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この独特の世界観で、日比谷シャンテシネでロングラン上映されたのも納得。
ワタクシ、人生で初めて、シネコン名画座化企画「午前十時の映画祭」に初めて参戦しまして、
サッカー観戦を前に、久々に訪れる大阪ステーションシティシネマで、「ベルリン・天使の詩」観てきました。
映画史に残る珠玉の名作を、もう一度映画館の大スクリーンで上映する、シネコン名画座化シリーズ。
主に年配層を狙っているせいか、午前10時前後に設定している影響で、来場客が年配層だらけ。
しかも、観に行った大阪ステーションシティシネマは、
現在ソフトドリンク飲み放題に対応させるため、飲食売店改装中で、仮設店舗の品揃えがショボ!
「PERFECT DAYS」が記憶に新しいドイツの名匠、ヴィム・ヴェンダースの1987年の作品。
旗艦館である日比谷シャンテシネ(現:TOHOシネマズシャンテ)で8ヶ月もロングランを記録。
冷戦終結前のベルリンを舞台に、ブルーノ・ガンツ演じる守護天使ダミエルが、
サーカスの空中ブランコ乗りの女性に恋をしたことから、天使をやめて人間になりたいという、
白黒とカラーの使い分けが秀逸な、珠玉のヒューマンドラマで、
独特の世界観がウケて、日比谷シャンテシネでロングラン上映されたのも納得。
ちなみにワタクシは、公開から約5年後、深夜の地上波テレビで流れたのを見たが、
まだ若いが故に何がいいのかわからなかった。
今回公開されるのは、2021年にBunkamuraル・シネマで開催された、
「ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ」の為に、監督自ら4Kレストア、5.1ch音響にアップデート。
比較映像がこれ。
↑1987年公開時の予告編
↑4Kレストア版の予告編
フィルムのざらつき感がとれ、IMAXにコンバートしてもいいくらいの高画質と、
5.1chに再配置されたドルビーデジタル音響が、観る者の心を大きく揺さぶった。
この映画、ヴィム・ヴェンダースが望んだ”完全版”ではないでしょうか。
人間の世界をカラー、守護天使の世界をモノクロで表現させるため、高度な編集技術が必要で、
名キャメラマンのアンリ・アルカンによるカメラワークが台無しにならないよう、かなりの配慮をした。
あれから40年、ヴィム・ヴェンダース自ら4Kレストアを施したことで、
最大の障害となったカラーとモノクロを行き来する映像がスムーズになった。
この映画がきっかけで、ベルリンの壁は崩壊し、西と東に別れたドイツが一つになったのも頷くわ。
お陰で、地上波テレビで見た時のモヤモヤが晴れた~