
「ハロウィンの花嫁」を見て思った、憎しみの連鎖。
それにしても、もうじきゴールデンウィークなのに、ハロウィンの話かよ・・・
おっと、いきなり愚痴ってスマン。
17日、日曜日。
ワタクシはパナソニックスタジアム吹田で、久々のサッカー観戦の前に、
109シネマズ大阪エキスポシティで「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(IMAX 2D版)を鑑賞。
青山剛昌の同名漫画を原作とする、読売テレビ発・日本テレビ系で放送中のTVアニメの劇場版も、
今回の公開で第25作。
(前作「緋色の弾丸」は、新型コロナウイルスの感染拡大の煽りを受け、1年間の公開延期に。)
江戸川コナン(CV:高山みなみ)をはじめとするおなじみの面々に加え、
今回は”3つの顔を持つ公安警察”降谷零(CV:古谷徹)がメインとなり、
「ルパン三世PART6」で謎解きミステリーの要素を盛り込んだ大倉崇宏が脚本を担当し、
ハロウィンでにぎわう渋谷で、連続爆弾魔を追う。
今回の映画を観てね、ウクライナ侵攻で反感を買っているロシア国内で、
プーチン支持派と、反プーチン派の衝突を思い起こしてしまったわ。
それくらい、断ち切れない憎しみの連鎖のドラマが展開されたわ。
冒頭、佐藤美和子刑事(CV:湯屋敦子)と高木渉巡査部長(CV:高木渉)の結婚式が執り行われている一方、
公安警察の降谷零は、同期で強行犯三係の松田順平(CV:神奈延年)を殉職させた爆弾魔が脱走し、
捕らえようとした途端、爆弾魔の首に仕掛けられた爆弾が爆発し、爆弾魔が爆死。
降谷はマントと仮面で隠された謎の人物に首輪爆弾をつけられてしまう。
その翌日、警視庁を訪れたロシア人の男性が、もっていたタブレットに仕掛けられていた爆弾が爆発し爆死。
警視庁を訪れたロシア人男性の爆死から、ハロウィンの渋谷を舞台に謎解きゲームが展開されることに。
現実じゃありえんだろとツッコミ入れたくなるくらい、相変わらずのファンタジー展開の安定さに加え、
スタッフが入念なロケハンやリサーチを敢行した甲斐もあってか、
渋谷がアニメの中で再現されただけでなく、
まだ建造中である渋谷スクランブルスクエア東棟の完成形も盛り込んだとあって、
コロナが明けたら渋谷へ行こう!な気分にさせる。
大倉崇宏の脚本は、ウクライナ侵攻における、ロシア国内の対立を先読みしていたんだよね。
ネタバレしてしまう話なんだけど、ゲスト声優で参加した白石麻衣が演じた役が、
顔と心に傷を持つロシア人部隊のリーダーを務めるロシア人女性で、
ある目的を果たすために、仲間と共に日本に乗り込んできた。
その、ロシア人部隊が追っているのが、降谷に首輪爆弾をはめた爆弾魔で、その正体が衝撃的でしたね。
それを知った時、ウクライナ侵攻を強行させたプーチンを支持する親プーチン派と、
この侵攻が世界的に許されない行為だとして声を上げた反プーチン派が、
ロシア国内で衝突しているのを連想してしまったわ。
憎しみの連鎖は断ち切ることができない。
断ち切っても、過ぎた時間は戻ってこない、犠牲になった人間は帰ってこない。
また、在日ロシア人声優のジェーニャが、ロシア語監修だけでなく、
出演者にロシア語の話し方を指導するリーディングコーチで参加しているのも興味深い。
また、今回より劇伴が菅野祐悟に変更。
長年親しまれた大野克夫作曲のメインテーマを、菅野色に染め上げるようにアレンジを施したのを筆頭に、
要所要所にBGMが挿入され、映画をより盛り上げてくれたわ。
今回IMAX 2D版で観ましたが、
前作「緋色の弾丸」と同じ109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXスクリーンで観て、
「ハロウィンの花嫁」は前作の反省を十分に踏まえていると感じたわ。
「緋色の弾丸」は1年間の公開延期を公開猶予期間と捉え、IMAX 2Dへの再調整を施す時間ができたけど、
この作品、IMAXにする価値あったっけ?と勘繰ってしまったわ。
アメリカンビスタをIMAXスクリーン一杯にしても、作画クオリティを落とさないことと、
爆破シーンやアクションシーンで、観客の鼓膜に圧を与えるくらいの音圧を出すこと。
そして、今回もIMAXで公開されるんだぞと、IMAXを意識した演出を心がけたこと。
前作、前々作「紺青の拳(フィスト)」で手が届かなかった興収100億円突破も夢じゃねぇな。