
「ドラゴンボール超スーパーヒーロー」は日本のアニメ映画に新たな転換期を呼び込んだ。
”6月毎週ダブルヘッダー”の2週目はイオンシネマ茨木。
朝9時半にJR茨木駅で下車し、東側入り口が午前10時開場なので、西側入り口へ移動し、
エレベーターで4階へ移動。
最近リニューアル工事を敢行し、
見やすいエリアにTOHOシネマズ梅田1番スクリーンにあるような、
セミコンパートメントのアップグレードシートが設置され、招待券でも500円追加で1ドリンク付き。
IMAXなどの高いクオリティのスクリーンが続々出る中で、
イオンシネマ茨木には、今や数少なくなったTHXスクリーンが7番スクリーンに健在しており、
(現在日本国内でTHXスクリーンが設置されているのは、イオンシネマの7サイトだけに。)
その7番スクリーンで観たのは「ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー」。
もう説明不要というくらい世界規模の高い知名度を誇る、
週刊少年ジャンプ(集英社)伝説の少年漫画を原作としたテレビアニメの映画版で、
原作者の鳥山明が直接携わった「ドラゴンボール超」からは、
2018年公開の「ドラゴンボール超 ブロリー」以来2作目で、
「復活の『F』」でフリーザを復活させたように、
今回の「スーパーヒーロー」は、少年時代の孫悟空にボッコボコにされたレッドリボン軍が復活!
今回も鳥山明が、映画用に脚本とキャラクターデザインを手掛け、
「ブロリー」で3DCGパートを担当した児玉徹郎が初監督を務めます。
ただ、孫悟空(CV:野沢雅子)とベジータ(CV:堀川りょう)の活躍は・・・ありません!
かつて少年時代の孫悟空(CV:野沢雅子)によって壊滅されたレッドリボン軍。
その遺志は、表向き「レッド製薬」の代表である、
レッド総帥の息子、マゼンタ(CV:ボルケーノ太田)に受け継がれていた!
マゼンタはレッドリボン軍の創設メンバーの1人、ドクター・ゲロの孫、ドクター・ヘド(CV:入野自由)と接触、
新たな人造人間、ガンマ1号(CV:神谷浩史)と、ガンマ2号(CV:宮野真守)を創造し、侵攻を開始。
レッドリボン軍の復活に、かつて悟空のライバルだったピッコロ(CV:古川登志夫)が察知し、
「レッド製薬」の工場を装った秘密基地に潜入するが、そこには恐るべき最凶兵器が。
パン(CV:皆口裕子)を誘拐され誘き出された孫悟飯(CV:野沢雅子)も参戦し、
本当の「正義」を問うバトルが展開される。
その最凶の敵の登場が、”人造人間・セル編”を連想させ、
セルが人造人間の17号と18号を取り込んで完全体となり、セルゲームで壮絶な戦いが展開されますが、
ガンマ1号とガンマ2号が最凶の敵に取り込まれるんじゃないかと思われたんだよね。
しかも、今回の映画では、ピッコロが案外いい奴だったと。
パンのことを差し置いて学者の仕事に集中している悟飯に業を煮やしたピッコロが、
ドラゴンボールで自分の潜在能力を引き出し、丁度新生レッドリボン軍の侵攻を絶好の機会ととらえ、
パンとグルになって悟飯を誘き出し、新生レッドリボン軍の壊滅と、最凶の敵のせん滅に乗り出し、
最終的には巨大化というギミックも、鳥山明が過去のエピソードを見直し、この映画に持ち込んだのも唸るし、
カイ・シデン役で出演した「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」に続き、古川登志夫の好演が光ったわ。
「ブロリー」から「スーパーヒーロー」までの間、世界が新型コロナウイルスの脅威にさらされ、
アニメの制作現場も、クラスター感染の原因になる密になることが多く、
それが災いしてスケジュール進行に影響が出て、クオリティの高い作品を生むことが難しくなってきた。
今回、「ブロリー」の3DCGパートや、「プリキュア」シリーズのEDアニメーションを手掛けた児玉徹郎が、
全編セルルック3DCGで製作すること、アフレコでも一部パートで抜き録りを行い、密発生をできるだけ抑えた。
ドラゴンボールが新たな展開を迎えるたびに、インフレを起こしまくり、それに作画がついていけないことを感じ、
だったら、セルルック3DCGで作ろうと決断した結果が、高い精度と圧倒的な映像表現で圧を生み出した。
しかも、THXの音響が素晴らしかったことも手伝ってか、7.1chサラウンドでグイグイ迫ってきたわ。
これは日本のアニメ界がコロナ禍を機に新たなフェーズに突入、新たな転換期を迎え入れたことやな。
でも、手描きの良さも忘れてもらっちゃ困るんだよね~
富野由悠季や新海誠が困惑するわ。