J・エドガーは「裸の王様」だった。
ここ近年は、俳優業を休業し、監督業(と映画音楽の作曲)に専念しているクリント・イーストウッド監督が、
レオナルド・ディカプリオと組んで挑んだ意欲作「J・エドガー」を見てきた。
死ぬまでFBI初代長官であり続けてきた男、ジョン・エドガー・フーパーの生涯を描いていて、
現代の事件捜査では欠かせない指紋照合、筆跡鑑定などを導入し、
在任期間中に就任した8人のアメリカ合衆国大統領から恐れられた悪辣漢である裏で、
マザコン、同性愛者、潔癖症などの”黒歴史”をこれでもかと抉った、
イーストウッドにしては稀ともいえるブラックな映画やな~って思ったわ。
そこで描かれたジョン・エドガー・フーパーは「裸の王様」そのものでした。
FBI長官の椅子に50年座ってきたワンマンリーダーが裏の面を晒されたら、
FBIそのものを凋落・破たんさせかねない。
噛みつく人間がいたら、すぐさま報復に打って出る。
全ては築き上げてきた社会的地位を守るために。
あれだけエグすぎる展開の連続やったら、米アカデミー賞(R)が煙たがられるのは当然やろうな。
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