックンロールショー」で、
ユニバーサル映画発のモンスターに混じり、唯一ワーナーブラザーズ映画からのキャラクターで登場している。
まずは1988年公開の前作のおさらい。
ニューイングランドののどかな田舎町で新居を購入した新婚カップルのメイトランド夫妻は、
車の運転中に事故で橋から自動車ごと転落しあえなく死んでしまい、
未練を残したまま幽霊として新居にへばりつくのですが、
ニューヨークから守銭奴のディーツ一家が、元メイトランド邸の新居を買い取り入居したことで、
幽霊となったメイトランド夫妻は、ディーツ一家を追い出そうとするも、
霊感が強いディーツ家の娘のリディアに看破され、仲良くなってしまう始末。
メイトランド夫妻は、最大の禁じ手となるビートルジュースを呼び出すことに。
というのが前作。
あれから35年、霊感の強いリディア・ディーツは、テレビの恐怖体験番組のMCを務めているが、
私生活では、母親の霊能力がインチキだと思い、事故死した前夫の間に産まれた娘・アストリッドと冷戦状態に。
一方、人間怖がらせ屋のビートルジュースは、前作で出会ったリディア・ディーツに恋焦がれ、
何れは彼女と結婚し、人間界に移住したいと願っている。
そんな中、ビートルジュースの元妻で、体がバラバラに裁断されたドロレスが復活する事件が起こり、
アストリッドが霊界に拉致されてしまったことから、
リディアは「ビートルジュース!ビートルジュース!ビートルジュース!」と、
最大の禁じ手であるビートルジュースを呼び出し、彼の手を借りてアストリッドの救出に向かうことに。
メイトランド夫妻を追い出したディーツ家が、
今度は追いつめられる側に立場が移った単なるホラーコメディに留まらせず、
人間界での婚活、霊界からの脱出、思春期を迎えた少女の葛藤を盛り込み、
ティム・バートン監督のこだわりが随所に見られ、こんな映画、ティム・バートンにしか作れんわと思ったわ。
一番ぶっ飛んだのは、アラウンド後期高齢者のマイケル・キートンが、
35年の時を経て、再びビートルジュースを演じ、思う存分バカやっていることに感動したし、
ウィレム・デフォーも、ティム・バートン監督から魔改造を施されたことで、新たな世界の扉を開いたなと。
ティム・バートン監督、マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー。
映画界で成功をつかみとった3人が、まさか「ビートルジュース」の続編が作られるなんて、
想像つかなかったでしょうね。
ストーリーの方も、人間界で35年後を考慮し、
メイトランド夫妻を追い出したディーツ家が、今度は追いつめられる側に立場が移ったことで構築し、
時代背景やトレンドを取り入れた相応なものに仕上げておるが、
デジタルに頼らない、手作り感を出したティム・バートン監督の手腕には脱帽モノ。
キャスト全員、全力で演じていてて「死ぬ気で楽しめ!」なのがわかるわ。