
武内英樹監督は「魅せる」と「楽しませる」にウェイトを置いた。
日曜日は思い切って、なんばパークスシネマでWヘッダー敢行。
1本目は深田恭子主演の「劇場版 ルパンの娘」
”埼玉ディスりコメディ”「翔んで埼玉」で日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した武内英樹監督が、
2019年と2020年、チーフ演出を手掛けたフジテレビ系”木10”枠で放送された連続ドラマの映画化。
シーズン1については↓
シーズン2については↓
横関大の大ロングセラー小説「ルパンの娘」シリーズ(講談社文庫刊)を原作とし、
「翔んで埼玉」や「テルマエ・ロマエ」以上の”おふざけ要素”てんこ盛り・・・なんだけどさぁ、
本当に映画に進出するほどドラマ好評だったのか疑問やわ。
深田恭子をヒットにレギュラーメンバー総動員の上、観月ありさ&市村正親が参戦。
全体的に見て、まさかこんな仕掛けがあったとは・・・!と徳永友一の脚本の秀逸さに驚かされました。
(本編前にTVシリーズのダイジェストが流れます。)
泥棒一家“Lの一族”の娘として生まれた三雲華(深田恭子)と、警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)。
ロミオとジュリエットばりの許されない恋は、愛の力で様々な障害を乗り越え、
無事結婚にたどり着き、娘の杏(小畑乃々)を授かり、幸せな日常を送っていた。
そんなある日、華の父・尊(渡部篤郎)が泥棒引退を宣言。
これまで迷惑をかけたお詫びにと、華と和馬にちょっと遅めの新婚旅行をプレゼントする。
親子水入らずでディーベンブルク王国観光を満喫していると、そこには”Lの一族”?!
実は尊はこの国で、”Lの一族”最後の大仕事を計画していたのだった。
だが、その最後の大仕事の前にはばかってきたのが、かつて”Lの一族”の一員として窃盗を働いたものの、
理を破り、闇落ちした尊の妹・怜(観月ありさ)だった。
コロナ禍での映画製作とあって、
和歌山のマリーナシティでロケをしたとは思えないくらい、裏方の努力でディーベンブルク王国を作り上げ、
ディーベンブルク王国のお宝を盗もうとする展開から、華の出生にまつわる秘密に触れる驚愕の展開へ移行し、
ジェットコースターに乗らされた感覚を感じ、1時間40分があっちゅう間に過ぎ去ったわ。
この「劇場版 ルパンの娘」は、武内英樹監督がTVシリーズから練りに練られ、
どうやったら観客が満足するか、「魅せる」と「楽しませる」にウェイトを置いたことで、
(同じフジテレビ製作映画である)「マスカレード・ナイト」とは明るい方向の映画に仕上がってくれた。
華麗なアクションと、著作権法違反すれすれのパロディ、
大貫勇輔の洗練されたダンスとミュージカルシーン、いかにもやりすぎなガジェット、
そして、泥棒、警察、探偵の垣根を超えたコンビネーションに、本当の正義とは何かを考えさせてくれました。
この「劇場版 ルパンの娘」は、日本映画の持つ「粋」を感じさせてくれる。
たかがテレビドラマを映画に移しただけだと思うな。