上島竜平が神に見えた・・・
寝不足状態のまま、日曜日、行きつけのシネコンまで「銀の匙」見てきた。
「書店員が選ぶマンガ大賞」受賞を足掛かりに、フジテレビ系”ノイタミナ”枠でTVアニメ化された、
荒川弘原作の農業高校青春グラフィティ漫画が、SexyZoneの中島健人主演で実写映画化。
肉食系農業高校に入ってしまった草食系男子から見た、
「最強な理不尽な青春!」感より、心にガツンとくる部分が多く、
流石「マンガ大賞」受賞作やなって思ったわ。
競争社会に嫌気を感じ、全寮制の”エゾノー”こと大蝦夷農業高校(酪農科)に入学した八軒勇吾は、
想像以上に過酷な酪農実習に心が折れかけそうになり、
クラスメイトが明確な将来の展望を持っているのに対し、自ら未来が見いだせない憤りを感じていたが、
御影アキや駒場一郎を始め、クラスメイトに助けられながら、
勇吾は自らの「これから」を見出そうと奮闘するんだよね。
ワタクシは前半部と後半部でかなりガツンと来たんだよね。
前半部は、勇吾が食用の豚を「豚丼」と命名し、手塩にかけて育て、
夏休みを使って御影アキの実家でのバイトで稼いだ金で「豚丼」を買い、
業者の手で解体された後、ベーコンにして振る舞ったことで、
人間にとって、牛、馬、豚、鶏を食する事は何なのかを考えさせられた。
後半部は、駒場一郎の実家が廃農(一般企業で言うところの倒産)にあったことによる、
酪農家の現実を思い知らされた事と、
勇吾が秋のエゾノー祭で、ばんえい競馬レース開催実現に向けて奮闘する姿に心がうたれた。
この後半部、原作の流れを一部改変し、映画用のオリジナルとして描かれているんだよね。
原作の方では、エゾノー祭で日夜奮闘する勇吾が過労で倒れ、入院し、
エゾノー祭に参加できず、モヤモヤ感やイライラ感がぬぐい去れなかった事や、
駒場一郎が、高校野球の北海道秋季大会に敗れ、実家の廃農に同意し、
エゾノーを去った事が描かれていたが、
映画の方では、ばんえい競馬コース作りにクラスメイトが助太刀出来た事で、
勇吾の精神的負担が軽くなり、無事エゾノー祭を迎え、
一方駒場一郎は、高校野球のエピソードを割愛し、エゾノー祭が来る前にエゾノーを去ってしまう。
原作ファンからしたら、原作漫画の良さが活かしきれず「原作レイプだ!」とヤジられそうだが、
2時間の上映時間という制約上、いかに矛盾点をなくすか、有効的なポイントをどこに置くか、
スタッフの配慮が活きていたんだよね。
SZの中島健人だけでなく、広瀬アリス、市川知宏が農業高校で奮闘する生徒を体現し、
「小さなおうち」でベルリンが認めた黒木華が、
割烹着姿の女中とは180度趣が変わったタカビーなお嬢様ぶりにマジワロタ。
その一方で、Vシネのバイオレンスな作品で共演した経験のある竹内力と哀川翔が、
はじめてマトモな映画で共演した事が新鮮に思えてしまい、
中村獅童が演じた中島先生からはチーズ臭が感じなかったことが悔やまれる。
(原作では中島先生はチーズ作りに情熱を傾けている”チーズおたく”設定である!)
その中でも、エゾノーの校長を演じたダチョウ倶楽部の上島竜平の存在がね、神がかってたのよ。
テレビのバラエティ番組で見せる体を張った芸とは正反対に、
淡々とし、落ち付いた姿で諭す所にね、まさに神やわって思ったわ。
これマジ。
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