「ブルーピリオド」は単なるコスプレ映画に非ず。
TOHOシネマズららぽーと門真でのダブルヘッダー2作目は、眞栄田郷敦主演の「ブルーピリオド」。
「書店員が選ぶマンガ大賞2020」を受賞した山口つばさの月刊アフタヌーン(講談社)連載作が、
2021年に1クールで放送されたTVアニメに続き、「東京喰種」の荻原健太郎監督の下で実写映画化。
アニメ同様、主人公が、超難関の東京藝術大学日本画科を受けるために奮闘する青春譚で、
若手注目株が大集結した見ごたえのある一本でした。
しかも脚本が、アニメ版に続き、吉田玲子が担当しているのも肝。
コスタ・タイパ重視で高校生活をエンジョイしている矢口八虎(眞栄田郷敦)は、
手ごたえのない日常をおくっていることに、心を満たしきれなかった。
そんなある日、”男の娘”姿で通学している美術部所属の鮎川龍二(高橋文哉)と遭遇したことで、
八虎の人生は一変する。
そうだ、東京芸術大学の日本画科を受験しよう。
高校2年生からの東京藝術大学受験はあまりにも遅すぎて無謀。
そこから八虎の逆襲が始まった。
それにしても、高橋文哉、美しかったな~!と下手したらチープなコスプレ映画と揶揄されそうだが、
単なる「人気漫画の実写映画化作」にならないよう、最大限の配慮をし、
リアリティを大事にしたことが成功に導いたのでは。
今回、東京藝大受験と美術部を扱う事に伴い、出演者のほぼ全員、絵画のトレーニングに努めた。
特に自身もNFT方式によるデジタルアートを手掛けている板垣李光人の美的センスには脱帽。
東京藝大の受験シーンに刮目して見よ。
そして、出演者が描いた”作品”を、上映館で巡回展示したらもっと盛り上がってたのに。
あ、映画を観る前はYOASOBIの「群青」を聞け!