イーストウッドの老獪さに脱帽。
パナソニックスタジアム吹田に向かう前に、109シネマズ大阪エキスポシティで、
クリント・イーストウッドの監督・主演兼務作「運び屋」を鑑賞。
ここ近年実話路線が続いてきた映画監督のクリント・イーストウッドが、
またしても驚愕の実話を映画化。
しかも、2012年公開の「人生の特等席」以来、劇映画で主演するとのことで、
御年88歳とは思えない演技力に説得力があったし、
「アメリカン・スナイパー」でタッグを組んだブラッドリー・クーパーとの演技合戦も見物。
花農場を営んできた90歳のアール・ストーンは、家族より仕事優先で生きてきたが、
インターネットでの花の販売業者に打ち負け、多くの負債を抱え自宅を差し押さえられそうになる。
孫娘の結婚式の日、新郎の友人だという男が来て、
車で荷物を運ぶだけの仕事を持ちかけられる。
それを引き受け、何の疑いも抱かずに積み荷を受け取っては運搬するアールだったが、
何と、その積み荷の中身が、麻薬だった。
身近な人から大金が必要な時に運搬を重ねていく中で、
アールの自由すぎる仕事っぷりにキレた組織と、
麻薬組織を一網打尽にしようとするFBIがマークされてしまうことに。
この映画は、アミューズメントパーク化していく映画館の流れに異を唱え、
スクリーンの大小や音響設備の質に関係なく、
映画会社は単純にいい作品を観客に届けることだけに全力を注いでほしいという、
イーストウッドなりのメッセージが込められていたわ。
ここ近年のクリント・イーストウッドの監督作が実話路線なのも、こういった流れからでしょうかね。
久々の主演作となるクリント・イーストウッドが素晴らしく、
御年88歳になっても、演技力は老獪で、ユーモアも冴えわたってたわ。
最近「アリー スター誕生」で監督デビューを果たしたブラッドリー・クーパーが、
麻薬捜査官役で参加したのも、とても大きかった。
師弟関係だからなせる演技バトルもなかなかである。
どちらと言えば、この「運び屋」は中高年層向けで、
イーストウッドは日本映画界で中高年層向けの映画がウケていることを察知していたのかな。
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