昔シネラマ、今IMAX。
日曜日、「2001年宇宙の旅」(IMAX 2D版)を鑑賞。
1951年の「拳闘試合の日」から、(遺作となった)1999年の「アイズ・ワイド・シャット」まで、
完璧主義っぷりと、革新的な映像センスで次々と快作を生みだしたスタンリー・キューブリック監督。
その彼が「博士の異常な愛情」「時計じかけのオレンジ」と並ぶ、
1968年公開の”SF三部作”の一編で、後のSF作品に影響を与えた一大スペースオペラ。
この映画がなかったら、
「スター・ウォーズ」も「E.T.」も「機動戦士ガンダム」も生まれなかったくらいやわ。
今回、公開から50年を受け、
この映画の影響で「インターステラー」を撮ったクリストファー・ノーラン監督の監修の下、
4Kデジタルリマスタリングが施され、IMAX 2Dでの公開に対応できるようになった。
先日、東京・京橋の国立映画アーカイブにて、
特別上映されたアンレストア70mm版(ゴミや映写キズもそのまま!)では、
6日間の限定公開にも拘らず、全回満員御礼になり、人気の高さを証明した。
今回、IMAX 2D版を見て、色あせねぇなぁと思いつつ、
最初から、あえて難解にしたというのも、キューブリックらしいとね。
物語は4部構成。
太古の昔、ある猿人のグループが突如として現れた黒い石碑・モノリスに触れ、知恵を得て、
水場を乗っ取られた敵対する猿人のグループのボスを動物の骨で撲殺し、悦びに浸る。
↓
2001年、人類は宇宙というフィールドに乗り出し、月に居住地を作り上げた。
アメリカ宇宙評議会は、月での開発中にモノリスを掘りだし、
400万年ぶりに太陽光を浴びたモノリスは木星に向けてメッセージを発信した。
↓
月でモノリスが発見された18ヶ月後、
アメリカ宇宙評議会は宇宙船ディスカバリー号で木星に調査団を送りだした。
クルーは出発前から人工冬眠した3人の教授、クルーのボーマンとクールの計5人。
さらに1992年に開発された人工知能のHAL3000も投入し、長旅のサポートをすることに。
ところが、通信機器の故障からボーマンとクールはHAL3000の性能に疑問を持ちはじめ、
宇宙ポッドで密談が行われたが、HAL3000は読唇術で密談の内容を知り、
搭乗員に報復することに。
↓
ボーマンは木星の衛星軌道上で巨大なモノリスと遭遇し、
スターゲイトを通じて、人類を超越した存在へと進化を遂げることに。
冒頭の猿人のくだりから、構成が難解でしたが、
キューブリックは人類vs人工知能の戦いで、テクノロジーの功罪を予見しつつ、
圧巻の映像美と、映画を彩るクラシックの名曲群で、もうくぎ付け。
さらにIMAXで上映されると、大スクリーン負けしない色彩と、重低音で打ちのめされた。
50年前の公開時は3台のスタンダードサイズ映写機を同時連動させ、
歪曲させたスクリーンで上映するシネラマ方式で上映。
東京のテアトル東京、大阪のOS劇場など、シネラマ対応劇場でしか上映されたが、
次第に70mmが主流になり、シネラマは廃れていったんだよね。
あれから50年、IMAXスクリーンが全国のシネコンに設置されて当たり前の時代になり、
IMAXの大スクリーンは、シネラマや、70mmにも引けを取らない。
昔シネラマ、今IMAX。
映画興行も時代のニーズに応え変化している。
で、ここで補足。
「2001年宇宙の旅」鑑賞時にいくつかの注意事項を。
①本編上映前、5分間位、スクリーンに映像が上映されず、
スピーカーからは前奏曲(ジェルジ・リゲティ「アトモスフェール」)が流れますので、
決して映写機の故障ではありません!
間違ってスタッフに問い合わせないように!
②上映から1時間28分頃(クルーの密談のシーン)から約13分間、休憩が入ります。
これもまた上映再開前にスピーカーから、
前奏曲(ジェルジ・リゲティ「アトモスフェール」)が流れます。
③エンドロールで「THE END」が流れた後も、
退場曲としてヨハン・シュトラウス2世「美しく青きドナウ」が、
今回の上映の配給元であるワーナーブラザーズ映画のロゴが出るまで流れます。
早々に退場するのも良し、
ワーナーブラザーズ映画のロゴが出るまでいるのも良し。
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