スペシャル春号2011(3)
◆「ライアー」(いしかわえみ)
まず、「絶叫学級」連載中なのに、100p描いてくれたいしかわえみに感謝。
「櫻の樹の下には 屍体が埋まっている」
(梶井基次郎「檸檬」収蔵「櫻の樹の下には」より)
4月、新学期。
小さい頃から風邪をひきやすく、休みがちな葉山あすみは、
神木真という先輩が好きで、存在感なさげなあずみを精神的に支えてくれた。
だが、去年の春、真は失踪してしまう。
そんな中、朝礼の席で新任の教師が来た。
真ちゃ・・・ん!?
赴任してきた春坂は、顔も声も真に似ていた。
そこから恐怖の展開に・・・
現実シーンと回想シーンの切り替えが効率良くて、恐怖感を煽りたてたことは及第点。
そして、衝撃の結末へとなだれこむんだよね。
◆「初恋あのね」(黒崎みのり)
りぼスペ’10年冬号での「だって好きなんだってば」に続く正攻法の恋愛漫画。
星野絢は同じクラスの野瀬と両想いになったんですが、付きあって1年たっても、もじもじムード。
そこでの展開が、これまでの迷走ぶりを吹き飛ばしてきたもんなぁ。
小学生モノや、小さな妖精モノとかやってきたせいで、黒崎みのりの良さをかえって殺しているようですね。
落ち着いて執筆に専念できない状態にしたのは編集部。
”自称・りぼんっ子”の何の根拠もない発言をホイホイ信じちゃったことから、
黒崎みのりにあーだこーだ要求を突き付けたからね。
迷走するのは当然。
さらに、そのりぼん編集部が、黒崎みのりへのネガティブな意見の真意を疑わず、まるで念仏のように、
「『桜姫華伝』と『スターダスト☆ウインク』のテレビアニメ化を勝ち取ろう」という言葉を口にするなんて、
ド素人軍団の証拠。
そんな環境じゃね、誰が看板作家になろうが結果は同じ。
種村有菜&春田なな推しで、他の漫画家のケアなんて「も~どーでもいいや」のスタンスだもんなぁ。
個人的に思うが、結局、種村有菜と春田ななを使い続けている、っていうか、
使い続けざるを得ないりぼん編集部の問題が本当に大きいと思う。
編集部が売り出す漫画家を替えても、どうなるか分からないという過去の経験、ギャラの問題と、
その後の結果など不確定要素の多い中、
変えられない決断の意思決定ができないりぼん編集部の状況に本当に幻滅する。
もう“自称・りぼんっ子”は、なかよしとちゃおに負けていることではなく、
それになんら有効的な対応がとれていないりぼん編集部に幻滅していることに気づいてほしい。
ま、”自称・りぼんっ子”って、種村有菜&春田ななからのマインドコントロールからは抜けきれない廃人だから、
何を言っても無駄か。(大爆笑)
◆「うしろのあの子」(国行由里江)
第4回金のティアラ大賞銅賞受賞作。
前回銅賞受賞の飛鳥田みかに続いて、いい原石見つけました。
いじめが原因で転校した神宮(かみや)みどりは、5年B組への編入初日、
後ろから2番目の席に着いたが、後ろの男の子が気になる模様。
ところが、5年B組は別名”ユーレイ学級”と呼ばれ、
いじめが原因で自殺した児童の霊がという噂が上がっているが・・・
絵に独特の個性が出ているし、結末の後ろの男の子の“正体”まで持ち込ませる展開には、
及第点を与えたいね!
受賞時の年齢が27歳ってことを考えたら、三十路までの3年間は、いばらの道を覚悟した方がいいと思うよ!
っていうか、飛鳥田みか、’10年5月号掲載の「オタってコスってカオス」以来顔出してないもんなぁ。
銅賞より下の第3回りぼん賞受賞の牧田ゆうこよりマシなんだし。
◆「私立白金学園芸能クラス」(大岡さおり)
(急病で原稿を落としたせいか)本年3月号が冒頭部分だけ掲載されるという醜態をさらしたこの漫画。
何やら展開が中途半端すぎて、読む気が萎えます。
大岡さおりは「ぷちパレード!」の頃の方が良かったんだけど、
先の黒崎みのり同様、”自称・りぼんっ子”の何の根拠もない言動を、編集部がホイホイ信じちゃったから、
大岡さおりは迷走し、今回、原稿を落とすという事態を引き起こしたからね。
漫画家が何をしたいのかわからないのは、
種村有菜&春田ななを推す事しか考えておらず、冷静な思考能力を失ったりぼん編集部の責任。
「満月をさがして」の連載が始まった’02年ごろから、全然変わっていない。
この年間で再起を図れるはかなりありました。
大岡さおりやって、売り方や方向性をきちんと示せば、大成は出来たはずです。
なのに、今日まで、りぼん編集部は一体何をやっていたんでしょうかねぇ。
なんで、りぼん本誌がこんなに無様になったのか、きちんと敗因を分析してますか?
敗因を分析していないようじゃ、大問題です。
編集部は一流大学卒の分別わきまえた社会人でしょ?
まだ、学生気分が抜け切れてないの?エリートの肩書はメッキなの?
編集部の進歩が感じ取れかった事が、自分が見て悲しくなったわ。
冷静な思考能力を欠いた編集部の迷走で、
どれだけの人間が、りぼんから出たんでしょうかねぇ?
どれだけの人間が、(うつ病などの)精神疾患を引き起こしたんでしょうかねぇ?
これじゃ、りぼんで漫画を描きたいという人間が減り続けるのは当然やん。