
まずは、スタジオジブリ作品のHulu独占配信からな。
まず、「君たちはどう生きるか」の製作費が無事回収できたことに安堵したが、
15年にわたり、スタジオジブリの代表取締役を務めた星野康二が勇退したこともあり、
スタジオジブリの今後がかえって気がかりになった。
その心配を解消するため、日本テレビホールディングス(日本テレビグループの持ち株会社)が、
スタジオジブリを傘下に収めることで一件落着。
日本テレビホールディングスの事業子会社である日本テレビ放送網が、
スタジオジブリの自主性を守りつつ、新たなチャレンジをサポートするとのこと。
今回、スタジオジブリが日本テレビグループの子会社になったのには理由がある。
①宮﨑駿の後継者がいない
現在、スタジオジブリを支えている宮﨑駿監督は82歳、
代表取締役社長兼プロデューサーの鈴木敏夫が75歳と高齢になり、
これといった後継者が不在というのも会社としての長年の課題。
「ゲド戦記」「コクリコ坂から」を手掛けた宮崎吾朗が背負うのもどうかと思った。
その為、「金曜ロードショー」枠でジブリ作品を放送し、
「魔女の宅急便」から出資参画してきた縁で、日本テレビ放送網に助けを乞うた。
②日本テレビ放送網のアニメ事業強化の一環
ここ近年、日本テレビ放送網はアニメ分野の強化を進めている。
◆「魔術師オーフェンはぐれ旅」「月が導く異世界道中」など、独立系U局向けの作品に出資。
◆細田守が代表を務めるスタジオ地図の作品に出資。
◆「ワンダーエッグプライオリティ」や映画「かがみの孤城」といった、アニプレックス系との蜜月。
◆「葬送のフリーレン」から金曜23時代に新アニメ枠を新設(これ重要!)
その背景には「思い出のマーニー」以降、スタジオジブリが長編映画製作から一時撤退したことで、
日本テレビ放送網の懐具合に危機感を感じた事から、アニメ事業に力を入れてきたんだよね。
日本テレビホールディングスには、タツノコプロとマッドハウスを傘下に収めているが、
これといったシナジー効果は目立っていないのが現状で、
考えてみたらタツノコプロが手掛けた、平成版「ヤッターマン」や「タイムボカン24」は、
系列局の読売テレビが製作しているし、
アニプレックスとの蜜月関係も、「宇宙兄弟」「電波教師」から系列局の読売テレビが先行しているからね。
③読売テレビにおんぶにだっこの状況から脱出
日本テレビ系のアニメといったら、「名探偵コナン」が真っ先に思い立つが、
これは系列局の読売テレビが手掛けている。
長い歴史から見て、日本テレビ系を代表するアニメは、ほぼ半分が読売テレビが手掛けたもの。
すなわち、系列局の読売テレビに依存している。
今回のスタジオジブリを子会社化することで、状況を改善できると判断したんでしょうね。
今回、日本テレビホールディングスがスタジオジブリをグループ会社に迎え入れたことは、
長年培われたノウハウを更に発展・昇華してくれると確信しているし、
保有しているIP(知的財産権)コンテンツを活かした事業を展開してくれると思うんだよね。
まずやってほしいことは、日テレの動画サブスクサービス・Huluで、
スタジオジブリ作品の見放題独占配信をやってほしい。
これまで、スタジオジブリ作品は「金曜ロードショー」枠で放送し、放送の度に高い視聴率を稼いでいるし、
星野康二が繋いだパイプで、ウォルト・ディズニー・ジャパンからDVDとブルーレイの販売が実現した。
まだやっていないのが、ネット配信の分野。
著作権の関係もあるけど、スタジオジブリの作品は映画館で見てこそ実感がわくと、
長年、映画館での鑑賞体験を大事にしてきた。
だが、通信規格が5Gに進化したことで、映画をスマホで見ることが主流になり、
家庭用光ファイバー通信の月額費用が下がったことで、高画質動画がストレスなくみれるようになった。
その一方で、日本テレビの動画サブスクサービス・Huluは、
アマゾンプライムビデオ、ネットフリックス、U-NEXT、ディズニープラスに後れを取られ放題。
そのため、スタジオジブリは、Huluで自社の作品を見放題独占配信でやったほうがいい。
スタジオジブリが日本テレビホールディングスの子会社になったことで、その障害は解消されるはずだ。
早いとこ実現してほしい。