過激な作品の中に見えた、中島監督の「希望」 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

過激な作品の中に見えた、中島監督の「希望」

土曜日、天皇杯2回戦が行われる万博記念競技場に行く前に、

近くのシネコンまで中島哲也監督、役所浩司主演の「渇き。」を見た。


第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の小説「果てしなき渇き」が原作で、

精神病が原因で家庭を崩壊させ、警察を依願退職したロクデナシ&バツイチの元刑事が、

行方不明になった娘の捜索に乗り出したんですが、

調べれば調べるほど、「愛する娘は、バケモノでした。」な展開になるんだけど、

映画を見てね、中島哲也監督がこれでもかと言わんばかりの情熱を、

ハードディスクに押しこんだ、叩きつけたことが、過激な作風に現れている。

ロクデナシの刑事を演じた役所浩司の怪演っぷりもスゴかった!

今村昌平監督が2度目のカンヌ国際映画祭パルム・ドール(最高賞)受賞を果たした「うなぎ」を彷彿とさせたわ。


この情熱をブチ込んだ映画「渇き。」は、中島哲也監督の挫折から生まれた。

「告白」で日本の映画賞を総なめにした中島哲也監督は、

次回作に別冊少年マガジン(講談社)連載中の人気漫画「進撃の巨人」の実写映画化に乗り出したんだよね。

ところが、いざ取り組んだものの、’12年末に監督降板を表明。

降板理由は明らかになってないが、ワタクシの考察としては、

制作上における数々のハードルが高すぎて、越えようとしても越えられず、

心が折れてしまい断念せざるをえなかったんだよね。

(結果、「進撃の巨人」の実写映画化は樋口真司監督が手掛ける事で決着した。)

映像作家生活初のスランプを払しょくさせようと作ったのが、「渇き。」だもんなぁ。


この映画、賛否両論になっていますが、

ワタクシとしては、この映画から、中島哲也監督の「希望」が垣間見えたんだよね。

一切ネガティブ感がないと言ったらウソになるが、

ポジティブに受け止めたら「渇き。」が「救い。」になったわ。


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