
黒木和雄の”戦争レクイエム”シリーズへのオマージュ。
毎年、元旦は映画館へ行くことが年末年始ルーティンのワタクシです。
だって一部を除き、一般2D料金が1200円だもん!
なので、ワタクシは会員の有効期限伸ばしのため、あべのアポロシネマに赴いた。
そこで見た映画は、二宮和也主演の「ラーゲリより愛をこめて」。
ここ近年は、「護られなかった者たちへ」「とんび」など、
コンスタントに作品を発表している瀬々敬久がメガホンを取った今作は、
講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞のノンフィクション賞二冠を達成した、
辺見じゅんのロングセラーノンフィクション小説が原作。
「永遠の0」の林民夫がアレンジを施しただけでなく、コロナ禍で史実ものを描く苦労がにじみ出た作品でしたね。
物語は1945年8月の満州。
満州鉄道職員の山本幡男(二宮和也)は、妻・モジミ(北川景子)と4人の子供たちに囲まれ、
束の間の平和を過ごしていたが、
幡男はいずれラーゲリ(лагерь/ロシア語で収容所の意)に収監されるとモジミに告げ、
モジミと4人の子供たちは日本へ帰国し、幡男は極寒のシベリアの地のラーゲリへと強制収容され、
さらに過酷な現実が幡男を襲うことに。
この映画を観て感じたことは、瀬々監督は黒木和雄監督の”戦争レクイエム”シリーズを意識したのでは?と。
いかにも岩波ホールでかかるレベルの映画を、一般ロードショー館でよ~公開できたなと。
二宮和也が次第に激やせするまで打ち込んだ姿勢は見事だったし、
共に収容された捕虜のキャストも光っていたし、各々の個性を活かしていたわ。
正月に似合う史実大作やったね。
撮影中も、キャスト勢、スタッフ陣、ともにコロナ感染者が1人も出なかったことも救いやった。