
これはプロレス映画ではなく、呪縛に囚われた一家の解放と再生を描いている。
尼崎を後にしたワタクシは、大阪駅に移動し、
次はTOHOシネマズ梅田で「アイアンクロー」(字幕)を鑑賞。
「ボーはおそれている」が記憶に新しいA24の最新作は、
握力で制圧するアイアンクローを武器にアメリカンプロレス界を席巻した、
フリッツ・フォン・エリックと、彼の息子たちを描いた、プロレスを題材にした人間ドラマ。
ザック・エフロンが、役作りのため肉体改造&プロレスラー修行を敢行し、
「ハイスクール・ミュージカル」で名を馳せたかつてのティーンのアイドルから脱却し、
あか抜けた演技を見せてくれます。
1980年代初頭、相手の頭を握力で制圧するアイアンクローを武器に、
AWAヘビー級王者に就いたフリッツ・フォン・エリック。
長男のジャックJr.を早くも亡くしたため、
次男のケビン、三男のデヴィッド、四男ケリー、五男マイクは、
引退後、テキサス州でプロレス団体を運営している父フリッツの教えに従いプロレスラーとしてデビュー。
全てが順調に進むはずだと思われたが・・・
フォン・エリック家は、次々と不幸な出来事に遭遇したことから、
アメリカンプロレス界で”呪われた一族”として伝わっているが、
カルト宗教を描いた「マーサー、あるいはマーシー・メイ」のショーン・ダーキン監督が、
ケビン・フォン・エリックをはじめ、多くの関係者に聴きだすなどリサーチし、
”呪われた一族”にまつわる疑念と誤解を解消し、呪縛からの解放と再生を描いており、
多くのプロレスファンが納得いく内容に仕上がってたわ。
キャッチコピーの「人生をかけて闘え」にした理由がよく分かったわ。
おまけに、NWAヘビー級王者のベルトを巻いたハーリー・レイスやリック・フレアー、
ブルーザー・ブロディやテリー・ゴディといった、偉大な名レスラーも登場し、
演じた役者もそれなりにトレーニングだけでなく、ふるまいも叩き込まれたでしょうね。
これは、80年代、テレビ朝日系の「ワールド・プロレスリング」や、
日本テレビ系の「全日本プロレス中継」で、テレビにかじりついた、おじさん世代にささる映画やなと。
プロレスを題材にした映画で感動したの、ミッキー・ローク主演の「レスラー」以来やわ。
そういわれたら、また「レスラー」見たくなってきたので、4Kリマスター版でリバイバル公開してほしいわ!
(アメリカ配給元のサーチライトピクチャーズを傘下に置く)ウォルト・ディズニー・ジャパンさんよぉ!