今年はファーム特化型球団が出来るため、幅が広くなるな。
フジテレビ系の「プロ野球珍プレー好プレー大賞」と並ぶ、
年末恒例となったTBS系の「プロ野球戦力外通告」が今年も27日に放送された。
毎年、NPB(日本プロ野球)のチームを戦力外通告になった選手に、カメラが密着し、
「自分はまだやれる」と12球団合同トライアウトに挑んだ、人生の再出発をかけたドキュメント番組で、
プロ野球ファンでなくても楽しめる番組です。
ところが、番組ナレーションを長く担当してきた東山紀之が、ジャニー喜多川性加害問題でのお家騒動を受け、
ジャニーズ事務所を解体して立ち上げられた性被害者救済機関の代表に就き、
業務に専念するため芸能界から引退したため、後任のナレーションが誰になるかと思われたが、
「鬼滅の刃 無限列車編」の煉獄杏寿郎役や、「ハイキュー!!」の澤村大地役の声優、日野聡が担当。
『プロ野球戦力外通告』
— 日野聡 (@Hino_Satoshi_84) December 27, 2023
〜人生の岐路に立たされた男たちとその家族の物語〜
この度、ナレーションを担当させて頂くことになりました!
皆様どうぞ宜しくお願い致します。
ただいま放送中です!
野球に命と人生を賭けた選手達とその家族の想いを是非ご覧ください!#プロ野球戦力外通告#TBS pic.twitter.com/Eau1MbITnO
彼は多くのアニメ作品で、いかにもメンタルが強いキャラを演じており、後任にはもってこい。
今回密着したのはこの3人。
薮田和樹
(31歳・投手。最終所属先:広島カープ)
”侍ジャパン”(野球日本代表)の先発を担ったことがある彼に訪れた突然の戦力外通告。
チームの世代交代の煽りを受けてのことだが、「俺はまだやれる」と。
その言葉に、かつてのチームメイトが呼応し、練習に付き合ってくれた。
妻と、去年(2022年)生まれた息子の為に、NPB復活を目指す。
中山翔太
(27歳・外野手。最終所属先:東京ヤクルトスワローズ/現在:アルビレックス新潟ベースボール)
ドラフト2位の評価を受け、将来の4番候補と期待された彼も、2021年に打撃不振から戦力外通告を受け、
九州アジアリーグの火の国サラマンダーズに入団するも、環境の変化に対応できず苦戦。
彼には戦力外通告を受けた後に結婚した妻がおり、夫のためにBCリーグの試合に足を運びメモを取ったり、
ノックの相手をしたりと献身的に尽くしてくれたため、妻の為にトライアウトへ。
実は火の国サラマンダーズ加入も合同トライアウトからで、トライアウト受験は2回までで、決死の覚悟で挑む。
高山優希
(25歳・投手。最終所属先:北海道日本ハムファイターズ)
名門大阪桐蔭高校のエース級ピッチャーだったが、プレーに支障をきたすイップス(精神疾患の一種)を患い、
プロ6年間で1軍登板なしのまま2022年に戦力外を通告。
関西独立リーグの堺シュライクスに入団・所属しつつ、イップスを克服したものの、また戦力外に。
一度は引退を考えたが、妻の後押しと、今年9月に誕生した娘の為に、決死の覚悟でトライアウトへ。
59人が参加し、千葉県・鎌ヶ谷スタジアムで行われた今年の合同トライアウト。
今年は再起につながるチャンスが新たにできた。
それが、NPBファーム戦に特化した新球団が2つ出来たことで、再起のチャンスが広がった。
1つは和製ヘッジファンドを展開するハヤテグループがオーナー企業を務めるハヤテ223。
1つはルートインBCリーグからの参入となるオイシックス新潟アルビレックス。
各球団のスカウトは目星をつけた選手が、期待通りに動けるか確認のための視察で、
眼中にない他の選手は、事実上の引退試合として家族を迎えて行われた。
その結果は・・・
野手は7人の投手と対戦+守備。
投手は3人の打者と対戦。
中山翔太
①ライト前ヒット
②ショートライナー
③ホームラン(143kmのストレートを捕えて)
④三振
⑤ショートフライ
⑥三振
⑦三振
第3打席のホームランが決め手となり、オイシックス新潟アルビレックスに入団。
薮田和樹
中山誠吾(最終所属先:埼玉西武)→四球
高山俊(最終所属先:阪神)→三振
中川拓真(最終所属先:オリックス)→四球
打たれはしなかったものの、投球内容がよかったこともあり、オイシックス新潟アルビレックスに入団。
高山優希
園部佳太(最終所属先:オリックス)→3塁打被弾
西川僚祐(最終所属先:千葉ロッテ)→三振
谷川唯人(最終所属先:千葉ロッテ)→三振
1年間かけてイップスを克服した成果が出て、
四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグスからオファーが来たが、
目標としてきたNPB12球団からのオファーが来ず、「区切りをつける」と引退を決断。
今後は広告関係の仕事に就く。
中山翔太と薮田和樹は、来年より始動するオイシックス新潟アルビレックスで研鑽を積んで、
再び脚光を浴びることを願いたい。