「七つの会議」はサラリーマン映画の仮面をかぶったホラー映画だ!
日曜日、「七つの会議」を鑑賞。
直木賞作家・池井戸潤の代表作の1つ(集英社文庫刊)を、
「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」をTBS系”日曜劇場”枠でドラマ化した福澤克雄監督以下の、
”福澤組”が集結し映画化。
「スキャナー」(2016年)以来2度目の現代劇となる野村萬斎がアウトローの万年係長を演じ、
共演陣も福澤監督の作品に出演経験がある役者揃いで、
凄すぎる演技バトルから醸し出される「恐怖」にビビりました。
都内の中堅金属製家具メーカー・東京建電は、大阪の大手メーカーの傘下に入り、
オフィス用のパイプ椅子や、新幹線やジャンボ機の座席を卸していることで、業績が上がっている。
それ故、ノルマ重視で、社員たちは血反吐を吐きつづけている。
今日も朝の会議が開かれ、北川営業部長(香川照之)の怒号が轟く中、
ただ1人、イビキを上げ居眠りをする愚かな人間が。
「居眠り八角(はっかく)」と揶揄されている営業一課の八角(やすみ)係長(野村萬斎)である。
最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという、ただ1人浮いた存在である。
上司である坂戸課長(片岡愛之助)は八角を必要以上に叱責したことで、
八角がパワハラで提訴し、坂戸課長に人事部への異動が下され、
後任に営業二課で北川営業部長の怒号に胃炎を患っている原島課長(及川光博)が着任。
原島課長は部下のOL・浜本優衣(朝倉あき)と共に、八角係長の身辺調査に出るが、
調べていくうちに、八角係長の本心を知り、それが会社を揺るがす事態になろうとは。
この映画。
怒号と顔芸のラッシュによる実力派同士の演技バトルを見て、
そこから醸し出される「恐怖」に足腰ガクガクガクガク。
緊迫感が半端なかった。
TBS系”日曜劇場”枠での池井戸潤作品を手掛けた福澤克雄監督が、
これまでに培われたノウハウを全部ぶち込んだことで、
もうサラリーマン映画の範疇をぶっ超えたといっても過言ではないでしょうね。
もう1つの側面として、
野村萬斎を太郎冠者的ポストに置いた、現代狂言としても楽しめる。
元々狂言は猿楽から発展させた伝統芸能で、猿楽の滑稽味を洗練させた笑劇であることから、
「やられたらやり返す。倍返しだ!」の決め台詞でドヤ顔する半沢直樹や、
奇想天外なアイデアで逆転劇を演じてきた「下町ロケット」の佃航平のように、
狂言独特のセリフ回しで相手をこれでもかと追い詰める八角係長は、
強烈なインパクトを残してくれたね!
映画見て、ドーナツ食いたくなったわ。
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