岡田磨里の力より、篠原俊哉&石井百合子の力が強い。
パナソニックスタジアム吹田でJ1リーグの開幕戦を観戦して約1時間後、
ワタクシは109シネマズ大阪エキスポシティで「さよならの朝に約束の花をかざろう」を鑑賞。
「花咲くいろは」「凪のあすから」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」
「心が叫びたがっているんだ。」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」といったアニメの脚本を手掛け、
ここ近年では漫画原作や、実写映画の脚本も手掛けている岡田磨里が、
「花咲くいろは」「凪のあすから」でタッグを組んだ富山のアニメ制作会社P.A.WORKSのサポートと、
文化庁の芸術振興費補助金(早い話が製作費助成)を受け、
初めて監督業に挑んだ長編アニメーション映画。
いい意味で強烈なインパクトを残してくれた、口コミで広まりやすい作品やったわ。
人里離れたイオルフの里。
ここの里の住民は、10代半ばで成長が止まり、数百年生きることができ、
彼らは日々の出来事を「ヒビオル」という織物につづることを生業としている。
だが、イオルフの少女マキア(CV:石見舞菜香)は平穏で仲間に恵まれた生活の中で、
いいようのない孤独を感じる。
ある日、イオルフの長寿の血を求めるメザーテ軍が侵攻し、住民の大半が殺害された。
命からがら森の中へと逃げ込んだマキアは、親を失った赤ん坊を見つける。
マキアはその赤ん坊をエリアル(青年期以降のCV:入野自由)と名付け育てることを決意する。
故郷を失ったマキア。
親を亡くしたエリアル。
2人の”ひとりぼっち”がたどった命の軌跡が、エリアルの晩年まで描かれていますが、
10代の大半を不登校で引きこもっていた経験を持つ岡田磨里が(いい意味で)全人格を投入し、
強烈なボディブローを繰り出してくれたわ。
普通、アニメーション作品の監督は、
原画や動画の作業に携わったアニメーターか、
納期に間に合わせるためスケジュールを管理する制作進行を経験した人間が行う役割。
岡田磨里は数々のアニメ作品の脚本を手掛け、絶大なインパクトを残しているが、
アニメーター経験も、製作進行の経験もゼロ。
そんな彼女をサポートしてくれたのが、「凪のあすから」では監督を務めた篠原俊哉と、
「花咲くいろは」でメインアニメーターを務めた石井百合子。
前者は副監督として、アニメーション監督としての経験値が浅い岡田磨里監督を技術面でサポート。
後者はスマホゲーム「進撃のバハムート」のカードイラストを担当した吉田明彦のキャラクター原案を、
魅力あるキャラにブラッシュアップ。
北陸地方を拠点とし、大手に引けを取らない作品を作り続けるP.A.WORKSの底力を見せつけられたわ。
川井憲次の劇伴も、(劇伴を担当した)「スカイクロラ」と肩を並ぶくらい優秀やった。
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