「ポッピンQ」に見た、老舗スタジオの焦り。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

「ポッピンQ」に見た、老舗スタジオの焦り。

年末年始休暇初日の30日、ワタクシは行きつけのシネコンまで「ポッピンQ」を鑑賞。
創設時の「日動動画」を買収し、前身の「東映動画」時代から数々の名作を送り込んできた、
老舗スタジオの東映アニメーションが創立60周年を記念して製作されたオリジナル作品で、
「プリキュア」シリーズを手掛けている企画チームの「東堂いずみ」がストーリーを手掛け、
(ちなみに「東堂いずみ」は、スーパー戦隊シリーズの企画チームである「八手三郎」と同格。)
「キノの旅」「世界征服~謀略のズヴィズダー~」の黒星紅白がキャラクター原案を担当。
卒業を間近に控えた5人の女子中学生が異世界に送り込まれ、
世界を救うという、至ってベタなストーリー展開なんですが、
その世界の救済方法が・・・トンデモなかった!

卒業式を前日に控えた高知県の港町。
親の事情で春から東京に引っ越すことになった小湊伊純(CV:瀬戸麻沙美)は、
陸上の大会、100m走で同じ部の後輩に敗れたことを引きずっている上に、
東京に引っ越したくないと両親に反発している。
卒業式の日、伊純は列車通学の途中、中学の方向とは逆の列車に乗り、
何となく下車し、美しい海辺の砂浜で美しく輝く「時のカケラ」を拾ったことで、
不思議な世界・時の谷へと迷い込むことに。
その世界には、

周囲に同調することを嫌う優等生の日岡蒼(CV:井澤詩織)
失敗を恐れるあまり、楽しんでピアノを弾くことができない友立小夏(CV:種﨑敦美)
柔道家の父と合気道の達人である母に板挟みにされている大道あさひ(CV:小澤亜李)
コミュ障で孤立し、常に消えてしまいたい思想を持っている都久井沙紀(CV:黒沢ともよ)

と、中学卒業を控えた少女も迷い込まれ、
時間軸のバランスが狂った時の谷を救済する方法は、何とダンスだった!

ビジュアル的には、東映アニメーションの本気を感じ、
特に3DCGによるダンスシーンは流麗やったんですが、
ストーリー的には、何かのバラエティ番組か!ってツッコミどころ多し。
基本的には、思春期の少女を通じ、「前に進む勇気」を問うものですがねぇ。
そのせいで、50:50。

この「ポッピンQ」を見てね、ここ近年の東映アニメーションの「焦り」を感じていたわ。
ここ近年、京都アニメーション、P.A.Works、スタジオ地図といった新興スタジオの躍進や、
「君の名は。」を筆頭に、口コミで着実にヒットに結びついているアニメ映画が多くでており、
その影響で、東映アニメーションは、
過去の代表作のリメイク(「タイガーマスクW」とか)、リブート(「セーラームーンCristal」とか)、
リスタート(「ドラゴンボール超」とか)の作品が多く顕著に目立っていて、
老舗の看板にかじりついているんだよね。

「ポッピンQ」も同じで、東映まんがまつりのオリジナル長編作のレガシーと、
「ONE PIECE」や「プリキュア」シリーズの現在の技術を融合させ、
これぞ東映アニメーションの心意気!といえる作品を送り込んできたが、
ふたを開けてみたら「公式が病気」レベル。
残念すぎる。



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