「一度死んでみた」は松竹らしい喜劇映画。
20日の春分の日、ワタクシは地下鉄を乗り継いで、はるばるイオンシネマ大日まで赴いた。
ここでダブルヘッダー鑑賞。
↑大阪モノレールと大阪メトロ谷町線の大日駅の目の前。
3月に大阪府内某所で新型コロナウイルスのクラスター感染発生を受け、
大日、茨木、四条畷のイオンシネマが7日より15日まで臨時休館。
16日より一部規制した上で営業再開し、20日より夜8時以降のレイトショーも再開。
ほぼ千鳥配列みたいな形で座席間隔を開けてチケット販売。
たとえグループ鑑賞でも間を開けてっていうのが過剰過ぎ。
鑑賞2日前に行われていた予約も、鑑賞日当日対応(開店時間より)のみ。
e席リザーブも、鑑賞日当日の00:15より。
無論、手指用のアルコール消毒液を入り口に設置したり、スタッフもマスク着用。
興行場法に基づき換気も常時行っている。
映画の話に戻す。
まず観たのは「一度死んでみた」。
au「三太郎」シリーズや、日野自動車の「ヒノノニトン」といったインパクトのあるCMを生みだした浜崎慎治が、
初めて長編映画の監督に挑んだ本編上映時間1時間33分のこの映画、
初めてコメディ映画に挑む広瀬すずを筆頭に、吉沢亮、堤真一、小澤征悦、リリー・フランキー、松田翔太ら、
コメディ映画にしては無駄遣いとツッコまれるくらい豪華なキャストを動員。
たかが93分の映画じゃないかと思って観てみたら、あとで取り返しがつかなくなります。
野畑七瀬(広瀬すず)は、製薬会社の社長を務める父親の野畑計(堤真一)から、
しつこく科学知識を詰め込まれたことに反発し、
デスメタルバンド「魂ズ」のバンド活動に勤しむ就活真っ只中の大学生。
仕事に打ち込み過ぎて母の死に際にも現れなかった計の顔を見るたびに、七瀬は早く死んでくれと毒づいてます。
計が社長を務める製薬会社では若返りの薬「ロミオ」の開発の真っ最中で、
研究員の藤井(松田翔太)が「ロミオ」開発過程での副産物で、
一錠飲めば2日間仮死状態になれる薬「ジュリエット」を開発。
計は「ジュリエット」を一錠のみ仮死状態になり、幽体離脱。
それは経営コンサルタントとして入社した渡部(小澤征悦)の陰謀で、
ライバル会社による乗っ取りを進めようとしていた。
何も知らずに動揺する七瀬は、遺言書により社長に就き、
計の命令で七瀬を監視していた存在感ゼロの社員・松岡(吉沢亮)とともに、
計の火葬阻止と会社乗っ取り阻止に乗りだすことに。
無駄に豪華なキャストの使い方も贅沢やな~ってうならせただけでなく、
「犬と私の10の約束」を手掛けた電通のCMプランナー・澤本嘉光の台本が、及第点もので、
いくつかの伏線を張っていて、全ての伏線を回収したのちに上手に完結。
ヒャダインの手による「魂ズ」の楽曲もインパクト絶大。
無類のサウナ好きであるヒャダインが、スーパー銭湯のサウナでフルチンで曲を考えていたと思うと笑う。
ワタクシが思うに、「一度死んでみた」は、コメディ映画というより、喜劇映画の類に入る。
製作・配給の松竹は国民的人気シリーズの「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」、
古くはドリフターズの「全員集合!!」シリーズや、ハナ肇の「為五郎」シリーズをはじめとする喜劇映画を多く生みだしており、
松竹伝統の喜劇映画を、フジテレビ、電通、LINEを巻き込んで、違ったアプローチで回帰を試みた。
大げさなドタバタの末に、スカッとする結末。
(同じく松竹が手掛けた)「Fukushima50」の所でも語ったが、
蒲田撮影所時代、”蒲田調”の土台を作った城戸四郎(元松竹会長。迫本淳一社長の祖父。)の、
「映画の基本は救いでなければならない。見た人間に失望を与えるようなことをしてはいけない。」
が「一度死んでみた」で、救われたと思うね。
1920年の松竹キネマ合名社設立&蒲田撮影所開業から、数えて100年を迎える2020年、
松竹の映画事業100周年にふさわしい作品をぶっ放してくれたなと。
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