「半沢直樹」が未だに配信も再放送もしていないのには驚いた。
本来なら4月期のはずが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、
19日スタートで、7月期に延期になったTBS系”日9”枠「日曜劇場 半沢直樹(第2シリーズ)」。
その放送を前に、2013年7月期の第1シリーズを、
合計4時間にまとめた特別総集編が5日と12日、2週連続で放送された。
思えば「半沢直樹」の成功で、池井戸潤作品の映像化ラッシュが続いたんだよね。
第1シリーズは「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」(共に文春文庫、講談社文庫)が原作。
大阪に異動となった東京中央銀行勤務の銀行員、半沢直樹(堺雅人)は、
バブル経済末期に入行した「バブル入行組」で、今や業務の中心的役割を果たすように。
そんな半沢に、異動先の浅野支店長(石丸幹二)から無茶ぶりを振られ、
東田(宇梶剛士)が経営する西大阪スチールへの5億円の融資を、
「無担保」を条件に取りつけるように指示された。
それが、浅野支店長の私欲のためだってことは露しれず。
ワタクシ自身、第1シリーズは未視聴ですが、
「下町ロケット」「ようこそ、わが家へ」「陸王」「七つの会議」「ノーサイド・ゲーム」などを見て、
考えが変化し、この特別総集編第1夜を見て、半沢直樹のぶれない姿勢がよくわかったわ。
少年時代、銀行の貸し渋りで、実家のねじ工場が倒産し、路頭に迷った半沢直樹は、
自ら銀行に復讐するかのように、銀行に入行し、
不正な手段で高跳びしようとする融資先の面々、私欲のために走る上司、
国税局の黒崎検査官(片岡愛之助)を次々と「倍返しだ!」と論破する堺雅人を見て、
これが正義やなと感じたわ。
池井戸潤は、経済小説の名手というイメージが強いが、
1998年9月に刊行された「果つる底なき」は意外なことに、
第44回江戸川乱歩賞、週刊文春傑作ミステリーベスト10入りと、ミステリー小説扱い。
そのミステリーの手法は、「空飛ぶタイヤ」や「ようこそ、わが家へ」、
そして、「半沢直樹」でも活かされている。
それにしても驚いたのは、第1シリーズの再放送や、
Paraviほかのネット配信が未だ行われていなかった。
ディレクターズカット版がDVD-BOXやブルーレイBOX化しているのに、
TBSに「倍返しだ!」って訴えたくなるわ。