観ているだけでなかなかエロい「仕立て屋の恋」
唐突ではありますが、
「アマゾンプライムビデオの会員見放題で見つけた、ワタクシがチェックし損ねた作品」。
今回はパトリス・ルコント監督の1989年の映画「仕立て屋の恋」(日本公開は1992年)。
日本では「髪結いの亭主」(1990年)から爆発的に人気に火が付いたパトリス・ルコント監督ですが、
この作品は、Bunkamuraル・シネマを旗艦館として上映している「髪結いの亭主」のロングランヒットを受け、
急遽、「髪結いの亭主」の前年に製作された「仕立て屋の恋」を今は亡きシネマスクエアとうきゅうで公開。
日本でのルコント人気に拍車をかけた。
ワタクシは関西人で今でも大阪府内在住なのに、ぴあ関西版だけでなく、
関東圏向けのWEEKLYぴあも定期購読しており、
大抵のミニシアターでかかる作品の情報はWEEKLYぴあで入手したわ。
なぜかWEEKLYぴあを読んでいて、「仕立て屋の恋」が気になったな~と感づいたのに、
観に行きそびれて今日に至った。
この作品は、「メグレ警視」シリーズで知られるジョルジュ・シムノンの同名小説が原作で、
同作を映画化した作品は、1946年公開の「パニック」をはじめ数あれど、
この「仕立て屋の恋」は1946年公開の「パニック」のリメイクなんだよね。
人付き合いを避け、隣人たちから煙たがられている仕立て屋イールのただ一つの楽しみは、
向かいのアパートにクラス美女・アリスの私生活を密かに観察することだった。
ある日、近所で殺人事件が発生し、刑事は性犯罪の前科があるイールの犯行ではないかと疑う。
一方、自分を覗き見ているイールの存在に気付いたアリスは、
イールが真相について知っていることを確かめようと、勇気をもって仕立て屋へと向かう。
上映時間80分なのに、超濃厚。
マイケル・ナイマンの劇伴も手伝ってか、性的要素は少ないものの、
描写がね、妙にエロいわ~って思ったわ。
孤独な仕立て屋を演じたミシェル・ブランの漂う哀愁に隠された耽美感と、
インパクト絶大なハゲ頭(失礼!)が印象に残ったわ。
この後、パトリス・ルコント監督の作品の日本公開は、
主にBunkamuraル・シネマとシネスイッチ銀座を旗艦館としてかかるようになり、
共に監督の作品を信頼していると感じているわ。