
「あすなろ白書」色モロ出しの青春白書。
昨年は、「ミステリと言う勿れ」や「Silent」が、
AVOD(広告付きビデオオンデマンド)での見逃し配信で抜群の再生数を記録し、
4月の「ナンバMG5」より復活させた”水10”枠でも、配信収入前提で制作したことも大きかった。
で、新年を迎え、フジテレビ系”月9”は、2014年7月期の「HERO」以来の参戦となる北川景子を主演に迎え、
共演陣もくせ者ばかりをそろえた、法科大学院が舞台の「女神(テミス)の教室」。
父親の解雇無効裁判がきっかけで、裁判官になった主人公が、法科大学院の派遣教員として左遷され、
くせ者の同僚教員と、くせ者だらけの生徒との交流を通じ、自分を見つめ直すという、
裁判官、警備コンサルタント、夜診専門の救命救急センター、放射線科、公正取引委員会、小児専門のICUと、
ここ近年の”月9”に見られる、特定の職業にスポットライトを当てたものですね。
タイトルのテミスは、ギリシャ神話で「安固」「不動」「自然の法則」をつかさどる女神で、
それが転じて、天秤を持つ法の女神としてまつられているとのこと。
東京地方裁判官の裁判官・柊木雫(北川景子)は、
“人を知らなければいい法律家にはなれない”という信念を持っているがゆえに、
月に30件・年に300件の裁判を受け持たなければならない中で、
効率よく案件をこなせないという、効率の悪さを指摘され、
古巣である西南大学の法科大学院の派遣教員に左遷された。
教務主任の里崎(小堺一機)に案内され、
学生たちに「刑事訴訟法基礎」を担当することになったと紹介された雫は、
教室の雰囲気を見て愕然し、いきなり生徒たちの反感を買うことに。
この法科大学院では、先輩教員である藍井仁(山田裕貴)の抗議が人気を集めていると聞いた雫は、
仁の講義を見て、ドン引きする事態に。
それが正しいかどうか、講義の一環として行っている模擬裁判を開くこととなった。
このドラマの北川景子を見て、今月に映画が公開される「イチケイのカラス」の竹野内豊とダブっちゃったわ。
いずれも案件を解決する効率の悪さを指摘された裁判官で、被告に寄り添いすぎる点が同じですが、
「イチケイのカラス」の場合は、職権発動で裁判官自ら捜査に出たことが効率の悪さを指摘され、
「テミス」の場合は、被告に寄り添いすぎたことで、法科大学院の派遣教員として左遷されたんだよね。
あと、このドラマでの法科大学院の雰囲気を見て、まるで「あすなろ白書」を思わせたわ。
大学院生の交流や、未来に不安を抱えた悩みだけでなく、
雫が裁判官を志すきっかけを告白したことで、よりフラットになったわ。
制作する側は「ポップな”月9”」を目指しているようだが、
登場人物の中に暗い影を落とし、いずれ闇落ちする人間が1人出るんじゃないかと思うんだよね。
ペイ!