蜷川実花監督って、計算しつくされているんだよね。
日曜日、行きつけのシネコンまで「Diner ダイナー」を鑑賞。
「さくらん」「ヘルタースケルター」で美的センスを発揮した写真家・蜷川実花の映画作品第3作は、
平山夢明の同名小説(ポプラ社・ポプラ文庫刊)が原作。
(集英社の漫画配信サイト「となりのヤングジャンプ」で漫画版が連載されている。)
蜷川実花の実父・蜷川幸雄(1935~2016)の下で演技を叩きこまれた藤原竜也が、
元殺し屋の天才シェフを演じたことで、想像以上の化学反応を起こしたわ。
天才シェフのわがままに振り回されるウェイトレスを演じた玉城ティナや、
個性的な殺し屋を演じたキャスト陣も、美的センスに磨きをかけたわ。
孤独な女性オオバカナコ(玉城ティナ)は、メキシコへの渡航費用を稼ぐため、
一晩で30万円という激ヤバなバイトに手を染めてしまった上に、しくじってしまったことで、
とあるダイナーにウェイトレスとして売られてしまう。
そのダイナーは、元殺し屋の天才シェフ、ボンベロ(藤原竜也)が営む、
殺し屋専門のダイナーだった。
ヤバすぎる緊張感の中、ヤバすぎる殺し屋が御腹を空かしてやってくる。
PG-12指定(小学生以下は保護者同伴)の「さくらん」や、
R-15+指定(中学生以下は鑑賞禁止)の「ヘルタースケルター」と比べると、
これG指定(一般映画)で公開して大丈夫?後悔してない?って首傾げたくなるくらい、
作中にあふれる美的センスと、殺し屋たちの壮絶なアクションの不協和音が強烈。
花の散り具合や、消火用のスプリンクラーの放水のタイミングも、
写真家ならではの感性が光ってたわ。
後藤ひろひとの脚本(蜷川実花監督との共同執筆)も物語に花を添えたわ。
舞台「身毒丸」で前任者の武田真治からバトンを受け継いで以来、
蜷川幸雄の下で演技を叩きこまれた藤原竜也が、
蜷川幸雄の実娘が手掛ける映画でイキイキと、元殺し屋の天才シェフを演じていることがデリシャス!
「俺はここの王だ!」と上から目線で口上を述べ、真摯に調理する姿に魅了し、
そしてラストの抗争までくぎ付けになったわ。
ヤバすぎるダイナーのウェイトレスを演じた玉城ティナは、
このまま週刊ヤングジャンプの巻頭グラビアを飾ってもいいんじゃねぇというくらい美しい!
映画公開に合わせてやってくれたらよかったのに。
ヤバすぎる殺し屋を演じた面々もインパクトを与えてくれた。
異物入りスフレを食す窪田正孝。
VFXで身長を低くした本郷奏多。
剥いたみかんにスジが入っただけでキレる奥田瑛二。
「さくらん」の勢いをそのまま持ち込んだ土屋アンナ。
非情なまでに仕事に徹する真矢ミキ。
実花監督の要望に応えるくらいのヤバさが強烈。
しかも、実父の蜷川幸雄も”出演”していたしね。
あ~この映画、ドルビーシネマでもう一度見たくなったわ!
この映画の映像美は、ドルビーシネマで威力を増すのにねぇ。
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