
地味なんだけど、「龍とそばかすの姫」を越えた!
文化の日の水曜日。
ワタクシはなんばパークスシネマまで赴いた。
かつての”鷹の聖地”大阪球場跡地に建てられたなんばパークスには、
なんば所縁の有名人・著名人の手形が各所に配置され、
この西田敏行&故・三國連太郎の手形は、松竹映画の鉄板シリーズだった「釣りバカ日誌」所縁。
(なんばパークスシネマは、松竹系の松竹マルチプレックスシアターズと、東映系のティ・ジョイの共同運営!)
この日なんばパークスシネマで観たのは、吉浦康裕監督最新作のアニメ映画「アイの歌声を聴かせて」。
「イヴの時間」「サカサマのパテナ」で海外から注目を集めている吉浦康裕の最新作は、
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」で調子づいている松竹のアニメ部門の勢いに乗った自信作。
共同脚本に大河内一楼、キャラクター原案にBL漫画「海辺のエトランゼ」の紀伊カンナを迎えているんですが、
BL展開の「海辺のエトランゼ」とは真逆の、健全な百合アニメでした(笑)
最先端のテクノロジーが人々の生活をサポートしている別次元の日本。
一人で孤立しているサトミ(CV:福原遥)が通う景部高等学校に、
1人の転校生・シオン(CV:土屋太鳳)がサトミのクラスに編入してきた。
何もかもずば抜けているシオンですが、実はサトミの母でエンジニアの美津子(CV:大原さやか)が開発した、
AIアンドロイドだったのだ!
シオンの登場で、サトミは徐々に心を開いていくが、”ある事件”で窮地に立たされることに。
サトミとシオンの百合展開にコメディ要素も織り込みながら、AIの進化による弊害も克明に描いており、
さながら高校生たちのジュブナイルストーリーやったって感じやな。
土屋太鳳の歌声も物語をさらに盛り上げていて、
”声優無法地帯”常習犯である岩浪美和の手腕に救われたわ。
内容だと、「龍とそばかすの姫」に似通っているが、
いたって地味なんだけど、「龍とそばかすの姫」は越えたと思うね!
(「アイ歌」と同じ松竹配給の)嵐のライブドキュメンタリー映画もいいけど、
こういったアニメ作品も悪くないぞ。