ジェームズ・ボンド、原点回帰。新たな伝説が始まる。
日曜日「007 スカイフォール」(日本語吹替版)見て来た。
これまでワタクシは、金髪、碧眼のダニエル・クレイヴがジェームズ・ボンドを演じる事にキレて、
「誰が見るんだコノヤロー!」の態度をとってきたんですが、
「スカイフォール」が世界55カ国でメガヒットしたことで、
これだとボンドファンを敵に回しかねない事から、前言撤回。
見てみたら、ボンドシリーズ50年目の原点回帰で、
スマートフォンや上海の高層ビルなど時代に合わせた事はしているものの、
展開がとてもクラシカルで、「娯楽の王様」だった頃の映画に立ち返っていたわ。
「アメリカン・ビューティー」のオスカー受賞監督、サム・メンデス監督の意向が強かったんじゃね?
まずは冒頭、トルコでのカーチェイス→鉄道での格闘の後、
ボンドが同僚に撃たれるというショッキングなシーンから入り、
本当は犯人に撃ちたかったんだけど、焦りからボンドに銃弾が当たってしまった上司のMの目の前で、
MI6(英国情報局秘密情報部)本部ビルが爆破されてしまう。
凶悪犯の正体は、かつてMの下で働いていた元諜報部員のサイバーテロリスト、シルヴァ。
Mに復讐するために、Mのとは斜め上を行く発想力でMI6を脅かすんだよね。
それを察知したかのように、「行方不明、死亡扱い」にされていたボンドがロンドンに帰ってきた。
ボンドは上海→マカオ(但しロケは長崎県の軍艦島で行われていた!)→イギリスと股にかける。
特徴的だったのが、ボンドシリーズならではの色気は薄められ、
ボンドとMの信頼関係を大きく問うことにシフトしている。
どれだけMがボンドを信用しているかが、よくわかったわ。
更に作中では、サーチされやすい公用車ではなく、
個人所有のアストンマーチンDB5(ボンドカー仕様)で繰り出したり、
今回使用している拳銃が、前作「慰めの報酬」からワルサーPPKを再び持つようになり、
ボンドが少年時代を過ごしたスコットランド、スカイフォールの実家も戦場にしてしまったりと、
シリーズ誕生50年目での原点回帰を必死に図っていて、
ダニエル・クレイヴのジェームズ・ボンドを定着させるには、もってこいやったわ。
おなじみの”アレ”は、冒頭ではなく、一番最後に持ってきてたことに、
新たなボンド伝説の始まりを予感させたわ。
「カジノ・ロワイヤル」、「慰めの報酬」が、
ピアース・ブロスナンからダニエル・クレイヴに変わり、
黒髪・黒眼・胸毛から、金髪・碧眼のジェームズ・ボンドを受け入れるには抵抗があり、
古のファンが拒絶反応を起こしかねない事を考えたら。
ダニエル・クレイヴを凌駕しそうなのが、黒幕シルヴァを演じたハビエル・バルデム。
「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」に登場したジョーズを演じたリチャード・キール並みの図体に、
バナナマンの日村勇気を思わせるキモキモキャラがあまりにも強烈やったわ。
「ノーカントリー」で狂気の殺人鬼を演じ米アカデミー賞助演男優賞を受賞しただけあって、
凄みはないものの、いかにも犯罪を楽しんでいるキャラは強烈。
◆
今回はシリーズ初、同時公開された日本語吹替版で見たんですが、
(「慰めの報酬」までは、日本語字幕版のみで公開されていた)
ボンド役の藤真秀のダンディなボイスは、作品の世界感を盛り上げてくれたもんなぁ。
映画会社主導で日本語吹替版を製作する際、予算をあまりかけないという情報はキャッチしていたが、
予算の範囲内でそれなりに努力している。
地上波民放で放送するときは、そのまんまのキャスティングで行くんでしょうかねぇ?
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↑「スカイフォール」を見た後、この2作を見れば、拒絶反応が緩和されるかも。
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↑TVの”洋画劇場番組”が蘇る!これで吹替の良さを再認識。
(但し、発売元はキングレコードで、20世紀フォックス版とはスペックが異なります)
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