
在阪系列局製作だから出来た、攻めたドラマ。
秋ドラマ。
24日にスタートしたカンテレ製作・フジテレビ系”月10”枠「エルピス」第1話を視聴。
「このドラマは実在の複数の事件から着想を得たフィクションです」
オープニングシークエンスで飛び出した衝撃的な文言を読んで、カンテレ攻めてんな~と感じたわ。
長澤まさみが「コンフィデンスマンJP」以来、久々の民放地上波ドラマで座長を務め、
眞栄田郷敦、鈴木亮平が脇を固めるこのドラマは、
連続テレビ小説「カーネーション」など主にNHKを主戦場にしていた渡辺あやが、
ギャラクシー賞月間賞を受賞した「大豆田とわ子と三人の元夫」の佐野亜裕美プロデューサーと、
二人三脚で練り上げた、テレビ局を舞台にしたオリジナル作品で、
長澤まさみとは「モテキ」以来の顔合わせになる大根仁がチーフ演出を務めること自体、
化学反応が半端ねぇぞ、こりゃ・・・
深夜の情報番組「フライデーボンボン」でコーナーMCを担当している、
大洋テレビのアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)は、かつて人気・実力を兼ね備えたアナウンサーでしたが、
スキャンダルが原因で、”制作者の墓場”というべき「フライデーボンボン」に島流し。
その「フライデーボンボン」で、芸能ニュースを担当する新米ディレクターの岸本拓朗(眞栄田郷敦)は、
恵那を呼び止め、ある連続殺人事件の犯人とされる死刑囚が、実は冤罪かもしれないと。
事件が起きたのは10年近くも前で、犯人とされた男の死刑もすでに確定しており、恵那は困惑してしまう。
拓朗は懲りずに、新入社員時代の指導担当で報道局のエース記者・斎藤正一(鈴木亮平)を頼り、
恵那を動き出そうと躍起に。
エンドロールの参考文献の多さに圧巻。
複数の事件から着想を得たオリジナル脚本であるが故、NHKではタブーだったんでしょうね。
こりゃ渡辺あやが困惑するのがわかる。
それを佐野亜裕美プロデューサーからのお誘いで、在京キー局ではなく、在阪系列局製作。
(昔からカンテレ製作のドラマは、キー局のフジテレビに断られ、「それカンテレに流して」な企画が多い!)
それゆえ、タブーしらずのキャスティングを実現させたんだよね。
セクハラパワハラ上等の上司を演じる岡部たかし、今回の為にトレードマークのひげを剃った松尾スズキ、
「ドライブ・マイ・カー」の好演が記憶に残る三浦透子とかな。
今回の「エルピス」でのカンテレの攻めた姿勢、
在京キー局製作のドラマが忘れていたものが見つかるのかもしれないな。