パルムドール監督が引き出した”神の子”の真実。
新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急企画。
「アマゾンプライムビデオの会員見放題で見つけた、ワタクシがチェックし損ねた映画な話」。
第8弾は「マラドーナ」(2008)。
旧ユーゴスラビア連合の実情をえぐった「パパは、出張中!」と「アンダーグラウンド」で、
2度のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞したエミール・クストリッツァ監督が、
世紀の天才フットボーラ―、ディエゴ・マラドーナに密着したドキュメンタリー映画。
優秀なサッカー映画なんだけど、正直見る機会がなかったので、この機に見よう!と鑑賞。
1986年メキシコでの”神の手”と”5人抜き”で一躍サッカー界に轟き、
アルゼンチンのサッカー界をけん引してきた”神の子”ディエゴ・マラドーナ。
その一方でコカイン中毒の苦しみ、反米主義、メタボリックシンドロームからの大減量など、
”神の子”の真実がカメラを通じて語られた。
マラドーナの本音を引きだしたクストリッツァ監督の手腕も評価できる。
マイケル・ムーア顔負けの突撃取材。
各所の協力により実現した試合映像の数々。
クストリッツァ監督の代表作「アンダーグラウンド」「パパは、出張中!」などの場面をコラージュ。
これらの要素が、ディエゴ・マラドーナの”素”を形成している。
さらに、1998年以降、クストリッツァ監督自身もリズムギターで参加しているバンド、
「エミール・クストリッツァ&ノン・スモーキング・オーケストラ」のドラマーで、
クストリッツァ監督の息子であるストリボル・クストリッツァの劇伴も優秀。
その映画の10年後、今度は「AMY」のアシフ・カパディア監督による、
ディエゴ・マラドーナの最新ドキュメンタリー映画、
「ディエゴ・マラドーナ 二つの顔」が7月に公開予定。
500時間分の未公開映像を基に、マラドーナの二面性に迫る内容なので、
今すぐアマゾンプライムビデオで「マラドーナ」を見て備えよ。