映画を観て、鉢植えを頭に乗っけないように!
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急企画。
「アマゾンプライムビデオの会員見放題で見つけた、ワタクシがチェックし損ねた映画な話」。
第20弾はデヴィッド・クローネンバーグ監督の初期の代表作「スキャナーズ(レストア版)」(1981)。
「ザ・フライ」「戦慄の絆」「クラッシュ(1996)」に代表される世間を震撼させる作品から、
「M・バタフライ」「イースタン・プロミス」「危険なメソッド」といった小品まで、
観客にトラウマを植え付ける映画を撮り続けているクローネンバーグ監督の出世作。
物語序盤の頭部を破壊させるシーンのインパクトが強いイメージがあるが、
低予算で描かれたとあって、創意工夫がなされていて、
さらにディック・スミスの特殊メイクが恐怖を増幅させてくれたわ。
なんで今まで見なかったかと言うと、
昔、「オレたちひょうきん族」という伝説のバラエティ番組で、
レギュラー出演していたビートたけしが、番組内のコントの中で、
偶然あった花の鉢植えを頭の上に乗っけて、
「オカルト映画の傑作!スキャナーズ!頭がボン!」
といったモノボケ一発ギャグの元ネタをね、見る機会が今までなかった。
いわばギャグが先行していた格好なんだよね。
ようやく、元ネタに巡り合えたって感じ。
無口なホームレスのベイルは、
ある日ショッピングセンターで客の食べ残したハンバーガーを食べているところを、
婦人客に目撃され、ベイルが悪意の目で彼女をにらみつけると、
その婦人客がね、もがき苦しみ卒倒してしまう。
ベイルはコートを着た警備保障会社のコンセック社の社員たちに麻酔銃を打たれて捕まり、
コンセック社の超能力研究所に送り込まれてしまうことに。
同所のルース博士はベイルに対し、ベイル自身が超能力者であることを告げられ、
悪の超能力者集団のリーダー、レボックの殺害を要請されることに。
そこから、善の超能力者ベイルと、悪の超能力者レボックの戦いが展開されるんですが、
CG合成が未発達の時代によく作り込んだな~と頷いたわ。
眉間のドリル痕が痛々しいマイケル・アイアンサイドの狂気溢れる演技はトラウマ級。
この作品ではクローネンバーグ監督が、オリジナルで脚本も兼務しているんですが、
こういったスタイルの作品作りは、後にM・ナイト・シャマランが踏襲しており、
クローネンバーグ監督の作品の悪い所を、
シャマラン監督が解消しスタイルを昇華させているんだよね。
最近ではアート色の強い作品を生みだす傾向があるクローネンバーグ監督ですが、
自分としては、観客にトラウマを植え付けるような作品を送りだしてほしいよね。
無論、オリジナル作品で。