「ガタカ」のコンビが突き付けた、軍人の”ネトゲ廃人”化への警鐘。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

「ガタカ」のコンビが突き付けた、軍人の”ネトゲ廃人”化への警鐘。

Wヘッダー2本目は「ドローン・オブ・ウォー」。
2012年、「NASAが選んだ現実的なSF映画」1位に選ばれた「ガタカ」の、
アンドリュー・ニコル(監督)と、イーサン・ホーク(主演)がタッグを組んだ、
「ガタカ」とは打って変わった、現在進行形の戦争映画。
遠隔操作の無人戦闘機を操るアメリカ海軍少佐の苦悩を描いているんですが、
これが実話だというのもうなづけるわ。

ニューヨーク同時多発テロ(2001年9月11日)以降、
中東某国、テロ組織をさせるために送り込まれた遠隔操作型無人戦闘機・ドローン。
テロ組織の重要人物を見つけて、ロックオンし、そこにミサイルを発射。
だが、遠隔操作している発信源は、中東某国ではなく、
アメリカ合衆国ネバタ州ラスベガス郊外の空軍基地のコンテナ。
トミー・イーガン少佐は、戦闘機のパイロットを務めたんですが、ドローンを操作する側に異動。
テレビゲーム感覚で、標的を見つけ、ミサイルを発射し、相手を一掃。
仕事が終われば、ラスベガス近郊の住宅街に帰宅し、愛する家族のもとへ。
ところが、CIAの対テロ対策作戦中のある事件がきっかけで、
イーガン少佐は徐々に精神を病んでしまう。

この展開から見たら、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」と被ってしまうんですが、
大きな違いは、「アメリカン・スナイパー」が中東地域に出征した狙撃手が主人公だったのに対し、
「ドローン・オブ・ウォー」は、ラスベガス郊外の空軍基地にある冷房の効いたコンテナで、
中東地域に飛ばしたドローンを遠隔操作し、攻撃を加えるドローンの操縦士が主人公。
受ける精神的ショックは、後者のほうが高い。
中東地域とネバタ州ラスベガス、精神的な温度差が激しく、
モニター越しで状況を確認する様は、現実感が欠落しているといっても過言ではない。

アンドリュー・ニコル監督は、「ガタカ」で遺伝子レベルのことを描いたように、
「ドローン・オブ・ウォー」は、軍事兵器の近代化により、戦争がゲーム感覚で行われた影響で、
軍人の”ネトゲ廃人”化への警鐘が、この映画に込められている。

戦争に「安全」なんてない。
戦争に「安全」を求めるほうが愚かだ。

【追記】
作中、イーガン少佐が車を運転しているにもかかわらず、
お酒をラッパ飲みしているシーンがありますが、
飲酒運転は道路交通法で禁止されています。
絶対にマネしないでください。


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