ラブストーリーというより、文明風刺。
日曜日、朝早くから行きつけのシネコンまで「her/世界でひとつの彼女」を見た。
「マルコビッチの穴」「アダプテーション」で奇想天外な映画を手掛けたスパイク・ジョーンズが、
米アカデミー賞(R)脚本賞を受賞した新感覚のラブストーリーですが、
ワタクシから見たら、スパイク・ジョーンズなりに解釈した文明風刺映画やったな。
(作中、卑猥なセリフが多いため、PG-12指定に。)
音声入力が当たり前で、ペンで字を書く事なんて忘れた近未来のロサンゼルス。
手紙の代筆業をしているセオドアは、バツイチで、家に帰れば孤独。
頼れる相手は進化したPCだけ。
そんなある日、セオドアは人工知能型OS「OS1」を購入。
その「OS1」、セオドアのリクエストを飲み込み、女性「サマンサ」と名乗るようになり、
セオドアは「サマンサ」との交流を重ねるうち、実態のない“彼女”の虜になるが・・・
この映画を見て、文明風刺が利いていたなと思ったんだよね。
ネットに接続するデバイスが1人最低1台ある現在、肉体的な交流なんて皆無。
無論、性交なんて皆無に等しい。
セオドアは「サマンサ」と交流する事で、人肌の愛おしさを感じるようになったもんなぁ。
台本が秀逸だから、米アカデミー賞(R)が納得するのがわかるわ。
バツイチ男を演じたホアキン・フェニックスの1人芝居シーンも秀逸やったし、
「サマンサ」を声だけで演じたスカーレット・ヨハンソンも素晴らしかった。
スパイク・ジョーンズは奇想天外な映画を取り続けているが、
この「her」は、別の意味で奇想天外な映画やったわ。
こんなに鑑賞後の後味がすっきりした映画、スパイク・ジョーンズ監督の映画では新鮮に感じた。
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