サントラだけは◎だが、作品に関しては・・・
「アマゾンプライムビデオの会員見放題で見つけた、ワタクシがチェックし損ねた映画な話」
2度目の緊急事態編第6弾は1986年公開の「ビギナーズ(原題:Absolute Beginners)」。
グラムロックだけにとどまらず、時代の変化に合わせ音楽のスタイルを変え続け、
俳優としても「地球に落ちてきた男」や大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」にも出演し、
唯一無二、唯我独尊の輝きを放ったロックスター、デヴィッド・ボウイ(1947-2016)が、
出演のみならず楽曲も提供したミュージカル映画。
(今回アマゾンで配信されているのは2016年にリリースされたHDニューマスター版。)
数々のミュージシャンのプロモーションビデオを手掛けてきたジュリアン・テンプルが、
初の劇映画のメガホンをとったことで、カラフルな世界観を構築。
(実質の映画監督デビューは、1979年公開のセックス・ピストルズのドキュメンタリー映画。)
公開当初、ドルビーステレオの利いた映画館で見たかったんだけど・・・
ようやく巡り合ったんですが、その講釈は後半で。
1958年、若者が「ガキ」から「ティーンエイジャー」に変わったころのロンドン、ソーホーには、
青春を謳歌するティーンエイジャーでごった返した。
カメラマンの卵コリン、その恋人でデザイナー志望のスゼットも、彼らの仲間だ。
だがひょんな事から喧嘩して別れてしまい、スゼットは大物デザイナーに惹かれて婚約してしまう。
がっかりしたコリンだったが、ふとしたことで広告業界のやり手ベンディスと知り合い、
彼の支援もあってコリンは売れっ子カメラマンとなっていくが、心は満たされなかった。
一方でコリンが住んでいるノッティング・ヒル地区の買収が発端となり、
街はソーホーの黒人たちとファシスト集団の衝突による暴動にまで発展。
彼もその騒ぎに巻き込まれてしまう。
やり手の広告マン役で出演しているデヴィッド・ボウイをはじめ、
ヒロインのパッツィ・ケンジットが所属しているエイス・ワンダーや、
ザ・ジャムのメンバー2人で編成されているスタイル・カウンシル、
フロントマンのシャーデー・アデュも出演し、後にヒット曲を連発するシャーデーといった、
今思えばあまりにも豪華すぎるサウンドトラックアルバムはクオリティが高かった。
一方、作品全体では・・・とんだ一杯食わせ物でした。
カラフルな世界観を構築したものの、キラキラ過ぎてクセがスゴい。
フタを開けてみたら、心折れました・・・